【お悩み】
毎晩遅くまで働いていて、明らかに疲れている様子の夫。セックスレスを避ける対策はありますか?
「過酷な長時間労働に耐えている人が、はたしてセックスに時間とパワーを割けるかというと…… 正直に言うと厳しいですね。
これは生き方の選択の問題という気がします。夫婦それぞれが、自分の人生のなかで何が欲しくて、代わりに何はあきらめるのかの希望のギャップが話し合われていないことや、ふたりが結婚している意味が実感されてないことが、うまくいかない原因でもあります。
欧米人は自分の人生が中心であり、会社よりも人生をどうするのかを根本に考えている人が多い。
しかし日本人は、そういう“会社は二の次”という生き方ができない人が多いのかもしれません。自分たちの生き方を、ご夫婦でよく話し合ってみてほしいと思います。
話し合っても、会社は辞められないし、〇〇も無理だし、〇〇もできないし、と考え自体が追い込まれてしまっている場合、現実面でその状況から抜け出すことは相当に困難です。まず、頭をリラックスさせて、一度、他人事のように考えてみるのもひとつの方法です。
ただ、そういうケースとは別に、何らかの理由で妻と親密な関係を持ちたくないから不必要に、もしくは無意識に過労状態になっているケースもあるので、その点は注意が必要です」(西澤先生)
パートナーに限らず、自分自身が長時間労働の勤務に疲れて、夫とのセックスレスを抱えているという人もいるのではないでしょうか?
夫婦一緒にいられる時間は限られています。だからこそ、セックスレスの話をする前に、ふたりの人生について話し合うことが必要なのかもしれません。
西澤 寿樹先生
株式会社はあと・くりにっく代表取締役。戦略コンサルティング会社コンサルタント、金融機関企画部門・システム部門を経てセラピストになる。国際交流分析協会公認交流分析家(心理療法部門)、臨床心理士、公認心理師、厚生労働大臣認定産業カウンセラー、日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。共著に『コメディカルARTマニュアル』(永井書店)、共訳に『交流分析による人格適応論』などがある。