あなたが毎日続けたいけど、続けられないことはどんなことですか?
今回は、物事を続けることができず諦めてばかりという方の相談をもとに、習慣化のための原則について解説させてもらいます。
「Q. 何事も続けるのが大事だとわかっていても、いつも飽きっぽくて続けることができません。自分にはどうせ…という言葉が頭に浮かんで諦めてばかりです。アドバイスをお願いします。」
多くの人は自分の才能に気づく前にそれをやめてしまいます。
例えば、皆さんも子供の頃に自転車に乗れるようになるまでには何度も転んだはずです。
もし 、皆さんにお子さんがいたとして、その子供が自転車を練習しようとして、2度や3度転んだだけで自分には自転車の才能がないと言って諦めたらどう思うでしょうか?
大人になると、この子供と同じことをしてしまいます。
ですから、自分に向いている向いていない、才能があるないを判断するのは、少なくとも習慣化ができてからにしてください。
習慣化できて、ほとんど考えることもなくそれができるようになってから、それが上手にできるかどうかを客観的に見ることができるようになります。
習慣化して流れ作業のようにできるようになってから、その仕事を続けるべきかどうか考えてください。
そう考えていただけると、とりあえずどこまで続けるべきなのかということもある程度はっきりしますし、同じことをするとしても様々な方法や選択肢が見えてきます。
ちなみに、習慣化は自分の好きなことよりも嫌なことに発揮した方がいいです。 ですが、当然自分の嫌なことよりも好きなことを習慣化する方が楽です。
人生の序盤や若い頃に、嫌なことでも必死に続けて習慣化したけれど、結局転職して無駄だったと感じることがあるかもしれません。
ですが、人生の序盤で嫌なことを習慣化する技術を身につけておくと、人生の後半では好きなことを習慣化することがいくらでもできるようになります。
ですから、習慣化の技術を身につけるためだと考えて、特に人生の序盤や若い頃にはいろいろなことに手を出してみてください。
結果的に自分に向いていなかったことであれば、習慣化の技術を身につけるために役に立ちますし 、自分に向いていることだったとしたら 、それがそのまま天職になります。
あっという間に過ぎてしまった!の正体とは?
カンザス大学の研究で、時間があっという間に終わってしまう原因は何なのか調べたものがあります。
今年に起きた出来事と似た過去の出来事を思い出した場合と、今年起きた出来事とは異なる過去の出来事を思い出した場合を比較し、どちらが時間感覚が伸びるのかということを調べています。
その結果、似た過去を思い出した場合の方が、時間が過ぎるのを早く感じました。
つまり、今自分がやっていることや最近やったことと近い出来事を思い出したら、あっという間に時間が過ぎたと感じるけれど、異なることを思い出すとその感覚を感じづらかったということです。
これらは、人間がチャンキング(chunking:小さなかたまり・断片)という性質を持っているからです。 チャンキングというのは、たくさんある情報をひとつに纏めることです。
過去数日の記憶と過去数年の記憶を比べると、同じ過去でも数年の方が大きいですから、過去の自分の出来事があっという間に纏められたように感じてしまいます。 それにより、あっという間に過ぎてしまったと感じてしまうわけです。
今年起きたことと似た出来事が去年も一昨年も起きているとなると、それらが同じくくりで纏められてしまいます。
僕たちが毎年毎年、歳をとればとるほど1年が過ぎるのを早く感じるのがなぜかというと、新しいことをしていないからです。
新しいことをせずに自分が今までしたことがあることと同じような慣れたことをし続けて、さらに、自分がやっているひとつひとつのことを細かくマインドフルに見ることをせず、かたまりで考えてしまうがために、チャンクがまとまっていて、いつもと同じことしかしていないし、自分は進歩していないと考えてモチベーションも上がらず実際に挑戦もできないとなってしまいます。
前々回で、今年も残り半分かと、目標に対して焦りを感じている人が改めて目標を再設定する方法について解説させてもらいました。
一問一答「あなたの、今年の目標の進捗はどんな感じですか?」【目標の再設定】
そして、前回は、その目標に向けて毎日やるべきことに向き合うための行動力の高め方を解説させてもらいました。
一問一答「あなたが、毎日やるべきと思っていることは何ですか?」【超行動力】
とは言え、モチベーションだけでは毎日やるべきことを続けるのも難しくなります。
そこで今回は習慣づくりの大切なポイントについて解説させてもらいます。
習慣作りに欠かせない6つのポイント
今回は、非常に優秀な実業家や科学者を数多く輩出しているカリフォルニア大学バークレー校が示してくれている習慣化の6つのポイントについて解説させてもらいます。 人生において、自分の健康を大切にして、人生の目的を達成できるような習慣をどうすれば身につけることができるのか調べたレビュー論文があります。
習慣化ポイント1. 習慣は目標に依存しないが、最初は強い目標が欠かせない
ダイエットをしようとか腹筋を割ろうとか、年収1,000万円を超えるとか、習慣は強い目標で最初は始まります。
ですが、この目標が必要なのは最初だけです。
逆に言うと、目標をベースにした習慣というものは、それを達成すると続けることができなくなります。 リバウンドがおきるのもこれが原因です。
これは目標に依存しすぎているからです。
目標に依存している習慣は簡単に挫折して元に戻ります。
そして、もう一度そこに戻るのは大変です。
最初は憧れの自分を目指していたから頑張ることができたわけですが、次は一度失ったものになってしまいます。 2回目にもう一度目指した目標は挫折しやすくなります。
ですから 、目標に依存しすぎないということが重要なわけですが、多くの人が気にしていません。 みんな目標に依存して、まるで目標設定が全てかのように考えています。
習慣化ポイント2. 習慣は自分の文脈を知るところから始まる
習慣を身につけるためには一貫性を保つことが欠かせません。
毎回同じタイミング、かつ、同じシチュエーションで習慣的な行動ができるかによって決まります。
ですから、続かない人のほとんどは「気まぐれ」のせいです。
その時間帯に、それをするときもあればしないときもあるとなると、まるで自由かのように感じるかもしれませんが、実際には一番不自由な状態です。
なぜかと言うと、毎回迷ったり考えなくてはならないからです。 それによって脳に余計な負荷をかけてしまいます。
それが結局続かなくなる理由です。
自分自身の文脈を知って、どんなタイミングでどんな習慣を身につければいいのか知る必要があります。
DaiGo師匠は、朝起きてからすることの順番を必ず守っています。 これも余計なことを考えなくていいからです。
習慣化するためには、その習慣的な行動をしている時に、「いかに余計なことを考えないか」がとても重要です。 それによって習慣の継続性は決まります。
習慣化ポイント3. 習慣化には事前のトラブル対策が必須
習慣を身につけるためには必ずトラブル対策が必要です。
習慣を邪魔したりネガティブな影響を与えることに対しては、あらかじめ対策をしておく必要があります。
これがとても重要なポイントで、多くの挫折する人は、大抵気合と根性で何とかなると考えています。 自分はそれを続けると決心したから、必ずやり遂げることができると下手に自分を信じています。
習慣化する際に、気合いでなんとかなると考えたり自分を下手に信じる人はまず続きません。
なぜかと言うと、その時の気合や自分を信じる感情というものは長く続かないからです。
習慣を身につけることが得意な人は、最初から自分を信じていません。
信じていないから習慣にします。
逆に言うと、自分は意志力がないとか自制心がないと思っている人ほど、習慣化のテクニックを学ぶとその効果は大きくなります。
なぜかと言うと、習慣化のテクニックは意思が弱い人のためにあるものだからです。
意志が強い人は、どんなタイミングで何をするにしても全力で取り組むことができます。
それが意思が強いということですが、ほとんどの人は意志が弱いです。
いつどんな時でもやるべき行動が取れるとは限りません。
1日の中でランダムで突然アラームが鳴って、今から筋トレの時間だと言われて続けることができる人はほとんどいません。
毎日続けることができている人も、それをする時間や状況が決まっているからできるだけです。
人はそもそも怠け者な生き物ですから、よほど自分に自信がある人以外は、事前にトラブルが起きたり習慣ができなくなる状況を想定しておく必要があります。 トラブルが起きることを想定して計画を立てていた方が習慣は続きます。
習慣化が上手な人や結果を出し続けている人は、このトラブル対策が上手な人です。
トラブルがなければ多くの人が続けることができます。 ですが、何かしらのトラブルが必ずあるので習慣が途切れてしまうわけです。
ちなみに、「自分は意志力が弱い人間だ」と自分の意志力をディスっている人ほど習慣を身につけることが上手だという研究があります。 自分の意思の力に頼らないから、続けるための工夫をします。
ところが、意思の力に頼ったり自分を信じすぎる人は、気合と根性で何とかなると思っていますが、結局何とかなりません。
DaiGo師匠も意思の力が弱いから、心理学を勉強しています。 もともとメンタルが強いわけでもありませんし、人間の心もよくわからなかったので、心理学を勉強して人の心を理解しようとしたわけです。
習慣化ポイント4. 習慣は自動的である
習慣的な行動を続けるのが面倒だと感じる人もいるでしょうが、その面倒だと感じる感情がある時点で習慣化に失敗しています。
習慣的な行動を始めることは、意識を必要とせず、習慣的な行動が始まったとすら思っていないことが多いです。
例えば、皆さんが朝起きて歯磨きをするまでに、自分がしている行動というものは毎日ほとんど同じです。 全ての行動が気にせず毎日同じようにできています。
つまり、習慣的な行動のスタートに気づいている時点で、まだ習慣が身についていないということです。
皆さんは、昨日の夜にご飯を食べたり歯磨きをしたりしたと思いますが、何がきっかけでその行動をしたかまでは覚えていないと思います。 なんとなく自動的にその行動を始めているからです。
これが完全な習慣化できた状態です。
行動を始めたことにさえも気づかないレベルが習慣です。
例えば、お風呂に入ってぼんやりとしている時に、「髪洗ったっけ…」と考えたことはありませんか? 髪を触って洗ったことに気づきます。 これがまさに習慣的な行動です。
その行動の開始を意識していないので、抵抗なく始めることができます。 ですが、ほとんどの人は習慣的な行動をこれから始めようと意識して気合で取り組もうとします。 習慣的な行動は開始を意識した時点でまだ習慣として身についていません。
習慣化ポイント5. 習慣は報酬によって促進される
これは当たり前ですが、ご褒美のタイミングや量にコツがあります。
それを押さえておくと習慣が身につきやすくなります。
習慣化ポイント6. 習慣を変えるには時間がかかる
習慣を変えるにはかなりの時間がかかりますので、その間耐えるための工夫をする必要があります。
習慣というものは、先ほど紹介したとおり行動の開始を意識しないレベルで自動的にできるようにするものですから、一度身についてしまえば何も考えなくても行動できるようになります。
ただ、何も考えなくて行動できるようになるまでの日数やレベル、達成率を意識している人はほとんどいません。 これを意識していないと、ゴールがないマラソンのように思えてしまいます。
死ぬまで自分が続けなくてはならないことを絶対に続けると考える人はほとんどいません。
おそらく皆さんは死ぬまで歯を磨き続けると思いますが、それは習慣になっているので意識せずできているからです。
死ぬまで物事を続けようとすることは難しいですが、習慣化すればそれを実現することができます。
ゆえに習慣というものは運命を操ると言われています。 習慣というものは僕たちにそれほどの大きな力を与えてくれます。
人によっては8割だそうですが、皆さんの人生の6割は習慣的な行動によって決まります。
良い習慣を身につけることは、皆さんの人生の6割から8割を思い通りにコントロールすることです。
ここから先は、これら6つのポイントをより具体的に掘り下げて解説していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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