この秋からランニングを始めようとしている方、またはランニングシューズの買い替えを検討している方に向けて、ランニング歴6年(フルマラソン経験6回)の副編Hが、ランナーのみならず、ファッショニスタも注目のランニングシューズ「HOKA ONE ONE」をレビュー。実際に履いて走ってみました。
試走4回、距離にして約50kmを走った実感はいかに!?
【本記事で伝えたいこと】
1.「HOKA ONE ONE」の読み方は?
2.軽さがすごい
3.走り心地がすごい
4.安定感がすごい
5.ダメージがない
6.自慢気に走れる
7.残念なところ
8.こんな人に履いて欲しい
「HOKA ONE ONE」の読み方は?
最近、スポーツショップのみならず、ファッション系のセレクトショップでも見かけるようになった「HOKA ONE ONE」。ファッション誌をはじめ、おしゃれなスニーカーとしても取り上げられたことで、目にする方も多いのではないでしょうか。
ところでブランド名、読めますか?「HOKA ONE ONE」と書いて「ホカ オネオネ」と読みます。決して「ホカ ワン ワン」ではございませんので、ご注意を。ちなみに、HOKA ONE ONEとはマオリ族の言葉で「Time to Fly(さぁ、飛ぼう)」という意味があるそうです。
さて、実際に試走時に履いたのはHOKA ONE ONEのCLIFTON 5(クリフトン 5)というモデル。エントリーランナーにもおすすめなベストセラーモデルのこちらは、パッと見でも分かるように、かなりの厚底です。一昔前は、“薄底=上級者”、“厚底=初心者”という図式でしたが、最近は圧倒的な厚底ブームです。
トレンドにめっぽう弱いワタクシは、当然ながら厚底シューズを履いて日々練習に励んでいますが、ここまでの厚さは初体験。厚底というと重さが気になる方もいるかもしれませんが、どこのブランドも概ね軽量化が進んでいます。CLIFTON 5も軽さを容易に想像していましたが……。
「HOKA ONE ONE」CLIFTON 5のすごいところ5つ
試走してみて、個人的に感じたところで5つ感心した点がありました。
その1〜ルックスとは違った想像以上の軽さ
「あれ? 想像していたよりもかなり軽い!」
見た目とは裏腹に、実に軽い。ルックスから想像できないほどの軽さ(*)で、実際走る前はその軽さが不安なほどでした。ある程度、重みがあったほうが安心感にもつながるんです(個人差があります)。
特に初心者ランナーですと、長距離を走る場合など、足への負担が不安です。軽さだけではなく、走った時の衝撃をどれだけ吸収してくれるかもポイント。HOKA ONE ONEはソールのテクノロジーで「マキシマムクッション」を採用しているために衝撃吸収を可能にしたそうです。
マキシマムクションの特性
・抜群の衝撃吸収システム
・極上の快適性
・距離に関わらずに高いパフォーマンスを発揮
*レディスサイズ24cmで216g(公式サイトより)
その2〜地面を滑っているかのような走り心地
まるでフィギュアスケーターになったかのような(経験はありません)走り心地でした。走っているのに、滑っているような感覚。その秘密はメタロッカーミッドソールというアウトアウトソールの形状にありました。
履くとすぐに実感するのですが、フラットなソールでは味わえない「ふわっ」とした感覚があります。これは、つま先とかかと部分を滑らかにした形状で、スムーズな体重移動を実現するテクノロジーだそうです。
そのため、滑っているかのような、新感覚があったのだと納得しました。
その3〜曲がり角やカーブでも抜群の安定感
100m走などの直線短距離走とは違い、ランニングでは曲がったり、ちょっとしたカーブがコースにあります。そんな時は、スピードダウンせざるを得なくなり、さらに、転ばないように気を遣うんですね。
でも、HOKA ONE ONEのシューズは違いました。4回の試走のうち1度は雨上がりで路面が濡れていましたが、カービング時の安定感ったら! カーブや曲がり角で滑ることを気にせずに、思い切り走れる! は言い過ぎかもしれませんが、足とシューズが一体化しているかのような感覚に驚きました。
その感覚は、足全体をしっかりと包み込む「アクティブフットフレーム」によるものでした。ランニングシューズでなくても、足を踏み込んだ時に生じる縦横のブレを感じたことがあると思いますが、それを防ぐテクノロジーです。
これで曲がり角やカーブでデリケートにならずに済みそうです。
その4〜膝へのダメージを感じないほどの爽快感
私の場合は走っていると、だいたい25km前後で、必ず膝付近が痛くなります。今回、20kmオーバーを試走した時に、膝への違和感をまったく感じず、ちょっと怖くなるくらい快走できました。
ランニングクリニックなど、プロのコーチに指導いただいたことがないため、個人的な感覚ですが、おそらくもともと走り方に変なクセがあるのだと思います。
でも、HOKA ONE ONEのシューズに搭載されているJフレームテクノロジーのおかげで、足のサポートとプロテクションを高めてくれるため、正しい体重移動を導くランニングを実現できたのだと思います。ちょっとしたランニングフォームの矯正ツール、と言ったところでしょうか。
このテクノロジーは、これまでのランニングシューズの概念を覆し、新しいメリットを提供してくれそうです。
その5〜他のランナーとかぶらず、自慢気に走れる
個人的には、これがいちばんテンション上がりました。試走で1回だけ皇居を1周しましたが、他のランナーの方々とおもしろいほどかぶりませんでした。みんなが履いていると、欲しくなる一方で、天邪鬼な性格もあってか、人とかぶることも好みません(笑)。
人と同じようなランニングシューズを避けたいという方には、まさにうってつけですね。ブランドの地名度が上がってきている中で、いま買っておいて「前から知ってるもん」と自慢気にできそうです。
残念なところを挙げるならば……
自己評価としては、95点のCLIFTON 5ですが、ひとつだけ残念な点があります。カラーリングやフォルムが非常におしゃれなため、冒頭でも触れたようにファッション誌での露出が増えました。
スポーティなコーディネイトは当然ながら、足元で外した着こなしにもうってつけです。発色もいい色が揃っているので、アクセントにしやすく、ファッショニスタも注目しています。
ファッションでのアプローチで知名度が確実に上がり、おしゃれアイテムとして認識されている一方で、ランナーとしては複雑な思いがあります。見た目だけじゃなく、機能もすごいのに! と声を大にして言いたい。
ブランディングに一言物申すなんて、おこがましい限りですが、ファッションはそこそこにランナーのためのシューズブランドとして、より走りやすさの高みを目指していただきたいです。
ランニングが辛いと思う人にこそ履いてほしい
ランニングを始めたいけど、辛そう。ランニングをしていたけど、モチベーションが上がらず、やめてしまった。そんなネガティブな思いをお持ちの方にこそ、ぜひとも履いていただきたいシューズブランドです。
軽やかな足取りで、今までにない快走ができるはず。それは実感したからこそ、言えます。私は楽しくランニングを続けていますが、未知の世界に足を踏み入れたような、もっと楽しいことがあるんだ! と気づかせてくれたシューズでした。
試走するたびにクセになりそうなこの感触。ジワジワとくるものがあり、すっかりファンになりました。皆さんもぜひお試しください。なお、全国各地でHOKA ONE ONEが体感できる試走会イベントを行なっていますので、HPでチェックを!