ハーブを使ったコスメが多く存在するドイツ。その根底にある考え方は「フィトテラピー(植物療法)」です。例えば風邪をひいたり怪我をしたりすると、すぐに薬に頼ってしまいがちな私たち日本人に比べ、ドイツ人などは薬をできるだけ使わないで治す方法を模索します。

食材のもつ、また違ったパワーを学ぶ

歯が痛いときにはセージの葉を口に含み、モグモグ噛んでゴクリ。腹痛のときにはフェンネルなどの消化を促すハーブティーを飲み、のどが痛いときにはなんと温めたじゃがいもを布にくるんで首にあてることも。日本でも焼きネギを喉元に充てるなどのいわゆる「おばあちゃんの知恵」が存在しますが、世界各国でもそういった考え方が根づいているのが興味深いですね。

ふだん口にする食材のもつ、また違ったパワーを改めて学ぶこと。そして意識的に「外部から取り入れる」習慣を根づかせることは、思った以上に面白いもの。病気に負けない体にするだけでなく回復力の強い体を目指すために、まずはハーブを育て、少しずつ身近な生活習慣として取り入れてみるのも良いかもしれません。

白髪対策には「玉ねぎ」?

フィトテラピーはそんなわけから、ドイツ人の大好きなテーマのうちの一つ。「植物治療学会」なるものが存在し、ネットでは植物治療に関する情報があふれ、医師や薬剤師、セラピストたちのためのセミナー・学会なども数多く開かれています。

最近知ったことですが、何と白髪対策に玉ねぎが効くのだとか。白髪の原因は、老化のプロセスによりメラニン色素の細胞機能が低下し、色素を作ることができなくなることから髪の毛が白く見えるのが原因のひとつだと言われています。玉ねぎの汁のもつ高い殺菌作用が頭皮をキレイにし血行を良くするだけでなく、カタラーゼ(毛中のたんぱく質)を刺激。その結果カタラーゼに含まれる、メラニン色素の細胞機能を活発にするPC-KUSという物質が生成されるというのです。

玉ねぎを半分に切り、断面を頭皮全体にこすりつけるだけでも良いし、もっと効果を狙うのであれば、玉ねぎ丸一個をミキサーにかけ、頭皮全体になじませて一日何回かマッサージするのも良いそう。ただし臭いが気になるので、週末に「集中ケア」するのがおすすめです。

もちろん食事の面からも気をつける必要性があることは言わずもがな。効果にも個人差があるでしょう。しかし陽がますます高くなり日焼けして髪の毛が細くなってしまいがちなこれからの季節や、プールによく行くという方は試してみる価値があるかもしれませんね。薄毛・抜け毛対策にもおすすめです。

身近にある食材で試すことができ、かつ副作用がないこと。植物治癒の一番の利点はやはり「安全性」だと言えるかもしれません。

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