Q1:大切にしてきた友人、同僚になってみたら大問題。どうつきあえばいい?
仲の良い友人と同じ職場になったら、愚痴のはけ口にはされるわ、アイデアは盗まれるわで大弱り。友情を保ちつつ、職場で我慢できる環境を手に入れるには?(Glenn Harvey/The New York Times)数か月前、新しい会社に入社し、それまで仕事以外で非常に大切にしていた女性の友人と同じ職場になりました。ところが同僚になってみると、彼女にイライラさせられることばかり。おまけに私の信用まで脅かされそうです。同僚になってみて分かったのは、彼女は自分の仕事にまったく自信を持てていないんだということ。週に数回は何かに腹を立てては、些細なことで会社を辞めると言い出します(そして、私がそれを引き留めることを期待しているんです)。さらに悪いことに彼女は私の足を引っ張ることもあり、それが上司の前のときもあります。彼女が入社した時期は私よりも1か月早いだけなのに、「先輩風」を吹かされたこともあります。私の専門分野で、彼女の専門ではないプロジェクトについて、あれこれ主張する割には、実際に手伝ってくれることはありません。最近のスーパーバイザーとのミーティングでは、あろうことか私のアイデアを彼女のアイデアとして発表されてしまいました。今、私が落ち着いて生産的に仕事ができるのは、彼女が休みの日だけです。彼女のせいで、いらついてばかり。仕事面では彼女との接触を断つ必要があると思うんですが、できれば友人関係は維持したい。私たちの上司はまったく干渉しないタイプなのですが、この職場で彼女が役立つことはないと感じています。どうしたらいいでしょう?(匿名希望より)
A:「感情的にイヤ」と「実害のある行為」を区別。後者にはダイレクトに対処を
あなたはこのことについて、その友人と何らかの話し合いを持つ必要があるでしょうね。でも気を付けながら話せば、必ずしも関係を壊すような話し合いにはならずに済むでしょう。最初にあなた自身の中で、彼女の行為を2つに分けましょう。あなたがイライラするだけで終わっている行為(彼女のかんしゃくや思い付きによる口出しなど)と、本当に損害を被る可能性がある行為(上司の前で馬鹿にされる、アイデアを盗まれるなど)の区別をつけましょう。そして後者に関しては、他の同僚にされたとしても同じように、ダイレクトに言うべきです。こういう問題が起きたときには、なりゆき任せにしたり、放置したりしないこと。問題をため込んでしまうのは、もっとマズいことです。まず、彼女を問い詰めるのではなく、やや大目に見るくらいの姿勢で、しかし率直で明確なメッセージを送るところから始めましょう。例えば「あなた、この間、私の秘蔵のコンセプトを自分のアイデアみたいにプレゼンしたわよね。なぜ、そんな風にしたの?」といった具合です。それでも、彼女がそうした行為を続けるようならば、さらに単刀直入になりましょう。「たぶん、わざとじゃないんでしょうけど、あなたがボスにXと言ったら、私にZという問題が起きるのよ」。礼儀は正しく、だけど、きっぱりと。「私たち友達だよね、だけど......」といった前置きは省きましょう。それから、例えば彼女が発表したアイデアが、実は自分のものであることを上司に明らかにしておきたいのならば、そうしましょう。こうした実害のある行為にはしっかり対処することで、職場での人間関係全般が我慢できる範囲に収まりやすくなるでしょう。
ダイレクトに言ってもダメなら、「友情のために」仕事上での一線を
それでダメな場合にもまだ、関係に一線を引くという余地があります。これを最も効果的に行うには、彼女のせいにするのではなく、あなた自身の好みを理由にすることです。この話を切り出すときには、あなたたち2人の友情関係を引き合いに出すとスムースかもしれません。「あなたとは本当にいい友達同士だと思っているんだけど、たぶんこれは私の性格の問題で、オフィスではちょっと距離を置いた方がいいと思うの。仕事のせいで、私たちの関係を複雑にしたくないのよね。私たちの仕事の分野は違うんだから、私があなたの仕事に関わる理由はないし、あなたもそうだと思うのよね」こういう台詞の中に、あなたの実際の状況にもっと合う要素を入れてもいいですが、とにかくこれは友情のためだという点、仕事場の些細なことで友情を台無しにしたくないんだ、という点を強調するといいでしょう。
Q2:上司が自分の親友を雇い、いつも2人きりでランチ。職場には微妙な空気が......
Image via Getty Images上司が最近、うちの組織に彼の親友を雇いました。その女性は才能もあるし、私たちのグループに有益な人材なんですが、しょっちゅう2人きりでランチに行ってしまいます。私たちの職場は少人数なのに、他の誰も誘おうとしません。私は2人とも好きだし、時々ランチに加わりたいとも思います。ランチからのけ者にされている、と言っている同僚もいます。上司はまさかプライベートなランチのせいで、自分のグループの部下たちの不信を買っているとは思っていないでしょう。けれど、ここでもしも私が何か言って、それでランチに誘われるようになったら、私が無理強いしたみたいに感じそうです。何か言った方がいいか、それとも黙っていた方がいいでしょうか?(サンディエゴ市在住、エリザベスより)
A:実際に「ひいき」があるかどうか、を基準に
本当は、上役はこうした事柄にもっと配慮する必要がありますね。あなたが言うようにその上司は、周りが彼のランチの習慣を気にしているとか、ましてやそれについて不快に思っているとは、たぶん全く思っていないでしょう。どのような進め方が得策か、あなたが考えをまとめるために役立ちそうな注意点を書いておきましょう。まず、あなたの同僚が上司の行動に「腹を立てて」いるのは、確かでしょうか? 何となくわずらわしく感じている程度ではないでしょうか?言い換えると、その上司のランチの習慣によって、大小にかかわらず、何らかの結果が実際に起きた例を挙げることはできるでしょうか? つまり上司の友人が何かで優遇されたとか、ものすごく美味しい仕事が回されたとか、不当にボーナスが与えられたといったことはありますか?要するにそうした「ランチ友達」であることによって、何か「ひいき」があるようならば、対処すべきでしょう。私が知っている限りでは、少人数のグループや「派閥」によって具体的に業務に支障が生じれば、経営側が対処したがるはずです。
自分の方から、壁を越える試みも有効
逆にもしも具体的な「優遇措置」の例を挙げられない場合は、あなたが不満に思う部分は何かよく考えてみましょう。そして対処法としては単純に、新しく同僚となったその女性をあなたからランチに誘ってみることもできるのではないでしょうか? あるいは何かのプロジェクトで直接、彼女と一緒に働くことを試みるのはどうでしょう? これは一般的にオフィス内の小グループや派閥に対する適切な対処法です。自分が相手から、「仲良し」ではなく同僚として尊敬されるよう、配慮してみてください。
© 2018 New York Times News Service[原文:When a Good Friend Becomes a Terrible Colleague/執筆:Rob Walker](翻訳:Tomoko.A)