あなたにとって過去最悪な状況とは、どのような状況でしたか?
現代社会は様々な環境の変化に直面していて、大人も子供も毎日ストレスフルな生活を余儀なくされています。
今回はDaiGo師匠のおかげで苦しい状況から抜け出すことができたという方の声をもとに、逆境に耐え試練を克服して、感情的にも認知的にも、そして、社会的にも心身ともに健康的に過ごして日々成長していくための方法について解説させてもらいます。
「DaiGoさんのおかげでそれまでの苦しい状況から抜け出して人生を変えることができました。」
それは良かったです。
「今まで」と「これから」は違います。
今までの人生とこれからの人生は全く別物です。今何をするかで明日は変わります。
以上がDaiGo師匠からの返答でした。
逆境指数AQ
逆境指数(Adversity Quotient:AQ)とは、日常生活の中で起こるさまざまな逆境や問題に直面した際に、人や組織の立ち向かう力や対応力を数値化したものです。
AQのレベルは「CORE」という4つの指標の組み合わせによって決まり、それは、「コントロール(Control)」「責任(Origin・Ownership)」「影響の範囲(Reach)」「持続時間(Endurance)」とされています。
このAQのレベルが高ければ高いほど成功する可能性が高くなると言われています。
個人としても組織としても非常に重要な指標になりますが、これはトレーニングや様々な経験を重ねることによって鍛えていくことができるものでもあります。
逆境に遭遇してもストレスによってへこたれることなく平常心を保って問題を乗り越えることができる力です。
落ち込んでもそこから立ち直ってもう一度前に進む力とも言えます。
AQのレベルは以下の5段階に分類されます。
レベル1 逃避(Escape)……逆境に立ち向かえず逃げようとする
レベル2 サバイブ(Survive)……なんとか生き残ろうとする
レベル3 対処(Cope)……とりあえず対処をする
レベル4 管理(Manage)…… 逆境を最善の方法で管理し解決しようとする
レベル5 滋養(Harness)……ピンチをチャンスに変え、逆境をもとにさらなる飛躍を目指す
その力を測定するテストやより詳しい内容についてはこちらの本を参考にしてみてください。
仕事の逆境指数―ビジネス現場での『逆境』をのりこえるための行動理論
例えば、自分の感情をコントロールできず怒りをぶつける上司や親は、部下や子どものAQのレベルを下げてしまうとも言われています。
そうなると人は失敗を恐れて行動しなくなってしまいます。
部下を信じて仕事を任せない上司、子供を信じることなく感情をぶつけてしまう親は、組織としての成功も子供の将来の成功も逆に邪魔してしまいます。
予期せぬトラブルが生じたとしてもパニックになるのではなく、冷静に状況を把握して乗り越えるためにはどうすればいいのかということを考え、具体的な行動を起こしていくことができる上司や親が組織も子供も可能性を高めていくことができます。
人は大小問わず1日のうちに24回逆境に遭遇すると言われています。
先の見えない時代だからこそ、AQで表わされる力が重要になるのではないでしょうか。
どんな困難な状況も逆境も恐れることなく、人生でも仕事でも日々成長して可能性を高めていく方法について解説させてもらいます。
1. コントロール(Control)
これは自分の人生を自分でコントロールできている感覚を表す指標です。
自分を取り巻く状況を自分でコントロールできる感覚が強い人は、逆境を乗り越えることができる可能性が高いです。
2. 責任(Origin・Ownership)
逆境や問題の原因をしっかり見つめて、その結果がもたらす影響まで考えることができるかどうかを表す指標です。
これは当たり前のことだと考えるかもしれませんが、逆境に陥った時に、その原因や発端は自分にはない場合もあります。
例えば、スポーツであればスランプに陥った時に多くの人は自分に原因を求めます。
ですが、実際には敵チームが自分のチームを分析したりしたことで、こちらがスランプに陥ったかのように感じている場合もあります。
自分の責任はどこまでなのかを明確に知る必要があります。
原因を明確にして、具体的に自分が行動するべき部分はどこまでなのかをはっきりさせる必要があります。
そして、その問題の結果何が起きるのかということも明確にする必要があります。
この結果の部分を拡大解釈してしまう人が多いです。
例えば、パソコンが突然壊れた時に、必要なデータがなくなってパニックになって悲観してしまう人もいますが、パソコンが壊れても、もしかすると必要なデータを取り出すことができるかもしれないし、どこかにバックアップがあるかもしれないと考える人もいます。
3. 影響の範囲(Reach)
目の前の問題や逆境が自分の人生にどれだけの影響を与えるかということを見極める力を示す指標です。
例えば、仕事で大きなミスをしてしまい会社をクビになってしまうかもしれないという状況だとして、その会社をクビになるということが、自分の人生にどれだけの影響を与えるのかということを冷静に判断することができるかどうかです。
会社をクビになって命を絶つ判断をする人もいれば、死ぬ気になれば何でもできると考える人もいます。
変えることができない事実と、自分の思い込みを区別することができる力とも言えます。
4. 持続時間(Endurance)
人間には持続性バイアスというものがあり、自分の内側にある感情や目の前の状況がずっと続いてしまうと思い込みます。
調子がいい時にはその状況がずっと続くと思いたいし、悲しみも苦しみも一生続くと思い込みます。
ですが、どんな状況もずっと続くことはありませんし、どんな強い感情であってもずっと続くことはありません。
トラウマ:無意識の不幸な現状に戻りたい欲求
トラウマやネガティブな体験に悩まされて、結果的に、自分の不幸な現状に戻りたいという欲求につながってしまう人がいます。
トラウマや根深い不安を抱えている人は状況が変わることを恐れます。
今という現状がどんなにつらかったとしても、そこから動こうとしなくなってしまいます。
トラウマや幼少期のネガティブな体験で悩んでいる人は、「これ以上悪くならないように」と考え変化することを避けようとします。
これは学習性無力感と言われるものですが、無意識のうちに不幸な現状に戻りたいという欲求が生まれてしまいます。
これも認知行動療法で改善することができます。
重要なのは認知の歪みを治していくことです。
自分は悪くない
自分は恵まれていない
どうせ何も変わらない
何をやってもダメ
自分は悪くないから、自分は恵まれていないから、そう言って何もしなければ結果損するのは自分です。
皆さんが苦しい状況に陥った時に、綺麗事を言ってくる人もいると思いますが、それを鵜呑みにしないようにしてください。
ほとんどの綺麗事を言う人たちは、確かに、自分たちが犠牲を払わないことに関しては助けてくれるかもしれません。
ですが、自分たちが犠牲を払わなくてはならないことに関しては、その助けを待っていても無駄に終わることの方が多いです。
まずは、自分ができることから手をつけるということが大事です。
自分で自分の逆境や苦しみを乗り越えることができると思えない人は行動できなくなります。
自分が行動することで状況を変えることができると思える感覚を学ばなければ、逆境を乗り越えることも、チャンスを目の前にしてそこに手を伸ばすこともできなくなります。
人は全てのことをコントロールできるわけではありませんが、全てをコントロールできないわけでもありません。
自分の行動で人生を変えることを学ばなければ、どうせ頑張ってもうまくいかないに違いないと考えてしまいます。
これは全く意味のない断定です。
「自分は昔から〇〇だからダメで・・・」と考えてしまうような人は、学習性無力感というものについて勉強してみるのもいいと思います。
この本を読んでいただけると、それによってそんな自分自身の思考に光が差すと思います。
逆境を乗り越えられない考え方とは?
逆境を固定的かつ内在的で、さらに一般化して考えてしまう人は、学習性無力感を感じやすく、実際に逆境を乗り越えることが困難になります。
逆境を固定的なものと考えると、それは運命であり受け入れるしかないと思わせてしまいます。
逆境を内在的なものと考えると、全ての問題やトラブルの原因は自分の内側にあると思わせてしまいます。
さらに、一般化すると、ひとつの逆境が全てに影響すると思い込んでしまいます。
仕事がうまくいかないと、恋愛も趣味も全てうまくいかないと思い込むわけです。
ですから、逆境や困難な状況に陥ったらこの3つについて自問自答してみてください。
自分は逆境を変えられないものとして受け入れていないだろうか?
過度に自分に全ての責任があると思いすぎていないだろうか?
限定的な逆境を広く取りすぎていないだろうか?
例えば、テストで悪い成績を取った時に「自分はバカなんだ」と考えてしまう人も多いです。
同じように悪い成績を取ったとしても「今回はテスト勉強が足りなかった」と考えて、自分の行動に対する具体的な対策を考えることができる人もいます。
ビジネスであれば、成功できていないのは挑戦していないからです。
ですが、それを学歴のせいにしたり、生まれた環境のせいにしたり、できない理由を探しているのも逆境を固定的に考えているからです。
確かに、世の中は平等ではないかもしれません。
教育格差もありますし経済格差もあります。
様々な格差や社会的な問題が存在しているのは事実ですが、それは本当に乗り越えることができないほどの差なのでしょうか?
自分の人生を自分でコントロールできると信じている人は、それと同じぐらい、自分の人生を自分の力でコントロールしなくてはならないと思っています。
だからこそ、ネガティブな部分ではなく今の自分にあるものに目を向けて、それを使って前に進む方法を考えることができます。
楽観主義とパフォーマンス
悲観主義の人は逆境を永続的なものだと考え、さらに全面的なものだと考えます。
ひとつがダメなら全てがダメだと考える思考です。
そして、個人的なものと考えるので全てが自分のせいだと思い込みます。
自分が頑張ったぶんだけ収入が増える完全成功報酬の保険外交員について調べた研究があります。
逆境に対してより楽観的な考え方を持っている人の方が、契約件数が圧倒的に多くなり、悲観的な人に比べて1.88倍も契約件数が多くなっていたそうです。
しかも悲観的な人ほど退職率が高くなっています。
考え方が大きく違い、それだけで手にする結果は2倍近くも変わってくるわけです。
ですから、重要な3つのポイントとして次のことを忘れないでください。
①逆境はずっとは続かない
②ひとつの逆境で自分の全てが否定されたわけではない
③逆境の責任が全て自分にあるわけではない
いざ苦しい状況に陥った時には必ずこれを思い出してください。
ここから先は、逆境や苦しい状況を力に変えて前に進むための方法について解説していきます。
今苦しい状況にある人も、今は順調だけれど、いつか直面するかもしれない逆境に備えておきたいという人も参考にして頂ける内容です。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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