室内なら1年中栽培できるハーブです。
バジルのなかでもっとも一般的な種類は、ほのかにアニスの香りがするスイートバジルで、葉をわさわさと繁らせながら30〜60cm丈までの大きさに成長し、白い穂状の花を咲かせます。
そのほかにも、シナモン、クローブ、レモン、ライムなどの風味がするタイプや、ダークオパールやレッドルビンといった、葉が紫色をしたタイプなど、風味やサイズ、見た目などが微妙に異なる品種が数多く存在します。
バジルはガーデニングで一番人気があるハーブのひとつで、トマト料理やサラダ、ペーストなどに豊かな風味を加えるのに欠かせません。では、バジルを育てるうえで知っておくべきことをチェックしておきましょう。
バジルを育てる
種から育てる場合は、屋内で育苗ポットを使用するか、庭に直にまくなら霜が終わって土の温度が温かくなってから。あるいは苗を購入してもよいですね。
もともとバジルは熱帯の植物で、寒さには弱いため室内でも園芸ヒーターがあると便利です。じゅうぶん日当たりのよい場所で、堆肥や腐葉土など有機肥料がたっぷり含まれた水はけのよい土に植えるようにしてください。
レタスリーフバジルのような大きな葉の品種を植える際は、苗と苗の間を45cmほど離し、スパイシーグローブバジルなど小さな葉の種類を植えるときは、30cmほど間隔をあけるようにします。
また、バジルは十分な水やりを必要とします。乾燥しないように、土の表面にマルチングをするのも手です。葉をたくさん繁らせるには、ひんぱんに摘芯するようにします。葉に養分がいくように、花芽が出たら定期的に摘み取りましょう。
庭で育てている場合でも、秋になって霜が降りる前に屋内に取り込めるように、いくつかの苗を植木鉢で育てておくとよいでしょう。または、6月頃にもう一度種まきをしておけば、苗が小さいうちに植木鉢に植えなおして、冬の間は部屋の中で育てることができます。
何本かバジルの茎を切って水に挿しておくと根が出てくるので、それを植木鉢に植えてもよいでしょう。
バジルがかかりやすい病気は、苗立枯病のほか、つる割病、灰色カビ病、黒斑病などの菌類病です。予防するには、屋外で種をまく場合は土の温度が十分に暖かくなってからにすること、そして苗が混み合わないように注意することです。バジルの葉を食べてしまうマメコガネなどの害虫を見つけたら、手で取り除くようにしましょう。
バジルの葉を収穫する
バジルが成長して葉が何枚も出てきたら、すぐに使い始めても大丈夫。枝の先端を数センチほど切り落として収穫しますが、葉が痛むと黒ずんでしまうので、やさしく扱うようにしてください。
小さい茎を干して乾燥させることも可能ですが、風味を保つのに一番よいのは冷凍すること。
バジルを冷凍するには、洗った葉をブレンダーかフードプロセッサーに入れ、少々の水を加え、ピュレ状にします(どろっとして容器に注げるくらいの濃さが目安)。それを製氷皿に注いで凍らせたキューブを、フリーザーバッグに移し替えて冷凍保存しておきます。こうしておけば、ソースやスープ、ペーストなど必要なときにいつでも使えます。
すりつぶしたバジル、ニンニク、すりおろしチーズ、オリーブオイルを混ぜ合わせると、クリーミーなペーストのできあがり。瓶に入れて表面をオリーブオイルの層で覆っておけば、冷蔵庫で長期保存できます。
バジルを使った料理のアイデア
バジルは料理に幅広く使用されていて、トマト、ピーマン、ナスと相性がよいハーブです。パスタソース、ピザソース、ラタトゥイユにもぴったり。魚料理や肉料理には、レモンタイム、パセリ、チャイブ、あるいはガーリックなどと組み合わせると最高。炒め物や野菜のキャセロールなどにもトライして。
新鮮なバジルの葉はサラダに加えてもおいしく食べられます。レモンやライムの香りがする品種は、フルーツサラダやコンポートに。
またバジルはタイ料理やベトナム料理にも欠かせない食材で、なかでもシャムクイーンバジルという品種は、こうした料理に本格的な風味を添えます。バジルビネガーはサラダドレッシングに最適。紫色のバジルの葉で作れば、味だけでなく色も楽しめますよ。
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訳/Maya A. Kishida
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