過敏性腸症候群(IBS)は、お通じの症状をもとに、便秘型、下痢型、そして下痢と便秘を繰り返す交互型の3つのタイプに分類されます。下痢のときは便がかなり水っぽくなり、逆に便秘のときはコロコロに。同じ病気とは思えないほど違うのが特徴です。
不思議なのは、どちらも「ストレスによりコルチゾールというホルモンが分泌され、腸のぜん動運動が高まる」ことで起きること。激しいぜん動運動で内容物がどんどん押し出され、下痢になるのはわかります。しかし、便秘になるというのは理屈に合わない気がしませんか?
じつは、腸の動きは活発なら良いというわけではないのです。チューブ入りのワサビを、強い力であちこち押したときのことを考えてみてください。ワサビは少しずつ、思い出したようにしか出てこないはずです。
それと同じで、強すぎるぜん動は腸のけいれんをもたらし、便秘につながってしまいます。正しい順序でぜん動運動を起こすためには、ストレスを防いで副交感神経を働かせ、腸の動きを正常にする必要があります。
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