人間が食べたものは、平均1日半ほどの時間をかけて、長さ約9メートルの消化管の中を一方通行で通過します。消化管の入り口である口の健康は、胃腸を強くするためにも大事なこと。歯周病や口内炎でしっかり噛むことができなくなると、胃腸に大きな負担がかかります。
一部の口内炎はビタミンB2の不足を原因として発生するため、口内炎になるとビタミンB2を含むサプリを摂取するという人もいるかもしれません。しかし実際のところ、ビタミン不足により発生する口内炎は全体の10~20%。ビタミンを配合された治療薬を飲んでも、じつはたいてい効果がないのです。
こういう場合は、ぜひうがいを試してみてください。うがい薬でも水道の水でも、効果はそれほど違いません。ポイントは喉まで洗う「ガラガラうがい」ではなく、口の中を清潔にするための「ブクブクうがい」をすること。うがいの効き目は2~3時間で薄れるため、起きている間は面倒でも数時間おきにうがいを繰り返しましょう。
それと同時に調べておきたいのが歯並びです。ずれた歯や、治療した部分が粘膜に当たって口内炎を引き起こすことがあります。よく口内炎になるという人は、歯科で確認してもらいましょう。
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