とりわけラベンダーオイルは、ストレスと不安感を撃退し、よく眠れるようにしてくれるもの。これは研究からも示されています。
ラベンダーオイルの使い方
「ラベンダーオイルを使うときには、ほかのエッセンシャルオイルと同じように、1〜2滴で大丈夫です。アロマをかぐだけで、症状が大きく改善する場合もあります」と、ニューヨークでアロマテラピーの学校を創設したアロマテラピストのエイミー・ガルパーさん。
ラベンダーオイルを身体に塗りたければ、必ず薄めること。
「皮膚に使う場合は、必ず希釈するためのキャリアオイルで薄めます。大さじ1杯のオリーブオイルやホホバオイルに、3〜5滴を加えましょう。そうすれば、必要なだけ使えます」
ディフューザーを使って、ラベンダーの香りを家中に広げるのも効果的。嗅覚は不安感やストレス、痛みなどを脳が処理するプロセスに結びついているので、ラベンダーオイルの効能を簡単に引き出すためにディフューザーは素晴らしい手段になります。
噴霧式(ネブライザー式)ディフューザーは、オイルの化学組成を変えずに分子を素早く拡散するため、皮膚炎や痛みの治療に最適。
一方、超音波式ディフューザーは、不安症や不眠症の緩和に向いています。たいていはエッセンシャルオイルを数滴、区切られたスペースに入れる(または水と混ぜる)だけでOK。
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ラベンダーオイルの効果効能
科学的な裏づけのあるラベンダーオイルの用途を専門家に聞きました。
1. 不安感をやわらげる
image via shutterstockオフィスでとくにストレスの多い1日を過ごした後など、神経が張り詰めていると感じるときは、ラベンダーオイルの心地よい香りをかぐと、心身が穏やかになります。
「ラベンダーは神経筋シナプス(神経の末端と筋組織との接合部分)の特定のレセプター(化学物質を受け取る受容体)を制することが研究で証明されていますから、そのために不安感を緩和する特性を持つのかもしれません。ラベンダーは伝統的に不安感や筋肉けいれんの解消、リラックス効果のために使われてきました」と、アメリカの医療機関UCHealthの内科医、ダイアン・ヤンさん。
実際、行動神経科学の専門誌『フロンティアーズ・イン・ビヘイビオラル・ニューロサイエンス』誌で報告された2018年10月の研究によると、ネズミを使った実験でラベンダーの成分“リナロール”(テルペンアルコールという化合物の一種)に精神安定効果が認められ、不安感をやわらげる効果があったそう。
「効果を得るには、手の平に1滴落としてから両手で鼻を囲うようにして、ゆっくり呼吸します」とガルパーさんはすすめます。
2. ストレスを軽くする
image via shutterstockラベンダーオイルは不安感を消してくれるほか、ストレスも軽くしてくれます。
「息を吸って何らかの匂いが検知されると、嗅球(脳内の嗅覚情報の処理にかかわる部分)によって感情と記憶が呼び起こされます。ラベンダーのような特定のオイルのアロマは、ストレスに関連して呼び起こされる記憶を、ポジティブな気分や感情に変えるのではないかと考えられているのです」と、ヤンさん。
薬学の専門誌『パキスタン・ジャーナル・オブ・ファーマシューティカル・サイエンシズ』誌で報告された、ネズミを使った研究でも、ストレスに関連した障害や行動を減らすために、ラベンダーオイルはNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)より効果がありました(この結果は、さらに人間を対象として検証する必要もあります)。
3. 火傷やかゆみを改善する
image via shutterstockヘアアイロンで、うっかり火傷してしまったら最悪です。でも、再びそんな目にあったら、常備薬の代わりにラベンダーオイルを。
「ラベンダーには麻酔効果がある可能性があります。過去の研究によると、ラベンダーを注入した場合、痛みや火傷に使うカプサイシンクリームと同じような、カプサイシン誘発性の反応が見られています」(ヤンさん)
傷や潰瘍の専門誌『ジャーナル・オブ・ティシュー・バイアビリティ』誌で報告された2016年11月の研究によると、ネズミを使った実験で、ラベンダーオイルは傷の治りを速め、ラベンダーの軟膏は「皮膚の傷に関連する組織の修復プロセスにおいて治療薬として将来有望な候補である」と結論されました。
でも、ラベンダーオイルが皮膚に効くのはそれだけではありません。ガルパーさんによると、虫刺されでも湿疹でも、炎症とかゆみをやわらげるそう。
4. 不眠症に効く
image via shutterstock眠れない夜が続いたら。サプリメントの代わりに、リラックス効果のあるオイルの香りをかぐ方法を試してみては。
代替医療・補完医療の専門誌『ジャーナル・オブ・オルタナティブ・アンド・コンプリメンタリー・メディシン』誌で報告された2015年7月の研究によると、ラベンダーオイルは睡眠衛生(よく眠るために推奨される行動や環境の調整)の改善と同じくらい、よく眠るために効果があるそう。
さらに、化学療法を受けているがん患者が、夜よく眠れるようにするために役立つという研究結果もあります。
「寝る前にラベンダーでリラックスするよう、多くの患者にすすめています。寝る前に気持ちをしずめるのが大変な人にはとくに。ラベンダーにはリラックス効果がありますから、眠るために身体を落ち着かせる助けになります」と、臨床心理学者のマイケル・ブルースさん。
夜寝る準備の一部として、エッセンシャルオイルのディフューザーにラベンダーを数滴加えてみます。ベッドに入るころには、リラックスした気分になっているはず。
5. 脳の健康によい
image via shutterstock年をとるにつれて、脳と記憶力が衰え始めるかもしれません。つまり、買い物リストや新しい同僚の名前は、書き留めておかない限り、思い出すのが“ほんの少し”大変になります。
しかし幸いなことに、ラベンダーオイルは認知機能を保つためにも役立つのです。実際に、ネズミを使った過去の研究によると、アルツハイマー病や認知症のような神経の病気による症状を軽くする可能性があると証明されています(人間でも同じ効果があるか確かめるには、もっと研究を重ねる必要があります)。
6. 生理痛をやわらげる
image via shutterstock生理の大変さに負けないで。生理痛があるなら、ラベンダーオイルが調子をよくする秘訣になってくれるかもしれません。
「研究によると、ラベンダーのアロマテラピーは生理痛の女性で痛みをやわらげる効果があると証明されています。この効果は、腹痛の原因になっている筋肉がゆるむことに何らかの関係があるのではないでしょうか」と、ブルースさん。
補完医療の専門誌『コンプリメンタリー・セラピーズ・イン・メディシン』で報告された2014年の研究によると、ラベンダーオイルの香りを吸い込むと“月経困難症”(生理痛)をやわらげて、経血の量を少なくする役に立つそう。
7. 片頭痛を軽くする
image via shutterstock片頭痛を追い払うのはホントに大変ですが、鎮痛薬に手を伸ばさずに済む方法として、ラベンダーオイルを試してみましょう。
神経学の専門誌『ヨーロピアン・ニューロロジー』で報告された小規模な研究によると、ラベンダーオイルの香りを吸い込んだ人は、たった15分で頭痛が軽くなりました。
ブルースさんの話では、ラベンダーオイルが鎮痛薬として作用するいちばんの理由は、生理痛の場合と同じく、身体をリラックスさせる効能にあるのではないかと考えられています。
8. 気分をよくする
image via shutterstockいつもハッピーそうな友だちがディフューザーを常用しているなら、それもそのはず。
過去の研究によると、ラベンダーオイルは戦争体験者のうつ症状にも有効なくらい、人の気分をよくする力が強いと証明されています。
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集中したいとき、眠りたいときに。直感から選べるアロマスプレーとは
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