日本一大きい! 驚きのジャングルジム
そんな建築をめぐる旅の途中、いろいろ調べているうちにどうしても気になる場所を見つけてしまいました。場所は広島県呉市豊浜町。豊島と大崎下島を結ぶ豊浜大橋のすぐそばにある、日本一大きなジャングルジム!!! 豊浜大橋の開通を記念して平成5年10月に完成した架橋記念公園には、高さ13.2メートル、幅15.5メートルの日本最大級のジャングルジムがあるというのです。き、気になる!
隈研吾氏設計の呉市音戸市民センターを視察後に早速行ってみると、突如坂道の途中に現れる巨大ジャングルジム!なんじゃこりゃーー!!! という大きさとかっこよさ。
坂の途中に突如現れる巨大なジャングルジム! 草はボーボー! 道もかき消されています!しかし、想像していたよりもえらく背の高い草にまみれていて、かなり躊躇......。若干放置されている感じがしてしまい、これは公園と言えるのか......。ヘビとか、毛虫とか、ゲジゲジとかいないかな、と、不安になるレベル。しかし、ここまで来たからには登らずにはいられない! ということで思い切って登ってみました。
とりあえず外側から登ってみましたが、高すぎて怖くなり途中で断念。崖に沿って建てられている「足場」のようなジャングルジムは直径48.6ミリの単管パイプをメインに使っている様子。ジョイントはあまり見たことがなく、オリジナルのようにも見えます。内部はこれまた意外と動線がしっかりしていて面白い! まるで巨大迷路のよう。
よく見るとジャングルジムのセンターに入口らしき隙間が。 左右に階段がありました! シンメトリーな構造になっています。構造もちゃんと計算されている様子。 階段を登っていくと、うっすらと海が見え始めました。しかし、ここまで草が生えているとは、恐るべし雑草パワー! どこを切り取ってもカッコいい! オトナのジャングルジム!日本一のジャングルジムは豊浜町の名所1つであり、頂上から見る景色は、橋と海と島々を見渡すことができとても美しく壮観。風も気持ち良く爽やかな気分にさせてくれます。
てっぺんからの景色はとても美しい。島々に囲まれた暮らしはどんななのでしょう。瀬戸内海は黒潮とは大きく違い、とても穏やかで大きな川のようにも見えます。家や建物を建てることを建築と言いますが、こういった巨大ジャングルジムのように人が集まるきっかけを作り出すこともある意味建築。しかもよくある公園の遊具と違いカラフルな色が塗られていないので、なんだか大人も自然と登りたくなるデザインとなっているのです。
最近の公園は禁止事項が書かれた看板が多い傾向にあるのですが、登る時の注意事項の看板なども特に見当たりませんでした。こういったユーモアのある構造物は「危険だから」と計画が進まない、もしくは撤去されてしまうことがよくあります。しかし、ここまでやり切るという行為に感服。豊浜町を代表する現代アートにも感じられます。
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