今年の冬は特に寒かったせいか、ひときわ春の訪れをうれしく感じます。そんな春の訪れを同じように心待ちにしていたのが、4月2日にこけら落としを控えた東京・銀座の歌舞伎座。

何となく敷居が高かった歌舞伎の世界ですが、最近はちょっと変わってきました。まず、新歌舞伎座オープンに先駆けて、3月から東京メトロ東銀座駅が歌舞伎ワールドに一新!

(木挽町広場)

東銀座駅と繋がった歌舞伎座の地下には、今までは劇場に入らなければ買えなかった歌舞伎グッズの売店がオープンしました。「木挽町広場(こびきちょうひろば)」と称されるこのスペースには、お弁当屋さんからコンビニといった観劇の定番の店から、歌舞伎の提灯やTシャツなどのグッズを売る店やレストランもあり、どの店も歌舞伎カラーに統一されているので、歌舞伎の世界がぐっと身近に感じられます。

そして歌舞伎座もスケールアップ! おなじみの建物の「歌舞伎座」と、その裏手にそびえる高層ビルの「歌舞伎座タワー」で構成される「GINZA KABUKIZA」という総合施設は、歌舞伎を上演する劇場だけでなく、歌舞伎のワンダーランドのようなな空間に生まれ変わりました。掲げられたコンセプトは、

「歌舞伎を中心に、日本の伝統文化の魅力を国境や世代を超えて発信する」

で、その中心になるのが、歌舞伎座タワーの5階にできる「歌舞伎座ギャラリー」(オープンは2013年4月24日予定)。

(歌舞伎座ギャラリー:展示スペース)

ここでは観劇チケットを買わずとも、歌舞伎の世界を楽しむことができます。約180㎡もの広い展示スペースでは、歌舞伎の様々なシーンで活躍する大道具や小道具、舞台では間近に見ることができない衣裳などの展示もあるそうで、歌舞伎座に来たけど、見たい演目がなかったという人や、せっかく遠くから来たのに休演日だったという人、観劇の時間が取れない人にもうれしいスポットです。

さらに、展示スペースの奥に構える「木挽町(こびきちょう)ホール」(画像右:歌舞伎座ギャラリー・木挽町ホール)では、若手の歌舞伎俳優や三味線や小鼓などの演奏家、舞台関係者などが登壇して、歌舞伎や日本文化の魅力を発信するイベントを実施予定。これは、歌舞伎初心者でも気軽に楽しめそうな予感大です。

そして明後日3月27日(水)、銀座通りでは「GINZA花道」というパレードが行われます。今回は歌舞伎座新開場を祝して、歌舞伎俳優が総勢約60人が紋付袴姿で銀座通りを練り歩くそう。まとい振りや木遣り唄といった、舞台さながらの演出の「お練り」は、新しいKABUKIを感じさせてくれるはず!

歌舞伎はこれまでの、閉ざされた梨園の世界から、開かれたエンターテインメントとしての「KABUKI」に生まれ変わろうとしています。新しい歌舞伎座は、世界に名だたる「KABUKI」の聖地になるでは、とこけら落とし前から期待もひとしおです。

歌舞伎座

(松田朝子)

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