疲れたときのチョコレートや小腹が空いたときのポテトチップスなど、つい手を伸ばしがちなお菓子。
毎日のように食べる人は、“お菓子中毒”かもしれません。
普段何気なく口にするお菓子に警告を鳴らすのは、医学博士の白澤卓二先生。テレビの健康番組や雑誌、書籍などのわかりやすい健康解説で知られる、抗加齢医学のエキスパートです。
白澤先生の新刊『「お菓子中毒」を抜け出す方法』(祥伝社)をヒントに、お菓子中毒の危険性や対策をみていきましょう。
あなたを蝕むのは「超加工食品」
一口にお菓子といってもすべてが悪いわけではなく、気をつけるべきは「超加工食品」。ケーキやクッキー、ドーナツ、マフィンなど、常温で長期保存できるように、砂糖や塩、油脂、保存料などを加えて高度に加工したものを指します。
実は、欧米では超加工食品がもたらす肥満、糖尿病や心血管疾患、ガンのリスクなど、健康に対する弊害が注目され、食べ方に警鐘が鳴らされているのです。
『「お菓子中毒」を抜け出す方法』p.27より引用
カップラーメンやミートボール、ちくわなども超加工食品ではありますが、なかでも白砂糖や人工甘味料、小麦など、精製度の高い材料が複数使われているお菓子は、中毒性が高く、危険だそう。
超加工食品のリスクとダメージ
お菓子中毒の原因のひとつが、ほとんどのお菓子に使われている白砂糖による、食べたときの幸福感にあると、白澤先生は指摘。
おいしいと感じると脳内で快楽ホルモンが分泌され、その量が多くなると摂取欲が増すのです。このメカニズムは薬物依存症に陥る過程とまったく同じ。
また、砂糖にはいくつか種類があり、白砂糖はもっとも純度の高いものなのです。
本来の砂糖には、ショ糖以外にもアミノ酸やミネラルが含まれていました。アミノ酸やミネラルが含まれていると、味にクセが出ます。そこで、甘みを強く、クセをなくすために不純物を取り除いたものが白砂糖です。
『「お菓子中毒」を抜け出す方法』p. 32より引用
このように精製された白砂糖は、ビタミンもミネラルもありません。さらに、純度が高くなったために、血糖値を急上昇させるというデメリットも。お菓子を食べ続けると、肥満や生活習慣病、認知症のリスクが跳ね上がってしまいます。
糖質オフのお菓子は要注意
では、最近さまざまな食品に使われている人工甘味料ならいいかというと、そうでもありません。人工甘味料はその名の通り人工的に作られており、白砂糖に比べ、数百倍、数千倍の甘さがあります。
体重や血糖値が気になるとき、「カロリーゼロ」や「糖質オフ」などが謳われているものなら大丈夫だと思うのは危険!
カロリーがないから太らない、血糖値も上げないといわれていますが、人工甘味料で「肥満する」「血糖値が上がる」という研究報告がいくつもあります。
『「お菓子中毒」を抜け出す方法』p.63より引用
腸内環境に悪影響を与え、肥満や糖尿病のリスクを高めることもあるのです。
ストレスが原因でお菓子中毒に!?
「イライラしたときや仕事が忙しいときに、無性にお菓子を食べたくなる人は、ストレスが原因で中毒になっています」と、白澤先生。
適度なストレスは心や体を強くするよい刺激となりますが、悪いのは心身に負担をかける過度なストレスが長期間続くこと。
この状態に陥った場合、人は「心地いい」と感じることで辛さをごまかそうとします。ストレスホルモンでいっぱいの脳を、快楽ホルモンで上書きして一時しのぎをするのです。
もっとも手っ取り早く簡単に「快楽」を経験できるのが、食べることです。そしてこれもまた、お菓子中毒が増える要因のひとつに。
カギは「食欲リセット」
そこでお菓子中毒を解決するために白澤先生が推奨するのが、「食べない期間」を設けて脳をリセットすること。まずは一週間、お菓子断ちをしてみましょう。
ここで大事なのはすっぱり断つこと。ちょっとだけなら大丈夫だろうと口にしていると、脳はなかなかリセットできません。
『「お菓子中毒」を抜け出す方法』p. 136より引用
異常な食欲がリセットされると、「お菓子を食べたい」という欲求に襲われなくなるのだそう。最初はつらくても、お菓子を一切食べないことが中毒状態から脱却する近道になります。
お菓子断ちの期間が守れたら、1日だけ好きなお菓子を食べてもOK。このときの選び方が大切に。天然由来の砂糖を使っているものやカカオ濃度70%以上のチョコレートなどを選択し、人工甘味料や小麦製品、スナック菓子は避けるのがおすすめです。
プチ不調にさよならも
お菓子中毒から抜け出すことができれば、それによるダメージを避けられます。
脳が活性化することによる認知症や生活習慣病の予防、確実なダイエット効果などが得られます。また、禁断症状であるイライラや不安感もおさまり、「病気ではないけれどなんとなくだるい」というグルテン由来の不調も改善されるはず。おいしさにも敏感になり、まさにいいことずくめです。
健康で自然な体をめざすなら、お菓子断ちもひとつのアイデアです。
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幸せになれるのは一瞬だけ。本当は怖い「疲れたときには甘いもの」
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白澤卓二(しらさわ・たくじ)先生
医学博士。1982年に千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年より15年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授を務める。現在は、白澤抗加齢研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長。寿命制御遺伝子やアルツハイマー病などの研究が専門。テレビの健康番組や雑誌、書籍などのわかりやすい健康解説が人気。医学博士。1982年に千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年より15年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授を務める。現在は、白澤抗加齢研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長。寿命制御遺伝子やアルツハイマー病などの研究が専門。テレビの健康番組や雑誌、書籍などのわかりやすい健康解説が人気。
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コメント
コメントを書く(ID:1865363)
逆に考えるんだ
健康を害してもいいなら、食べてもいいと
(ID:19957765)
砂糖に限らずおつまみ含む菓子全般は中毒性あると思うわ、三食のご飯と違って何時でも食べられるように出来るのがヤバい
(ID:23940687)
砂糖を食べられない世界で健康に生きてもつまらないのでぼくはダラダラおやつ食べて苦しみながら死ぬゾ(ケツ意