疲れをとるには8時間の睡眠をとるのが理想的ですが、毎日その時間を確保するのは難しいもの。ブログ『Happy Slim Healthy』の開設者で管理栄養士のジェンナ・A・ウェルナーさんによれば、生活習慣を整えて健康的な食事をとれば、エネルギー不足を補える、とのこと。「食べ物は燃料です。カロリーはつまり、エネルギーの単位。正しい食品を正しい組み合わせで食べることで、体の活力になるのです」。
そこで今回は、睡眠時間がなかなかとれないという方のために、栄養士がすすめる元気の出る食べ物7つをご紹介します。
01. アボカド
エネルギー不足のときは、食事のメニューにアボカドを追加しましょう。パントテン酸のほかにも、ビタミンBが含まれ、食べ物を燃料に変える細胞のはたらきを促進してくれます。
アボカドは「善玉脂肪や食物繊維が豊富です」と、ブログ『The Real Food Dietitians』の共同開設者で、管理栄養士のジェシカ・ビーコンさんは言います。「アボカドの脂肪は、摂取した食べ物の栄養の吸収率を上げます。食物繊維は、食事や間食後の血糖値の起伏を和らげてくれるので、エネルギーレベルがより安定します」。
脂肪を摂ってもいいという考えにまだ納得できないという方、サイト『BetterThanDieting.com』の創設者で『Read It Before You Eat It: Taking You From Label to Table』の著者でもある、管理栄養士のボニー・タアブ・ディックスさんにアドバイスを伺いました。
「毎回の食事の目標は、脂肪30~35%、炭水化物50%、たんぱく質20%です。エネルギーを高めるには、食事や間食ごとにこれら3つの主要栄養素を摂取するのが一番です。この三拍子が揃えば、炭水化物や脂肪を摂らない流行りのダイエットとは異なり、エネルギッシュに過ごせます」。
02. 葉物野菜
疲れたときには、効果の限られたコーヒーよりも、コラードグリーンがいいかもしれません。「疲れたらカフェインや糖分をとる人も多いですが、その場しのぎにしかなりません。安定した持続的なエネルギーは供給してくれないのです」とブログ『The Real Food Dietitians』のもうひとりの共同開設者、管理栄養士のスタイシー・ハッシングさんは言います。
葉物野菜はカロリーは低いですが、鉄分・カルシウム・食物繊維・葉酸・マグネシウム・ビタミンA・C・E・Kが豊富に含まれます。「葉物野菜の鉄分とビタミンCは一緒に摂ることで相乗効果が得られます。女性にとって疲れの元となる貧血を予防してくれます」とビーコンさん。
でも、すべてのエネルギーを取りこもうと、ポパイのように缶詰から直接ほうれん草を食べる必要はありません。生理中の疲れを和らげるには、グリーンスムージーを飲んで、ランチにはポテトフライの代わりにサラダを頼むようにするといいでしょう。
03. サツマイモ
ケトダイエットにはまっている女性たちへ。「炭水化物を抜いてはいけません!炭水化物は組織で分解され、即座に体の燃料源になります」とタアブ・ディックスさんは説明します。精白小麦粉や砂糖ではなく、全粒穀物や食物繊維が豊富な炭水化物を選ぶようにするといいでしょう。
疲労回復に最適な炭水化物が、サツマイモです。「エネルギーたっぷりの複合炭水化物が多く含まれます。また、食物繊維が豊富なので消化に時間がかかるため、エネルギーをゆっくりと安定的に放出してくれます」とビーコンさん。
「エネルギーを生み出す栄養素の分解に重要な、マンガンも豊富に含まれます」。パイナップル、ナッツ、オートミールも、代謝を高めるマンガンを含む食品です。
04. バナナ
「良質な炭水化物、カリウム、栄養素が詰まったバナナは、すぐにエネルギーになるので、ワークアウト前におすすめです」とウェルナーさん。
バナナの効果は、ほかにもたくさんあります。
カリウムは水分保持に役立ち、自然と気持ちがすっきりします。 天然糖質や炭水化物が、ワークアウトに向けて細胞を活性化させます。 植物性化学物質が、筋肉疲労の回復を助けます。05. ダークチョコレート
15時の眠気対策には、酸っぱい飴よりもチョコレートの方が効果的です。「糖分はエネルギーを減退させてしまいます。疲れていると、手っ取り早く糖分に頼ってしまいがちですが、血流に吸収されてしまうので、血糖値が上がり大量のエネルギーを消費してしまいます」とタアブ・ディックスさんは話します。
持続的な活力を得るには、カカオ75%以上のダークチョコレートバーを食べてみてください。糖質が低いこのお菓子には、自然な覚醒を促進し、エネルギーと気分を高めてくれるカフェインおよびテオブロミンが含まれます。「抗酸化物質も豊富に含むので、血行をよくし、脳や筋肉へ酸素を供給してくれます」とビーコンさん。
06. 水
正しい食事、十分な睡眠、そして適度な運動は、スタミナをつける3つの大事な要素です。それと併せて、何を飲むかにも注意しましょう。
コーヒーを頼りにしている人も多いかと思いますが、タアブ・ディックスさんによると、過敏症や不快感につながることもあるとのこと。ですので、喉が渇いたときは、定番の水を飲むのがいいでしょう。
「脱水するとエネルギー生成が滞り、疲労感や倦怠感が増します。十分な水分を補給することで、エネルギーが促進・維持されます」とウェルナーさんは言います。水にはエネルギーを供給してくれるカロリー・脂肪・たんぱく質・炭水化物などは含まれませんが、疲れやぼんやりした気分を払拭してくれます。
07. ビーツ
真っ赤な根菜のビーツほど、栄養価が高く持続的なエネルギー源となる食材はありません。「ビーツには、天然の硝酸塩や抗酸化物質が含まれます。これらは血行を促進し、脳や筋肉へ酸素を供給する効果があります」とビーコンさん。
代わり映えのない色をしたほかの野菜やフルーツとは違い、地球の恵みであるビーツは、その鮮やかな色合いと同じように、栄養も豊富に含まれます。「プレミアカーに普通のガスを入れますか? 皆さんはプレミアムな女性なのですから、プレミアムな食材をとって燃料補給をしてください」とウェルナーさん。
1日分の微量栄養素を摂るには、たとえばビーツやロメインレタス、ニンジンのサラダなど、さまざまなフルーツや野菜を消費するのがおすすめです。「微量栄養素は、体重の増減に直接影響はありませんが、摂取量が足りないと、不足分を補おうと体がより活発に働きます。そのため、疲労感が増し、エネルギーが枯渇してしまう可能性があります」とウェルナーさん。
おいしく食べて元気をチャージ
Karla Walsh/7 Energy-Boosting Foods That'll Perk You Up Better Than a Cup of Coffee
訳/Seina Ozawa