黒ずみ毛穴は解消できる?
山本さん自身も毛穴に悩んだ時期があるけれど、正しいお手入れ方法を実践してつるすべ肌を取り戻したんだそう。「日々のケアによって角栓が溜まらないようにすることはできますし、詰まってしまったものもプロの力をかりればキレイに取り除けます」と話します。
黒ずみ毛穴の正体
「毛穴の悩みとひと口に言っても、年齢によってその原因は違います」と話す山本さん。20代〜30代前半までは、毛穴悩みといったら小鼻を中心としたポツポツがほとんどだけれど、30代の半ばからは顔全体の毛穴、それもたるみ毛穴へと悩みがシフトするのだとか。
「20代に目立つのは、過剰な皮脂分泌によるオイリーな開き毛穴です。そこに皮脂やほこり、汗や角質などが落ちて詰まると角栓になってしまい、黒ずみ毛穴となります。さらに、Tゾーンの毛穴は溜まった角栓が酸化するので、黒ずみとなることが多いんです」(山本さん)
自分でできる、黒ずみ毛穴の解消法
「夏は皮脂分泌が活発になります。その皮脂と角質やほこり、メイク汚れなどが混ざったものが角栓となります。これが詰まっていると毛穴がどんどん広がってしまうので、まずは“フタ”をとるのが先決」
と山本さん。
たとえばバームで角栓を溶かし、ローションで引き締めるイプサの『ポアスキンケアステップス』2品セット バーム20g/ローション6mL 4,860円(税込)を使った2ステップは簡単で、実感も高いおすすめだそう。
「手持ちのものでケアするなら、まずはオイルクレンジングをうまく活用しましょう。クレンジングオイルをクルクルとなじませ、まずは角栓を溶かすこと。そのあとにきちんと保湿し、クレイマスクなどを併用するケアを週2回程度行うとかなり改善します。セルフケアだと時間は少しかかりますが、必ずよくなりますよ」(山本さん)
プロにお任せ!毛穴専門サロン、美容クリニック
自身も毛穴に悩んだ経験がある山本さん。
「私がアメリカの美容学校で学んだときは、指で毛穴の詰まりを押し出すエクストラクションというテクニックを教えられたんですね。でも、一般の方が自分で行うと皮膚を傷つけてしまうこともあるので、やはりプロの手を借りるのが近道だなと思います」(山本さん)
たとえば新宿をはじめ全国6店舗に展開する『ポアレスラボ』のような専門サロンの施術や、『ロイヤルビューティクリニック』など一部の美容クリニックで行っているハイドラフェイシャルなどはその典型。酸を噴射させて角栓を溶かしながら吸入するため、驚くほど肌がスッキリするのだとか。
日々の洗顔、スキンケアで黒ずみ毛穴を予防
プロの手を借りて、あるいは自身でコツコツケアを続けると、憎き角栓がスポン!ととれる瞬間がくるもの。そうやってフタが取れたのはいいのだけれど、このままじゃまた溜まっちゃう……。山本さんによれば、角質や皮脂が溜まらないようにするケアは、角栓が取れたあとも続けるべきだそう。特に皮脂分泌の多い夏場は毛穴が詰まりやすいので、部分的に集中ケアするのがおすすめだとか。
「朝のオイルクレンジングをぜひ。といっても全顔ではなく、小鼻周りやTゾーンのみでOKです。気になる部分にオイルを塗って洗顔ブラシでクルクルすると、毛穴汚れがかき出されます。
肌への負担は最小限なのになめらかになるMTGの『リファ クリア』26,784円(税込)や音波振動で気になる小鼻周りもすっきり洗い上げるクリニーク の『ソニック システム ピュリファイング クレンジング ブラシ』 12,420円(税込)がおすすめ。
手で洗うときと違い、ブラシ洗顔は細かいところまで届くので、毛穴が詰まりにくくなりますよ。週2回くらい、メイクののりもよくなるので朝がおすすめです」(山本さん)
実は「美白コスメ」が毛穴対策にもいい
「実は美白コスメって、毛穴対策にも有効なんですよ」と山本さん。その理由の1つ目は、メラニンが溜まったり色素沈着することで毛穴が目立つようになるから。そしてもう1つ、美白コスメに備わっている「排出を促す」という側面も見逃せないそう。
「特に、美白美容液を小鼻周りなど気になる部分にスポット使いすると、毛穴周りの肌のターンオーバーが促されてかなり目立たなくなります。毛穴専用のコスメを使うだけでなく、普段のケアを美白に替えるとトラブルのモトを排出しやすい肌が育ちます」(山本さん)
山本さんイチオシは、ぴたっと密着し、肌をクリアに柔らかに保ってくれるポーラの美白美容液『ホワイトショット SXS 20g (医薬部外品)』12,960円(税込)
毛穴ケアにつながる食習慣
外側からのケアも大切だけれど、内側からのケアも大事にしているという山本さん。「スキンケアだけでなく内側から毛穴トラブルを防ぐために、ぜひ抗酸化作用の高いものを食事に取り入れて」。たとえば “エース”と称されるほど抗酸化作用が高いビタミンA、C、Eはその代表。また、植物が紫外線ダメージから自らを守るために作っているフィトケミカルを摂るのも効果的だとか。
「見分け方は簡単で、“色の濃い食べ物”を意識するだけ。特に暑いエリアで育った色の濃い食べ物には、こういったフィトケミカルが豊富に含まれています。アサイーのアントシアニンやトマトのリコピン、緑茶のカテキンも抗酸化作用の高いポリフェノールの一種。ワインを選ぶなら白より赤……といった具合に、ちょっと気をつけると抗酸化力を高めることができますよ」(山本さん)
まちがった黒ずみケア
鏡を見るたび気になる毛穴、特に黒ずみはぎゅっと押し出して一気に解消したくなるもの。でも
「プロが行うならともかく、セルフで一般の方がやるのは危険です。肌を傷めると色素沈着を起こし、もっと毛穴が目立つことにもなりかねません。指や爪で毛穴の詰まりをなんとかしようとせず、溶かすタイプのコスメや洗顔ブラシを活用しましょう」
と山本さん。また、角質を剥がすタイプのパックも同様におすすめではないそう。
「確かに剥がすパックは爽快感がありますが、肌のバリア機能も剥がしてしまいます。そこから肌を回復させるにはものすごい手間と時間がかかるので、実は地道なケアのほうが確実でリーズナブルなんです」(山本さん)
山本未奈子さん
美容家。「MNC New York Inc.」代表取締役、「グローバルビューティカレッジ」理事長。ニューヨーク有数の美容学校を首席で卒業し、教鞭をとったのち、美容ブランド「シンプリス」を創設。自身の毛穴の悩みを克服した方法を明かした『毛穴レス美肌バイブル』(毎日コミュニケーションズ)ほか著書多数。
取材・文 / 高見沢聡子