冬になると、食卓にあがる食べ物は色がさみしくなってしまいがち。ビタミン不足にならないように、お野菜やフルーツもできるだけカラフルなものをいただきたいもの。

そんななか、ドイツ国内で近年よく目にするようになったのが「グリーン・グレープフルーツ」です。

甘味をたっぷり閉じ込めたハイブリット種

形といい大きさといい、グリーン・グレープフルーツは普通のものとまったく一緒。ちょっと違和感を覚えてしまうグリーンの外皮の色以外は、普通のグレープフルーツそのものです。じつはこれはグレープフルーツとブンタンのハイブリッド種。ドイツをはじめ、ヨーロッパで目にするものは「オロブランコ」(もしくはスウィーティーとも呼ばれる)と名付けられ、従来のものでは酸っぱすぎる! という人たちに愛されています。

「ブランコ(「白」)」と名前があるように、果肉はキレイな白みがかったレモンイエロー色。とってもフルーティーで甘く、丸みのある酸味が特徴です。皮がむきやすいので子どもにも人気。そして果汁も多いため、まるでグレープフルーツジュースを飲んでいるみたいな感覚になるのです。

抗酸化酵素の活性化で血管が若返る?

糖分が高く、酸味の少ないグリーン・グレープフルーツ。美味しいだけではなく、健康効果も多く得られるのだそうです。イスラエル・ヘブライ大学のシーラ・ゴリンスタイン博士の研究チームは、43歳から71歳までの、高血圧症に悩んでいたり、あるいはバイパス手術を行った心臓疾患を持つ患者を対象に、30日間にわたって調査。毎日このフルーツの果汁を0ml(まったく飲ませない)グループ、100ml飲むグループ、200ml飲むグループと3つに分けました。

すると、1日200ml飲んだグループの悪玉コレステロールが大幅に減っていたことを発見。さらに、毎日飲んでいたグループの血管内の抗酸化酵素が活性化していることを発見。また、他国(日本を含む韓国・ドイツ・チェコ・ポーランド)においても同様の結果が得られたことから、毎日続けて飲むことは、心臓の血管の動脈硬化や心臓発作を予防する確率を上げることが明らかとなりました。

主な原産地はアメリカやイスラエル。9月から3月の間はグリーン色のまま収穫され、このシーズンを過ぎると通常のように黄色になってしまうというから不思議。イスラエルからの輸入ものが多く市場にお目見えするドイツ国内では、通常のもののおよそ2~3倍の値段がすることから「贅沢デザート」として楽しんでいる人が多いように思います。

この珍しいフルーツ、見かけたら手に取ってみてください。

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