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主役は水風呂、汗かいて我慢は誤解。初心者のためのサウナガイド #サウナがキテる

2018/07/12 22:00 投稿

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イラスト/ほりゆりこ

ヨガ、ピラティス、岩盤浴につづき、美意識の高い女性が次にハマるのはサウナかもしれません。ここ数年で「サウナー」と呼ばれる愛好家が増え、いまやサウナブーム。温冷交代浴がもたらす究極の気持ちよさ「ととのう」を、おじさんだけに独占させるのはもったいない! サウナ大使ことマンガ家のタナカカツキさんにご協力をいただき、マイロハス読者のための「サウナガイド」を3部作でお届けします。

サウナの主役は水風呂にあり

日本サウナ・温冷浴総合研究所が2018年2月に実施した調査によると、日本のサウナ人口は推計1159万人。週に1回以上入る「ヘビーサウナ―」は推計386万人で、その数は着実に増えています。サウナといえば「おじさんの園」、暑くて苦しくて何がいいのかわからない……というイメージを持っている人は、ちょっと損をしているかも。正しい方法で入れば、サウナはとても気持ちよく、カラダへの負担も少ないと言われています。

image via shutterstock

サウナを題材にしたマンガ&エッセイ『サ道』でサウナブームの火付け役となり、日本サウナ・スパ協会からサウナ大使に任命されたタナカカツキさんによると、サウナの基本は「温冷交代浴」。主役はむしろ水風呂であり、「水風呂のないサウナはイチゴののっていないショートケーキ」も同然とのこと。水風呂に慣れることで、サウナの本当の気持ちよさを体感することができます。

正しいサウナの入り方

サウナ室に入る。シャワーを浴び、しっかりカラダを拭いてからサウナ室に約10~12分間入る。 水風呂につかる。汗が出たところでシャワー、またはかけ湯で汗を流して、水風呂に1~2分間つかる。 小休憩。水風呂から上がったら、カラダを拭いてから少し休憩をする。1~3の行程を3回くらい繰り返す。全部で1~2時間ほどかける人が多い。 大休憩。椅子に深く座る、あるいは寝っ転がるなどして一番リラックスできる状態をつくる。外気浴できれば最高。 ととのう。「サウナ→水風呂」の温冷交代浴を繰り返すことで、全身の血の巡りがよくなり、脳にたくさん酸素が送られる。じーんとカラダがしびれるような感覚になり、ディープリラックスに入れば成功。この状態をサウナーは「ととのう」と呼ぶ。

「ととのう」とは不思議な表現ですが、これこそ世のサウナーが足繁くサウナに通う一番の理由。タナカカツキさんも、近所にできたスポーツクラブのサウナで偶然「ととのう」を体験し、そこからサウナの深みにハマったといいます。

なぜサウナで「ととのう」の?

「ととのう」の恍惚感は人により千差万別。タナカカツキさんの最新作、女性向けのサウナ指南書『はじめてのサウナ』(リトルモア)では、「歓喜にも似た究極の爽やかさ」と表現されています。

顔はにやつくし、なんかもう幸せだし、初めてのときは『これはいったいなんなんだ』と怖くなりましたね。いまはその状態を『ととのう』と呼んでいますが、当時は情報がなく、調べていくうちにサウナの温冷交代浴による効果だと気がつきました。血管がポンプ運動をすることで、血流が上がる。血流が上がるということは、酸素が脳にいくわけですから、そこでランニング・ハイのようになるのではないかと。理屈としてそこにたどり着いたわけです」(タナカカツキさん)

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女優の北川景子さんや広瀬すずさん、横綱・白鵬関、お笑い芸人のサバンナ・高橋茂雄さんなど、サウナーを公言する芸能人は男女問わず、お肌ツルツルの方ばかり。お風呂がわりにサウナに入っているというタナカカツキさんも、噂に違わぬ美肌の持ち主です。

でもサウナには、それ以上のメリットがあるとタナカカツキさん。

「それは、サウナに入ると思考が前向きになること。サウナに行くと仕事がはかどる。リラックスして休んでいるとアイデアが出てくる。自分がやりたいこともハッキリする。いまではもう、サウナなしでどうやって仕事をしていたのか思い出せません」(タナカカツキさん)

初心者が気をつけたいサウナのマナー

image via shutterstock

サウナのマナーやルールは施設ごとに違いますが、一般的なマナーとして押さえておきたいことがいくつかあります。

飲酒したら入らない。脱水症状になりやすく、足下もふらつき滑りやすいのでサウナは危険。 サウナに入る前にカラダと髪を洗う。入室前のかけ湯は最低限のマナー。しっかり洗えば汗腺につまった汚れが取れて、発汗効果もアップします。 サウナ室で自分のタオルをしぼらない。汗をふいたタオルをしぼるのは、同じ利用者に不快な思いをさせます。 サウナ室を自分の汗で汚さない。タオルをしいてその上に座るなど、汗でベンチを汚さない工夫を。濡らしてしまったらタオルで拭き取りましょう。 水風呂に入る前には、シャワーかかけ湯で汗を流す。汗をきれいに洗い流してから水風呂にそっと入るのは基本中の基本マナー。

そのほか、雑誌やスマホを持ち込まない、大きな声でしゃべらないなど、周囲の迷惑にならないように利用したいもの。塩サウナなど、利用法が細かく指定されている場合もあるので、施設に貼り出されている注意書きなどをしっかり確認しておきましょう。

今さら聞けないサウナのQ&A

Q. サウナにはどんな種類があるの?

A. 高温で乾燥しているサウナ室、低温で湿度のあるサウナ室、塩をカラダにまぶして入る塩サウナミストサウナなどいろいろあります。タナカカツキさんのおすすめは、フィンランド式のサウナ室。高温すぎないので慣れていない人にも入りやすいとのこと。ロウリュ(のちほどご紹介)ができ、湿度があるので、よく暖まり、のどや肌にもやさしいのが特徴です。

Q. どこでサウナを調べればいい?

A. サウナ検索サイト「サウナイキタイ」は、キーワードや都道府県、特徴からおすすめサウナを探すことができます。タナカカツキさんの著書『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』の巻末では、トッププロサウナー“濡れ頭巾ちゃん”氏が選ぶ「ととのいすぎちゃう全国のサウナ厳選50」を紹介。東京都内では、三軒茶屋の「駒の湯」、東池袋の「タイムズ スパ・レスタ」、新宿の「ジェクサー・フィットネス&スパ新宿」、春日の「スパ ラクーア」などが紹介されています。

Q. ロウリュ/アウフグースって?

左上:専門のスタッフによるロウリュサービス(アウフグース)。右上:利用者が自ら行うセルフロウリュ。下:機械による自動化オートロウリュ。イラスト/ほりゆりこ

A. ロウリュ(ロウリュウ)とは、フィンランドの言葉で「蒸気」という意味。サウナストーブの上のサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させ、湿度を高めて体感温度を上げ、発汗をより促します。近年、日本のサウナ施設でも、アロマ水を混ぜた水を使ったロウリュサービスが人気です。

アウフグースはロウリュで上がった蒸気をタオルなどでサウナ室内に広げ、利用者を扇ぐこと。もともとドイツではじまったサービスで、日本でも「熱波」と呼ばれ大人気。卓越した技術とスタミナで熱波を生み出す「熱波師」のアウフグースは、アトラクション的な楽しさもあります。利用者の拍手とともにパフォーマンスがはじまることもあり、初めての人はびっくりするかも。

Q. サウナ室はなんでひな壇になっているの?

A. 上段へいくほど温度が上がります。初心者や暑いのが苦手な人は、下段に座るのがおすすめです。

Q. サウナ室や水風呂には何分いればいいの?

A. 施設によって温度が違うため、一概には言えませんが、サウナ室は10~12分、水風呂は1~2分くらい入る人が多いです。体格や体調で、快適に入れるペースは変わります。汗が出てしんどくなったら出るようにしましょう。我慢するとかえって疲れがたまってしまいます。

Q. 水風呂がつらいです。

『はじめてのサウナ』(リトルモア)より。イラスト/ほりゆりこ

A. 水風呂には慣れるしかありません。はじめは足先や手先だけ濡らす程度で、徐々に膝まで、腰までと慣らしていきましょう。水風呂に慣れたころ、サウナはとても楽しく気持ちのよいものになっていきます。入れない間は水のシャワーを浴びたり、椅子に座るなどして涼みましょう。

Q.サウナーが言う「温度の羽衣」ってなに?

A.思い切って水風呂に入り、しばらくガマンしてみると、「思ったほど冷たくない」と感じる人が多いはず。この現象をサウナーは「温度の羽衣」と呼んでいます。タナカカツキさんによると、サウナから出たばかりだとカラダがほてっているため、カラダと水の間に薄い温度の膜ができて、冷たさを感じにくくなるのだそう。

この羽衣はとても繊細で、少し動いたり、人がバシャバシャと水を動かしたりするだけで、羽衣が破れて冷たい水が流れ込んできます。先客がいる水風呂に入るときは、その人の羽衣を壊さないようにそうっと入るのがマナーです。

Q. サウナに入っても汗がなかなか出ません。

A. サウナに入る前にお風呂でカラダを温めておくと、汗が出やすくなります。カラダが濡れた状態でサウナに入ると、水滴が毛穴を塞いでしまうため、しっかりカラダを拭いてからサウナに入ることも発汗を促すコツです。

Q. サウナ室にかけてある時計のようなものはなに?

A. 利用者が時間の経過を把握するためのサウナタイマーです。サウナに入る時間は8~12分が適切と言われているため、12分計を採用するのが一般的。長針は1回転で1分、短針は1回転で12分を示します。

サウナの本場フィンランドでは、「サウナ室では教会にいるようにしましょう」という金言があるのだそう。サウナは心とカラダを癒やす神聖な場所。適切なマナーを守り、頭を空っぽにして「ぼーっとする」時間を楽しめば、サウナ初心者の私たちにもきっと「ととのう」がやってくるはずです。

サウナがキてる3部作、第2回では本場フィンランドと日本の最新サウナ事情を探ります。

※サウナに入るときは、くれぐれも無理なく安全に。

タナカカツキさん(マンガ家)
1966年大阪うまれ。1985年大学在学中にマンガ家としてデビュー。著書には『オッス!トン子ちゃん』、天久聖一との共著『バカドリル』などがある。 その他、映像作品も多数手がけ、アーティストとして幅広いジャンルで活躍。サウナを題材にしたマンガ&エッセイ『サ道』でサウナブームの火付け役となる。日本サウナ・スパ協会が公式に任命した、サウナ・水風呂の素晴らしさを世に知らしめる広報大使「サウナ大使」としても活躍中。最新作は『はじめてのサウナ』(リトルモア)。

撮影(タナカカツキさん)/中山実華、取材・文/田邉愛理、企画・構成/寺田佳織(マイロハス編集部)

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