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Twitter私論(2010年)

2010/09/25 03:52 投稿

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Twitter私論(2010年)

Twitter私論1●Twitterの「なう」には2種類ある。まず「渋谷なう」「実家なう」などという具体的な位置情報である。初めてTwitterに入った頃は、この「なう」がうっとおしく感じる人もいるだろう。

Twitter私論2●Twitterというかネットワーク環境は、リアルな社会の完成にともない、孤立感を深めた人同士がつながるためのものだ。一見、リア充しているような人でも、潜在意識の奥底で自らの存在に対して不安がなければ、わざわざネットでコミュニケーションする必要はない。

Twitter私論3●「なう」は、分断化され、疎外され、孤立を深める現代人の「いま、ここにいるよ」という、魂の叫びである(ホントか)(笑)。

Twitter私論4●さて、「なう」には、もう一種類ある。それは「晩飯なう」とか「プロポーズなう」というように、行為に対する「なう」情報である。

Twitter私論5●物理的な位置情報の「なう」が「もの=空間」としての情報だとすれば、こちらの行為情報は「こと=時間」としての情報である。人や社会は「ものごと」で成立している。どちらが優位ということではなくて、ものごとのトータルな融合が自らの主体性の確立において必要なのである。

Twitter私論6●フォローする人が100人でも1万人でも、僕が読めるTLは一定である。であるなら、そのTLを見ることによって、より広大な他者の広がりを感じられた方がよいのではないか。ほんの断片からでも時代を想像することは出来る。2010-01-26 11:10:02

Twitter私論7●僕も最初、勘違いしていた。フォローした人とは個別に付き合うことだから、その人の発言はすべて読まなければならない、と。しかし、進めていけば分かることだが、フォロー数は確実に増える。ちょっとした発言でも「面白いな」と思ったら、すぐにフォローしてしまうから。

Twitter私論8●無論、「うるせえな」と思ったら、同じようにフォローをはずす。そうして理解したことは、すべての個人のつぶやきを読む必要はないということだ。

Twitter私論9●Twitterの凄いところは、TL(いま、ここ)に表示される言葉だけがすべてで、時間の激流がどんどん書かれた言葉を過去に押し流してしまうところである。

Twitter私論10●いわばテキスト文化が、はじめてテレビ的なシステムの中で機能をはじめたといえる。しかも、参加型である! 僕の長年の夢だ。

Twitter私論11●Twitterとは表現の中抜きである。1冊の本でも本当に言いたいことは140文字だったりして。結論だけ言え、と。

Twitter私論12●Twitterの最大の革命の気配は、もしかしたら「本なんかいらなくなるのではないのか」という予感である。電子ブックに関心を持つのは、旧来型の読書人だからして。おお、とてつもない自己矛盾への道(笑)

Twitter私論13●Twitterを新しい「読書」としてとらえると、そら恐ろしい。こういう時は風呂で暖まるに限る。

Twitter私論14●本はやがて(すでに)内容のメッセージではなく「本を読む行為」だけを目的としたエンターティメントそのものになっていくのかも知れない。著者が伝えたいことは、思った瞬間に世界に伝えられるようになれば。

Twitter私論15●出版社の危機は、テクノロジーの進歩に追いつかないからではなく、書籍の本質的な変化を予感できていないからではないか。

Twitter私論16●こういうライブ感、同一時間性は、本では出せないな(笑)頭がドタバタしてあまりのんびりは出来なかった。Via Con Diosを聞きながら入浴しました。

Twitter私論17●フィクションも、本当は「伝えたい」ものを上手に伝えるための手段として開発されたものだと思う。しかし、サルコビさんの発言ではないが、いつか手段が目的になってしまったように思う。特に、理科系の作家においては。

Twitter私論●鳩山さんが、自分の言いたいことをちゃんと自分で伝えられるような社会になれば、鳩山番記者も政治部デスクも、新聞も、いらなくなる。どうせ新聞記者にも言えないことはTwitterでも言わないだろうから。小泉さんにTwitterやらせたかったかも(笑)

Twitter私論19●うー、この原稿も、本当は、じっくりまとめてTwitter論として本にしたかったんだけど、Twitterがあるんだから、そんなプロセスまだらっこしく感じてしまう(笑)。とりあえず思ったことは先に言っといて、あとで、ゆっくり整理するとしよう。

Twitter私論20●インターネットは、P2Pのコミュニケーションの側面と情報検索や流通の側面がある。もともとダイアローグなどのオンラインデータベースの遠距離検索が普及のトリガーだった。情報を蓄積し共有するという方向性がベースにある。

Twitter私論21●インターネットが普及して最初に打撃を受けたのは、いわゆる「情報誌」である。ぴあを代表とする情報誌は情報を収集し蓄積し処理することにより情報を商品化してきた。しかしインターネットにおいて、興行主などがダイレクトに情報を提供することにより意味を喪失していった。

Twitter私論22●また、ネット文化というものが「ギブアンドテイク」の相互扶助をベースにしていたため、情報を有料化することは難しく、多くのタウン情報誌がネットに進出して、打ち破れた。

Twitter私論23●次に打撃を受けたのは、ノウハウ本である。最大の被害者はパソコン関連のハウツー本。もともとパソコンの急速な普及に合わせてシェアを伸ばしたバブルのような領域だから、ユーザーが基本をマスターし、システムの側の使い勝手が良くなれば意味を失うものであった。

Twitter私論24●これも、メーカーそのものが情報を直接提供するようになり、ユーザー同士の相互の情報提供、お助けサポートが充実してくると本の意味が薄れる。映像などのネットのリッチコンテンツ化が進めば、本の機能ではかなわなくなる。

Twitter私論25●戦後の出版界を拡大してきた「情報」と「ハウツー」の2大ジャンルがインターネットにとって変わられた。現在の書店ベストセラーを見ると、宗教本が強い。教団の組織買いもあるのだろうが、売れてるビジネス書や「儲けるための心構え」的な、心にアピールしているものが多い。

Twitter私論26●本のスタートが聖書であったというのはシンボリックなことで、あらゆる本は何らかしら宗教本なのかも知れない。もうすこし、考えてみたい。

Twitter私論27●アイドル本も、ある種の宗教本とすると、一体、宗教って何だろう。

Twitter私論28●電子ブックが本格化しようとしている。動きの主役を、とりあえず「キンドルさん、ぐるぐるくん、あいぽーんちゃん」の「デンブク三兄弟」と名付けた(笑)

Twitter私論29●電子ブックは、個人でも登録出来るので、自分出版が可能である。考えられるプレーヤーは2つ。一つは、既存の出版業界で著作者として実績のある人。もうひとつは、全く新しく自分出版をやってみようと思う人。

Twitter私論41●本の意味は、ログ=記録だと思う。今すぐ伝えられるものは、本以外に出てくるから、今すぐ伝えられない相手に対してのもの。つまり著者が死んだあとに伝えたい人のためのもの。カフカの本は、死後、何十年たって書籍化された。

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