古典落語の「ろくろ首」とは別の創作落語。
ストーリーの構成上、敢えて同タイトルにしてあるが、作者的にはこれを好ましく思っていない。
「短編ろくろっ首」などへのリタイトルも念頭に入れている。
アニメ版は下記URLリンクにて公開。
http://www.nicovideo.jp/watch/1499932271
ストーリーの構成上、敢えて同タイトルにしてあるが、作者的にはこれを好ましく思っていない。
「短編ろくろっ首」などへのリタイトルも念頭に入れている。
アニメ版は下記URLリンクにて公開。
http://www.nicovideo.jp/watch/1499932271
原作・脚本 底辺亭底辺
え~、昨今若者の結婚離れなどと言われておりますが
これは今の若い人が結婚をしない・出来ないだけではなく
今の古い人が縁談をセッティングしない・出来ない、のも大きな理由と聞きます。
その点、昔の人は偉い。
家督を譲って隠居すると、周囲の若者同士の縁談の世話を焼いて回った。
言うまでもなく、自腹・ボランティアです。
勿論、若者から見ればこれが、うっとしいww
近所で顔を会わす度に
「そろそろ所帯を持ったらどうだ?」
とか
「このままじゃ行き遅れますよ!」
などとジジババが声を掛けて来る。
酷い時には家まで押しかけてくる。
本当にうっとしいwww
と若者から思われているのは、百も承知。
そりゃあそうですよね。
世話焼き爺さんやお見合い婆さんだって、若い頃は周りの年寄にぐちゃぐちゃ言われてうんざりしてたんですから。
でも、まあ。
ある程度の年齢になって、生活にゆとりが出来た人は…
それを社会に還元しようという気持ちが、自然に沸いて来るんでしょうな。
え、アタシですか?
「オマエは還元しないのか?」って?
いやいや、この貧乏人を捕まえて…
うー、わかりました!
明日からっ
明日から世間様に還元していきますよ。
まあ、こんなアタシなんかとは違って昔の人はとにかく世話焼きでした。
相手がダメな子でも全身全霊で世話をしておりました。
落語で駄目な子、と言えば全部ひっくるめて「与太郎」と名付けられているのですが…
この与太郎も、他の与太郎に負けず劣らずぼんくら者でした。
ある日、この与太郎に縁談話が来るんです。
なんと、相手は美人で金持ちの娘さん!
おかしいですよね~ww
世の中釣り合いってものがありますからね~
普通はボンクラの所にはいい話は来ないんですよ。
あのね。
釣り合いと言えばね~
最近の結婚相談所なんかは凄いですよ。
男女の年齢やら年収やらを全部数値化して…
コンピューターで強引に釣り合いを取っちゃうの。
一回見せて貰ったんですけど、あれは怖かったなあ。
年収とか学歴とか年齢とか身長とかがね?
全部ポイント化されてるの。
アタシも勝手にポイント化されちゃってね?
「落語屋さん、貴方は100点です。」
って言われて。
大はしゃぎしましたよ!
いやっほおおおおい!
ってね。
「平均点は550点ですから、まずは150点を目指して頑張りましょう。」
って付け足された時には絶望的な気分になりましたね。
1200点満点らしいですよ。
あの時はへこんだ~
話が逸れちゃいましたねww
御免なさいよ御免なさいよ♪
与太郎君の話でしたね。
美人でお金持ちの娘さんに婿入りして欲しいって旨すぎる話が来るんですよ。
怪しいですよねえ。
流石の与太郎も不安になる。
「ねえ、御隠居ォ。
話が旨すぎるんですけど…」
ってね。
勿論、この話には落とし穴があったんです。
その娘さんはねえ、夜になると首が伸びてしまうんです。
この病気のおかげで今までの旦那さんは全員逃げちまったらしい。
可哀そうにねえ。
勿論、与太郎は有名な臆病者だから
ちょっと首が伸びたのを見て、慌てて逃げだしちゃう。
まあ、仕方ないですよね~
アタシは他人のイビキもガマン出来ない性質(たち)なんで
与太郎の気持ちわかるな~
はい?
オマエの話は前置きが長い?
枕は1分以内に収めて、本題を始めろ?
申し訳ございません。
師匠にもよく叱られます。
昨日なんかもね~
ああ、すみませんすみません。
始めますから!
始めますから!
さて、逃げ出したはいいんですが
与太郎は御隠居に怒られます。
初日から逃げる奴がいるか、ってね。
でも、初日から逃げちゃったもんだから
与太郎も戻るに戻れないんですよね。
やっぱり相手が怒ってないか気になるじゃないですか。
そもそも、向こうだってこっちに愛想を尽かして
別に与太郎が戻ってくることを望んでないんじゃないかってね。
アタシもね~
愛想は尽かされっ放しの人生だったんで…
この気持ち解るな~
アタシね~
親からも師匠からも女房子供からも愛想を尽かされてきましたからね~
これでお客さんに愛想を尽かされたら…
もう笑い事ですよね。
はっはっはwww
え?
早く本題を始めろって?
ああ、スミマセンスミマセン!
ついつい枕が長くなってます。
え?
何ですって?
こっちは本題を聞きに来たんであって枕を聞きに来たんじゃい!
って?
あっはっはww
お客さん面白いこと言うね~www
アタシなんかよりよっぽど落語屋に向いてますよwww
そんなに本題が聞きたかったんですかい?
なるほど~
枕の間、ずっと本題が始まるのを待っていた?
あ~、それは悪い事をしました。
え?
『首を長くして待っていた?』
あ~、お客さん。
それ今日のオチです。
あ~、先に言われちゃった。
「お嫁さん怒ってないかな?
待ってるって言ったって、どんな風に待っているんだろう?」
『首を長くして待っている』
ってね。
あはははは。
そう怒らないで下さいよお。
いつか、ちゃんとした「ろくろッ首」をお聞かせしますから。
首じゃくて気を長く待っていて下さいね。
お後が宜しいようで!
変則メタネタである。
ろくろ首の原話を視聴者が知っていると云う前提が必要になる話なので
アニメ脚本としては相応しくないのかも知れない。
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