自宅のキッチンでできる簡単な工夫で、食費を減らし、地球を守りましょう。

近年のサスティナブル・フード・ムーブメント(持続可能な食を確保するための運動)により、私たち消費者は、食材の育てられ方や地域経済への影響を考えながら、食べ物を選ぶことができるようになりました。さらに重要なのは、各食品をより有効に活用できるようになったことです。

持続可能な食のためにできる一番の取り組みは、食べ物を無駄にしないことです」とカリフォルニア大学バークレー校バークレー・フード・インスティチューツ政策担当部長のニーナ・F・イチカワ氏は言います。

米科学誌『プロスワン』の最近の研究によると、アメリカでは食べられずに廃棄される食品に、年間4.2兆ガロン(約15兆リットル)もの水を使っているそう。また、各家庭で平均1600ドル(約18万円)もの食品が廃棄されているとも言われています。

もちろん、最初から捨てようと思っているわけではありません。「アメリカ人の4分の3は、自分は平均的なアメリカ人よりも無駄が少ないと思っています」と自然資源防衛協議会(NRDC)の元科学者で、『Waste-Free Kitchen Handbook』の著者ダーナ・グンダース氏は言います。

でも、今の状態を少し見直せば、のちのち大きな成果につながるはずです。

料理の戦略を立てる

大量購入したいのを我慢して、プロさながらにスーパーで買い物ができたなら、大成功! と言いたいところですが、買った食材をどのように使うかも廃棄を減らすには重要なポイントです。

いくつかおすすめの方法をご紹介します。

余った食材は計画的に使う

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調理した食材の50%が廃棄されているのが実情。余り物を冷蔵庫に入れたからといって食べきれるとは限りません。週に1度は余り物を忘れずメニューに取り入れて。

また、余った食材の使い方も飽きないように工夫します。「食べ物が余った場合の「使い切り」レシピを用意しておけば、買い物に行く前に冷蔵庫にあるものを使って調理できるかも」とグンダース氏は言います。

例えば、残り物スープ、野菜のロースト、チャーハン(余ったご飯と野菜を炒めて、減塩醤油で味付け)などはいかが?

牛乳は臭いで確認する

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「賞味期限」が切れたらもう食べられない? そんなことはありません。「安全テストを行って決めているわけではありません」とハーバード・ロー・スクールの食品法と政策クリニックのディレクター、エミリー・ブロード・レイブ氏は言います。

「ほとんどの場合、品質が変わらずに食べられると製造者が推奨する期限で、製造者によっても大きく違います」。

賞味期限が切れたからと捨てている場合は、まだ食べられる食品まで無駄にしている可能性もあります。それでもやっぱり心配! という方は、「USDA FoodKeeper」アプリで再確認してみてください。さまざまな食品がどれくらい持つかを調べることができます。

食事に野菜をトッピングする

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ニンジン、カブ、セロリ、葉物など新鮮な野菜を手に入れて、ソテーしたり、野菜ソースを作ったりしてみて(フードプロセッサーにバジル、パルメザン、ニンニク、オリーブオイル、塩・こしょうを入れ、撹拌する)。

タパススタイルの食事を楽しむ

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夕食を毎回「メインディッシュ+副菜2種」にする必要はありません

塩アボカド、角切りりんごのナッツ和え、ロティサリーチキンの残りに多めのサラダドレッシングをかけるなど、余り物を使ったいろいろな料理を工夫して、とウェルシュ氏は言います。

保存する場合は鮮度をキープ

食品を腐らせないための、賢い保存方法4つをご紹介します。

とにかく冷凍!

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ラザニアでも煮込み料理でも、残りものはほとんど冷凍できます。小分けにして、アルミホイルに包んでからフリーザーバッグに入れます。

「細かく分けた方が、早く冷凍できます」とペンシルベニア州で食品安全の専門家として活躍するマーティン・バックナヴェッジ氏。そうすれば、大きな霜がつかず、料理の食感や味を損なうことなく保存できます。2ヶ月後、解凍して夕食のおかずにすれば大助かりです。

食材ごと冷凍しても構いません。牛乳やチーズ、パンも冷凍できます。

製氷皿に、鮮度が落ちてしまった刻みハーブをのせ、オリーブオイルをかけて冷凍してもいいでしょう(凍ったものをシチューやスープにそのまま入れて使います)。製氷皿は、余った出汁を凍らせておくのにも便利です。

ラップして保存

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生鮮食品は洗ってからしまうように教わった方もいるかもしれませんが、専門家によれば、使うときに洗うのがベストだそう。

事前に洗ってしまうと、水気によって細菌が繁殖してしまうのだとか。

冷蔵庫にものを入れすぎない

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冷蔵庫の棚をいっぱいにすると、場所によって寒暖差が大きくなり、食べ物を傷めてしまいます、と専門家は言います。

冷蔵庫全体の温度を約3~4.5℃に保つのが最適です。

腐敗を減らす

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腐りやすい食べ物については、NBCの番組『トゥデイ』に出演する、栄養専門家のジョイ・バウアー氏おすすめの、保存のコツを実践してみてください。

バナナ:鮮度を保つには、茎をラップで密封してください。 ワカモレ:茶色くなるのを防ぐには、木のスプーンで表面をならしてから、容器をトントンと数回落として空気を抜きます。表面に薄く水をはり(1cm程度で十分)、空気が入るのを防ぎます。蓋またはラップで閉じ、冷蔵します。食べるときは、水をすべて捨て、軽く混ぜてから食べてください。 ナッツバター:オーガニックのナッツバターは分離してしまいます。表面に油が浮き、下のバターが乾燥してしまうのを防ぐためには、瓶を上下逆さにして保管します。食べる前にひっくり返せば、油がバターにしっかりなじみます。

まだ捨てないで!

鮮度が落ちてきた食材を蘇らせる、または使いきるには、以下の方法を試してみてください。

茶色くなったバナナ:バナナブレッドやバナナプリンを作ってみて。または、皮をむきジッパーバッグに入れて冷凍すれば、後でスムージーにすることもできます。 硬くなったパン:2.5cm程度の大きさにちぎり、オリーブオイルと塩をかけます。こんがり黄金色になるまで、オーブンでトーストします。 しおれたレタス:氷水にひたせば、シャキッとします。 残ったワイン:ドレッシングやシチューに、お酢の代わりに入れます。 ほとんどの野菜:自家製ピクルスを作るのも、野菜の保存するちょっと通な方法です。ニンジン、サヤインゲン、ズッキーニなどを使った塩漬けレシピをぜひ試してみてください。2週間程度持ちますよ。 小さい鍋に、蒸留ホワイトビネガー1と1/4カップ、水1カップ、ニンニク4片(皮をむいてつぶす)、砂糖大さじ3、コーシャソルト大さじ2を入れて混ぜます。 砂糖が溶けてなじむまで、混ぜながら中火で温めます。 好きな野菜450グラム分を、4等分に切り、ディル3本と一緒に、940mlの瓶に入れます。 温めた漬け物用塩水を野菜の上からかけます。少し冷ましたら、蓋をして4時間以上冷蔵します。

【こちらの記事の前編でも、食品廃棄を減らすちょっとした工夫が】

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RSS情報:https://www.mylohas.net/2018/09/175676foodloss.html