あなたは、どのような情報を信じやすいですか?
今回は、日本の政治家についての質問をもとに、経済の流れを読むためのメディアプロパガンダについて解説させてもらいます。
「Q. 日本の政治家がバカな理由は何でしょうか?」
日本の政治家がバカなのかどうかはわかりませんが、普通に選挙というシステムに問題があると思います。
暇で時間がある人以外は投票しづらいシステムになっています。ネットでの投票も未だにできませんし、それもあって結局年配の人中心になっています。
おそらくはおしなべて全員がバカというのではなく、考え方が古いだけだと思います。
例えば、同性愛者は気持ち悪いなどと愚かなことを言う議員がいたりしますが、それは彼らがバカだとか悪意があるということではなく、ただ単に古いというだけだと思います。
彼らの時代はそうだったのだと思います。
古い時代の人たちが古い考えの人に投票しているだけだと思います。
バカというわけではなく、シンプルに「わからない」というだけだと思います。
例えば、僕と同じ年ぐらいの30代の人に、Web 3.0についてや TikTok について説明して欲しいとお願いすると、まだギリギリ理解している人がいるぐらいで、わからない人も多いでしょうし、もっと上の世代になるとほとんどの人がわからないと思います。
今10代や20代で若い人たちも、これから先のメタバースの時代になると、同じようにわからない人も増えてくると思います。
今10代や20代の人も、自分が40代とか50代になった頃には、その時の20代の気持ちはわからないと思います。
わからないことをわからないと言える状況であれば良かったのだと思います。
例えば、年配の人たちも、ドローンや SNS はよくわからないから 、わからないことは若い人たちに任せようと言えればよかったのだと思います。
おそらくは、わからないことを「わからない」と言えなかった人たちが問題なのだろうと思います。
以上がDaiGo師匠からの回答でした。
メディアの報道から群衆心理を読む
世の中というものがどのように動いていくのかというと、多くの人がどのような選択をするのかということによって経済も動いていくものです。
これがまさに群集心理というものです。
大勢の人たちのなんとなく進む方向が、経済や未来の動きを決めていくわけです。
例えば、みんなが株を買い始めたら値段が上がり、売り始めたら値段が下がります。これも群衆心理です。
この群衆心理を理解するためには、メディアを見ればいいです。
群集心理を理解したり、群衆がどのように動きやすいのかということを読む方法として、群衆心理学以外にあるのかということを考えてみると、実は、メディアのプロパガンダを読むことでそれができます。
政治に限らず世の中の様々な出来事は誰かが発信しています。その発信は、何かしらの意図や狙いがありそれを行っていますので、その意図や狙いを理解することができれば、ほとんどの人がそちらの方向に行くということを読むことができます。
メディアや国が使うプロパガンダを理解することができると、皆さんはその逆張りをしやすくなるということです。
メディアや国の情報発信からその意図や狙いをつかみます。そこから世の中の多くの人が進む方向を推定し、その逆張りをすることで、多くの群衆よりも先を行くことができます。
メディアや国、社会的経済的立場の高い人たちが使っているプロパガンダを理解すれば、僕たちは彼らに流されることなく優位な立場を確保することができます。
まず、戦略と戦術は分けて考えてください。
戦略は目的を達成するために作るロードマップであり、戦術は戦略に基づいて使われるテクニックや仕掛けです。
簡単に言うと戦略が目的で戦術は手段です。
戦術は他の人を参考にしても構いませんが、戦略は真似をすると痛い目を見ます。
あくまで戦略的な勝利を求めるようにしてください。
今回はメディアや国が使っているプロパガンダから戦術を理解して、そこから戦略と真の目的が何なのかということを推定し、その狙い通りに多くの人たちが動いたとしたらどうなるのかということを考えられるようになる方法についてです。
ほとんどの人を間違った方向に誘導させていく戦略を理解することができれば、戦術から戦略を逆読みして、限られた人だけの勝利を得ることができます。
1. Omission:省略
オミッションとは、「省く」という意味です。
これは全ての真実をあえて伝えないというテクニックです。
人間というものは、全ての事実や不都合な事実を伝えなくても、それを聞いている側の人間は気づかないものです。
そして、聞かされた側の人間は、自分が聞いたことが全てだと思いやすいので、特定の部分が省かれていても気づくことなく、それですべての真実を得たと考えてしまいます。それが人間の心理です。
ニュースを見たり公開されている情報を見た際に、必ずこう考えるようにしてみてください。
「この情報には何が省かれているのだろうか」
情報を省く際には2つのタイプがあります。
1つは重要ではない情報を省くタイプです。もう1つは、重要な情報をわざわざ省くタイプです。気をつけなくてはいけないのは2つ目のタイプです。
わざと重要な部分を省いて、特定の方向に誘導しようとしているタイプです。
これがオミッションというテクニックです。
例えば、コロナの感染が広まってから、乗客が減ったから交通業界がやばい、イベントが減ったので音楽業界やイベント業界がやばい、お客さんが来ないから飲食業界がやばい、実害が出て苦しい状況になっている業界の話がひたすら続いていました。
ニュースだから当たり前ではあります。
ですが、これもオミッションを考えて、何が省かれているかと考えて動いた人たちもいます。
実害がないのに、風評被害だけで下がっている業界が絶対にあるはずです。
経済的には下がっていないのに、風評被害だけで下がっている業界は、株で考えれば買った方がいいわけです。
つまり、ニュースや情報を見て、それが単なる事実だと考え鵜呑みにするのが大衆です。
それは単なる情報だと考えた上で、その情報によって多くの人がどの方向に進むのかまで考えて、そこで省かれている情報を検討します。
そこで逆向きのポジションの可能性が見えてきたら、そこに限られた人の勝利が隠れている可能性が高いわけです。
2. Contextualization:文脈化
無関係な情報を並列で並ばせることで、そこに関係があるかのような印象を持たせる方法です。
これは様々な場面で使われている手法で、怪しいサプリや発毛剤の広告など見てみると、実際には発毛の効果と何の関係もない論文やデータが参照されていたりします。
実際には関係のない情報やデータを交互に挟むことによって、相手の受け取る印象を良くも悪くもコントロールすることができます。
車のモーターショーや雑誌を見てみると、スタイルのいい水着の女性が大抵いますが、車と水着の女性は何の関係もありません。ですが、これだけ一緒に扱われると、男性は何の関係もないのに車に性的興奮と何かしら関係があるかのような衝動に駆られてしまいます。
例えば、相手が嫌な気分になったとか腹が立ったというような話をしていたとします。
相手がネガティブな話をしていたら、ネガティブな情報とネガティブな情報の間に、特定の人の話を意図的に挟むように誘導すると、相手からその人に向けた印象をコントロールすることもできたりします。
営業が自分の商品やサービスを売り込むのであれば、相手の趣味や気分が良くなる話をひたすら聞きます。
気分よく楽しい話をしている中で、徐々に自分のしたい話を挟んでいくのも同じです。
無関係な情報であっても、相手の気分や感情に合わせて情報を挟むことで、そこに感情的な何かしらの関係があるかのような錯覚を覚えさせることができるわけです。
もし間に何かしら別の情報を挟まれたと感じたら、それが何かしら意図的なものでないかと考え気をつけた方がいいです。
3. In/Out Manipulation:内集団・外集団操作
これは自分たちの内集団ひいき性を高める手法です。
人は自分の仲間と思える人をひいきにして、その外側にいる人たちに対しては敵視する傾向があります。
これは、全てどこに線を引くかというだけで、それを意図的に作り出すテクニックです。
これも結構世の中で目にします。
例えば、「1986年生まれの人」とひとくくりにすると、1986年生まれの人とそれ以外の人たちと線を引くことができます。
「30代の人」とひとくくりにすると、その内集団が大きくなり、30代の人とそれ以外の人たちとなります。
さらに、「30代よりも若い人 」とひとくくりにすると、30代よりも若い人たち全て含めての内集団になり、40代以上の人と区別するようになります。
どこで線を引いて誰を仲間にして、誰を仮想敵にするのか区別して仲間意識を煽ることにより、特定の相手の印象を下げて、自分の影響力を高めることができます。
自分たちに似ている人と似ていない人を区別する手法です。
例えば、日本人と韓国人と区別を強調すると人種差別が生まれますし、アジア人とヨーロッパ人と大きく区別することで、敵視する対象が生まれたり仲間意識が生まれたりします。
これは全てどこで線を引くかだけの話です。
それなのに線を引かれると、その内側にいる人には仲間意識が生まれます。
外側にいる人に対しては厳しく当たるようになります。
これを理解しておくと、誰を仲間にしようとしているのか、誰を仮想敵にしようとしているのかが見えてきます。
例えば、メディアを見ると、「10代の人たち」「若者」「Z世代」「ファッションリーダー」「◯◯女子」などという言葉を使って仲間意識を誘導しています。
コロナで騒がれ始めた頃は、「若いやつは自粛しなくてけしからん」「お年寄りは重症化しやすいのに」と騒いでいる人が多かったのも、自分の都合のいいところで区切ることによって議論を生み出しているだけです。
ビジネスであれば、どこで線を引けば自分のユーザーの内集団としての意識がより強固になるのか考えてみてください。
逆にニュースや情報に対しては、どんな意図をもってそこに線を引いているのか考えてください。
うまく使えば自分の仲間や賛同者を集めることができます。
4. Cynicism:懐疑主義
人間には、他人は自己中心的なモチベーションで行動していると考えて、自分は利他的でみんなのために行動していると考えるバイアスがあります。
このバイアスを利用して、他人の行動に対する懐疑心を無理やり引き出すテクニックです。
例えば、人は皆他人が自己中心的な人だと思っているので、「あなたは常に皆のためを考えていますが 、それなのにあの人はどうですか?」と煽ります。
人間の強力なバイアスを利用して相手の中に他人に対する懐疑心を作ります。
占い師が使っているのもこのテクニックです。
「あなたは周りのことをかなり見ていて、みんながどうすれば楽しくなるか考えるタイプですよね」というようなことを言うとしたら、それは結局「あなたは利他的ですね」と言っているわけです。
自分は利他的だとみんな思っていて、自分の自己中心的な思いを認めることができる人はそうはいませんから、こう言えば大抵当たります。
その上で、「これは職場での状況でしょうか?なぜかあなたはイライラしています。あなたは良かれと思ってした行動なのに、自己中心的な他人がそれを潰していて、あなたから悲しみや怒りを感じます。」と言えば、人は皆他人は自己中心的だと思っているので当たります。
直接的に誰かを否定すると相手は疑問を持つでしょうが、相手は利他的に行動しているのに、自己中心的に行動している他人がいると言われると納得するわけです。
そこから不満や本音を引き出すことができるようになります。
F.U.D(Fear:恐怖/Uncertainty:不確定性/Doubt:疑惑)
よりCynicismの効果を高めたいのであれば、恐怖にアピールし、不確定な分からないことをアピールし、そして、疑惑にアピールすることです。
これをよく使っている業界がメディアです。
コロナであれば恐怖感を煽りました。当初、症状や回復状況について不確定な部分に注目させ、国や様々な体制に対する疑惑を作り出しました。
人は誰でも他人に対する疑惑を持っているので、恐怖と不確定性を示して疑惑を煽られると簡単に信じ込んでしまいます。
これを使われたら、ほとんどの人が行く方向が決まります。
それを理解し逆張りをするために利用してください。
世の中と大衆を読むためのおすすめ
結局ビジネスをする上でも出来るだけ多くの人を狙った方向に動かすということができないと、消費者の心も掴むことができません。
そのためにもこのプロパガンダの技術の使い方を知っておくことが重要になります。
こちらは、そんなテクニックを紹介してくれている1冊です。
こちらは、群衆が実際に動かしてきた歴史をもとに、人がいかに客観的な自己分析や科学的な見地に基づくことなく流されてきたのかということが学べる名著です。
ここから先は、残り5つのテクニックを紹介させてもらいます。
メディアの動きから大衆や経済の動きを読むために、ぜひチェックしてみてください。
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