うなずいている方は、おそらく膣カンジダ症を経験済みなのでは?
よくある感染症、膣カンジダ症のさまざまな「迷信」
「膣カンジダ症は膣の感染症の中で2番目に多いタイプです。本当に、ほとんどの女性が一生の間に少なくとも1回はかかります」(米国ジョンズホプキンス大学医療保障センターの上級スタッフ、アメッシュ・アダルジャさん)
それなのに、このよくある感染症をめぐっては、原因から健康への影響までさまざまな「迷信」が。ひとつひとつご紹介します。
パンやケーキが大好きな人は膣カンジダ症になりやすい
「こんな誤解が多いことに困ります。膣カンジダ症を引き起こすのはカンジダ・アルビカンスという真菌で、パンやケーキに使われるイーストとは何の関係もありません」とニューヨーク州ウェストチェスターの産婦人科医、キーシャ・ガイザーさん。
「膣の中にはよい細菌がたくさんいて、普通はカンジダ真菌など寄せ付けないようになっています。しかし、抗生物質やストレス、糖尿病、生理などのせいで微生物のバランスが崩れると、膣の中のpHが変化し、カンジダ真菌が増えすぎてしまいます」(ガイザーさん)
パンに使うカンジダ真菌?それはまったく違う種類なのです。
膣カンジダ症はセックスでもらう
膣カンジダ症になっているときにセックスをすると痛いかもしれませんが、男性から「もらう」ことはおそらくあり得ません。
「膣カンジダ症は性感染症ではありません。めったにないことですが、包茎の男性は包皮内側にカンジダが過剰に増殖することがあって、その場合はセックス中にうつる可能性があります」と女性向け総合医療機関、コンプリヘンシブ・ウィメンズ・ケア(オハイオ州コロンバス)産婦人科医、アニタ・ソマニさん。
男性はカンジダ症にならない
「カンジダ症は確かに女性にはるかに多く見られますし、性感染症ではありません。ですが、やはり感染症が治るまでセックスは控える方が賢明です」(ガイザーさん)
「そもそも、痛いですし、膣が炎症を起こしていて、あまり潤いませんから、セックスもよくない。次に男性に感染症をうつすかもしれません。すると男性のペニスに白い斑点ができたり、赤くなったり、かゆみがあって、ボロボロとした発疹ができたりします」(ガイザー)
ラップトップを膝にのせていると膣カンジダ症になる
「カンジダ真菌は温かくて湿った場所が大好きです」とガイザーさん。しかし、膣はそもそも温かくて湿った場所なのです。
「ラップトップを太ももに乗せていると温かくてカンジダが増えるという人に会うこともありますが、まったくのナンセンスです」(ガイザーさん)。
膣カンジダ症が起こるのは膣だけ
「カンジダ真菌は身体中のさまざまな部分で増殖します。ときには同時に」とソマニさん。
カンジダ真菌は皮膚が合わさるところが大好き。膣のほか、胸の下、脚の間や骨盤あたりは増えるには好都合。でも、心配はご無用。同時に2カ所以上が感染症になっても、薬を飲むといっぺんに治療できるのです。
ニンニクを食べると膣カンジダ症に効く
残念ながらニンニクで膣カンジダ症を治すことはできません。吸血鬼、またはあなたにキスしたいと思う人だけです。
「ニンニクには抗炎症作用がありますから、風邪の予防や緩和にはよい食品ですが、膣カンジダ症に特に役立つことはありません」とガイザーさんは言います。 自然療法も効果があれば素晴らしいですが、膣カンジダ症の場合は薬局か病院に行く必要があります。
膣カンジダ症はたいしたことじゃない
「膣カンジダ症は実によくある症状だというのは本当です。しかし、治療したのにすぐ再発したり、数カ月の間に何回もなったりする場合は、医師の診察を。免疫系の遺伝子変異を持っているために特になりやすいということも」とアダルジャさん。
妊娠中や抗生物質を服用している人も、リスクが高くなります。再発する膣カンジダ症は、糖尿病などの何か別の原因があるというサインかもしれません。感染症の治療だけでなく、根本的な原因を深く探る必要があります。
Jeanne Sager/7 Yeast Infection Myths You Need To Stop Believing