ところが、先日アメリカのTVのニュースキャスターが、“10年間手を洗っていない”と発言し、話題になっています。しかも彼は、よくないこととは思っていないそうなのです。
ええっ、手は洗わなくてもいいの?
image via shutterstockアメリカのニュース番組『フォックス&フレンズ』の司会者ピート・ヘグセスが、日曜日の朝、仕事場に長いこと置きっぱなしになっていたピザを食べたことで、共同司会者にからかわれた後、その驚きの発言が出ました。
「2019年の抱負として、普段言っていることをカメラの前でも言おうと決めたんだ……。僕は10年間、手を洗っていないと思う。ホントだよ、一度も手を洗ったことがない。自分に免疫をつけているわけだ。細菌は現実のものじゃない。目に見えないんだから、実在しないんだ」
ヘグセスは共同司会者に笑われましたが、その後、ツイッターで賛同者が現れたため、調子に乗って#DontWashタグまで作ってしまいました。
なんと、3人に1人が「トイレの後に手を洗わない」
image via shutterstockしかし、ご注意! 手を洗うのは、自分自身と周りの人たちの健康を守るために極めて大切なこと。アメリカ疾病対策センター(CDC)のウェブサイトには、「清潔な手は、命を救う」とまで書かれています。
CDCによると、例えばトイレに行く、鼻をかむ、食べ物を扱うといったように、何かをする前と何かをした後に必ず手を洗うことは、細菌を除去して、病気にならないように予防し、細菌をほかの人に広げないようにする最良の方法なのだそう。
結局、ヘグセスはツイッターで、あれはジョークだったと認めました。それでも、ソーシャルメディアに寄せられたコメントを見る限り、手を洗わなくても大丈夫と考えている人もいるようです。
そのほかの人たちは、おおよそ手を洗うことに賛成していますが、きちんと守られてはいないよう。2018年に報告された調査によると、アメリカでトイレを使った後に手を洗っている人は、3分の2だけでした。
手を洗うべきタイミングは?
image via shutterstockアメリカ疾病対策センター(CDC)が特にすすめる、手を洗った方がよいタイミングには、どのようなものがあるのでしょう?
食べ物を作る前、作っている間、作った後 食べる前 病気の人を世話する前と、世話した後 切り傷や傷口を処置する前と、処置した後 トイレに行った後 オムツ替えの後、またはトイレを使った子どもの後始末をした後 鼻をかんだ後、咳やクシャミをした後 動物、動物のエサ、動物の排泄物にさわった後 ペットフードやペット用おやつを扱った後 ゴミにさわった後「手を洗わないのは、とても無責任な行動です」と話すのは、ノースイースト・オハイオ医科大学の准教授でオハイオ州アクロンの感染症専門医、リチャード・R・ワトキンスさん。
「トイレを使った後で手を洗わないと、自分がさわる物や、接触する人たちに、排泄物に含まれる大腸菌などの細菌を広めてしまう恐れがあります」とワトキンスさんは注意を促します。
自分自身が呼吸器系の感染症になる恐れもありますし(知らずに何かにさわって手に細菌がつき、その手で顔にさわった)、一日中手を洗わずに何かを人に手渡していたら、細菌を拡散してしまいます。
ワトキンスさんによると、たとえ病気にはならなかったとしても、実際に細菌はいるのですから、それは事実。目で見て確かめたかったら、「顕微鏡でなら見えますよ」と指摘します。
正しい手の洗い方
image via shutterstockもちろん、小さいころから手を洗ってきたとは思いますが、洗い方が正しくないかもしれません。アメリカ疾病対策センター(CDC)がすすめる手の洗い方をご紹介します。
清潔な流水(温かくても冷たくてもかまいません)で手をぬらします。 流水を止めて、石けんを手に取ります。 手の中で石けんを泡立てます。手の甲、指の間、爪の先にも忘れずに泡を。 少なくとも20秒間、両手をこすり合わせます。(数えたくなければ、「ハッピーバースデー」の歌を初めから終わりまで2回歌うと、だいたいそれくらいです) 清潔な流水で手をよくすすぎます。 清潔なタオルで手を拭くか、空気乾燥させます。まとめれば、自分が本当だと思うこと、そして医学界が真実だとすることに従うのがベスト。手を洗うことは、自分と家族が病気にならないようにするためには、とても大切なのです。
よい菌、悪い菌いろいろ
イライラするのは細菌のせい? 空腹が脳にもたらすこわい影響とは?
腸内の「やせ菌」を増やす! ダイエットのための食事メソッド3
Korin Miller/Fox News Host Pete Hegseth: “I Don’t Think I’ve Washed My Hands for 10 Years”
訳/STELLA MEDIX Ltd.
コメント
コメントを書く