ごはんやパスタなどの食品が影響するかもしれません
遺伝子(母親が更年期に入った年齢)やBMI、喫煙歴、化学療法を受けたかどうかなど、更年期が始まる年齢を予想できる要素はたくさんあります。でも、リーズ大学が行った新しい研究によると、更年期の始まりを予測するもうひとつの要素が。それは、毎日食べる食べ物。この研究では、脂ののった魚、えんどう豆やサヤインゲンなどの新鮮な豆類といったヘルシーな食品が主体の食事を摂っていると、更年期が基準より3年近く遅くなると分かりました。基準にしたのは、イギリスとアメリカの両方で平均的な女性の更年期開始年齢とされている51歳。一方、精製した白いパスタやライスをたくさん食べていた参加者は、基準より1年半早く更年期が始まる傾向がありました。
研究には、イギリスの女性1万4000人以上に答えてもらった詳細な食事アンケートと、生殖関連の健康と病歴についてのデータが使われました。4年の間に、参加者のうち900人以上で自然な更年期の開始(つまり1年以上にわたり生理がなく、がんや手術、薬物療法など早期閉経につながりそうなほかの要素がないこと)が見られ、この900人のなかで、更年期の始まりが平均より早いか遅いかと、食事の内容が、強く関連していたそう。
この研究の共同著者でリーズ大学の栄養疫学・公衆衛生教授のジャネット・ケイドさんが報道発表で述べたところによると、「更年期が始まる年齢が、健康に重大な影響を与える場合もあります」。更年期が早くても遅くても、病気になる長期的なリスクに影響が見られ、更年期が遅いと、主として乳がん、卵巣がん、子宮内膜がんになりやすくなりました。
しかし、食事が関係しているとすると、更年期が早い場合のリスクの方がもっと重大かもしれません。コネティカット州ニュー・ヘイブンの産婦人科医で「エール更年期プログラム」の創設者、フィリップ・サレルさんによると、「若い女性で更年期が早いと、心臓と骨の病気、うつ病、認知症、性的機能不全のリスクが高くなるという問題があります。食事を変えるだけで更年期の始まりを遅くできるなら、更年期が遅いために乳がんのリスクが高くなることよりも利益の方が大きいと思います」。
今回の研究結果は、更年期が早く始まる傾向のある女性にとっては特に、更年期に影響する要素をさらに理解するための重要な一歩です。「自然な更年期の開始に食事がどのような影響を与えるのか明確に理解できれば、更年期に関連した病気のリスクが高い人にとても役立つでしょう」(ケイドさん)。
Jenae Sitzes/ Your Diet Could Affect the Age You Start Menopause, New Study Suggests