あなたのこれはやらかしたなぁと思うネタはどんなことですか?
今回は、同僚の退職を踏みとどまらせる方法についての相談をもとに、相手の意見や判断を変えるための会話術について紹介させてもらいます。
奥さんや旦那さんの考えを変えたい、親や家族の考えを変えたい、身近な人の考えや態度を変えたいという相談もよくあります。
相手の考えや態度を変えさせるための会話術についてです。
「Q. 人間関係を理由に辞めようとしている同僚の退職を上司に止めるように言われて悩んでいます。どうすればいいでしょうか?」
無理だと思います。
人間関係を理由に退職しようとするということは、結局、自分のことを理解してくれる人がいないから辞めるわけですから、自分が理解者になってあげるくらいしか方法はないと思います。
ということは、上司からの指示で退職を止めようとしているということがバレた瞬間に、その人から見たら敵になってしまいます。
会社を辞めようとしている人を止めるのは難しいものです。
上司の方もおそらくしていると思いますが、そのような説得をする時に、ほとんどの人は理由を尋ねます。
Whyで質問をすると、人は今自分が考えていることを正当化する理由を探そうとするものです。なぜ辞めるのかと尋ねると辞める理由を色々と考えると思います。
そのようにして相手に辞める理由をいろいろと考えさせてしまうと、それにより人間は自分の考えに固執するようになってしまいます。
では、どのような質問をすればいいのかと言うと、Whatの質問です。
辞める目的を尋ねてください。
例えば、もっと良い人間関係の会社に行きたいとか、もっと会社の中での裁量権が欲しいなど、目的が色々とあるはずです。
理由ではなく目的を尋ねて、会社を辞めて何をしたいのかということを質問して、その目的が会社にいてもできるのではないかということに相手に気づかせると、意見を変える可能性も出てくる場合もあります。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
ゴールデンブリッジ戦略
ハーバード・ネゴシエーション・プロジェクトというものがあり、交渉術について研究してくれています。
交渉や説得、営業などを成功させる必須条件として「ゴールデンブリッジ」を作り出せるとされています。
それによって相手との関係が極めて良くなり、抵抗している相手に対しても信頼関係を作って意見を変えることもできます。
まさに、自分と相手の間に黄金の橋渡しをするイメージです。
相手との間に強力な信頼関係ができていたら、かなり気心が知れた友達と同じぐらいに信頼感を与えることができます。
これは相手の信念に介入するテクニックになりますので、かなりのレベルのセルフコントロール能力が必要になります。
自分をちゃんとコントロールして、相手との間に黄金の橋渡しをするところまで頑張らなくてはなりません。
基本的には、会話をしている最中にその相手に対して「社会的な恥をかかせない」ということがポイントになります。
いかに相手の面目を保ち、恥をかかせることなく会話を進めるかということが基本になります。
難しい相手との会話でいかに信頼関係を勝ち取るかということは、相手に恥をかかせることなく、「この人は自分の面目を保ってくれる人だ」と思わせることが必須条件になります。
これができれば、相手が無駄なプレッシャーを感じたりすることがなくなります。
プレッシャーを感じることもなく気心が知れた相手であれば、皆さんも自分の残念な話や失敗談、どうでもいいバカ話なども気軽にできるものです。
自分の無知を認めることができたり、自分の信念を変えることさえもできます。
つまり、態度を変えてくれない人、説得に応じてくれない人は、説得に応じるのが嫌というよりも、自分が間違っているということを認めてしまったら、それによって自分はダメージを受けてしまうのではないかという恐怖心を持っています。
人が自分の無知を認めることができず間違いを認めるのも苦手なのは、それによって自分が恥をかきたくないからです。
ということは、逆に考えれば、皆さんが相手を説得したり交渉する際に、「自分は絶対にあなたに恥をかかせない人間だ」ということをちゃんと伝えることができれば、相手は自分が間違っていることに気づいて、自分の考えを変えることができます。
多くの人は会話をしていると自分が間違っていることに気づきます。
それに気づいているけれど認められないだけです。
だから交渉も進まないし、誰が考えても考えを変えるべきようなことであっても、相手が納得してくれない状況が生まれてしまうわけです。
これは人の恥をかきたくないという思いがあるからです。
新しいことに挑戦するのが怖いという人も失敗した時に恥をかきたくないからです。
日本人の新しい語学を学ぶことに対する抵抗が強いのも、ちゃんと喋らないといけないと考え変な英語で恥をかきたくないからです。
そんな恥をかきたくないという感情を上手にコントロールしてあげれば、相手はこちらが求める合理的な判断をしてくれるようになります。
今回は皆さんが相手との間に黄金の架け橋をするための7つのポイントについて解説させてもらいます。
1. 自分のされたいことをせよ
相手に恥をかかせないように会話をしようとすると、丁寧に伝えようとしたり、礼儀正しく会話をすることが重要だと考える人も多いと思います。
社会的なルールやマナーを守ろうとする人も多いでしょうが、それでは相手の恥をかきたくないという感情を払拭することはできません。
むしろ、礼儀やマナーをガチガチに気にしていると、相手も余計に緊張したりプレッシャーを感じてしまいます。
失敗や間違いを認めざるを得なくなった時に、それが自分だったとしたら皆さんはどのように相手にしてもらいたいと考えますか?
想像してください。
自分が相手と同じ状況になった時に、どんな言動をしてもらいたいのかということを考えてください。
自分が追い詰められて謝らなくてはならなくなった時、自分の間違いを指摘されて間違いを認めざるを得なくなった時、皆さんはどのように声をかけてもらいたいですか?
これだけでも相手に伝えるべきことが想像できます。
自分でも間違ったり言い過ぎたことは理解しています。
それでも一度感情的になった手前素直に謝ることができないわけです。
そんな皆さんを否定したり反発している人ばかりの中で、皆さんの気持ちに寄り添って理解を示してくれた人がいて、その人がそっと声をかけてくれたとしたら、素直に自分の考えていたことを話したりすることもできると思います。
ちなみに、上級者になると、あえて相手を追い込む状況に持っていってプレッシャーをかけた上で、最後に助け舟を出して間違いを認めさせるという方法もありますが、これはかなりレベルが高いのでやめておいた方がいいと思います。
皆さんがもし相手を追い詰めてしまった場合も同じように考えてください。
もし自分が追い詰められた状況であれば、どんな声をかけてもらいたいだろうかと想像して、その言葉を相手にかけてあげてください。
間違っている人に、それは間違いだと反論したり自分の意見をぶつけても相手は変わりません。
ですが、本音で優しく理解を示してくれた上で、「でもね…」と正論を話してくれる人は、相手を反省させた上で行動を変えさせることができます。
頭ごなしに自分の意見をぶつけてくる人は、余計に相手の態度を固くしてしまうだけです。
自分が苦しい時に救われた名言を覚えておくこともおすすめです。
相手が苦しい時には、自分の経験やその名言について触れながらやさしく解きほぐすことも効果的です。
「意固地な者とは他人に受け入れられなかった弱者であり、また他人の評判などを気にしない強者のみが、凡人には弱さと見られるようなあの優しさを持つことができる。」
/マルセル・プルースト
2. 外交的手榴弾の禁止
人は相手が間違っていることが確定したと思った瞬間に、その相手に罰やペナルティを課すべきだと考えます。
それを外交的手榴弾と言います。
「ほら、やっぱり!」
「だから言っただろ!」
「やっぱり自分の言った通りになった!」
「そんなこともわからなかったの?」
「そんなことも想像できなかったの?」
このような発言をして相手を追い詰めた経験はありませんか?
これが自分の上司であれば、追い詰められたらその場では謝るかもしれませんが、心の中では絶対にやり返してやろうと考えています。
相手の意見を変えたいと思っているのに、相手の間違いを認めさせるような言葉を投げつけてしまうと、相手は結局抵抗しかしなくなります。
重要なのは相手が自分の間違いに気づいて考えを変えてもらうことです。
相手の意見を変えたいと思うのであれば、間違いには自分で気づいてもらうしかありません。
より詳細な内容を聞くための質問を投げかけたりしながら、矛盾や間違いに自分で気づいてもらうようにするしかありません。
他人の意見を変えるのが上手な人は、論破ではなく質問が上手な人です。
つまり、相手の代わりにクリティカルシンキングをしてあげます。
いろんな角度から相手に質問を投げかけてあげて、その質問に答えながら自分で気づくようにしてあげてください。
そして、相手が間違いに気づきはじめたと感じたら、未来志向の会話で話題を変えてください。
例えば、「これからどうすれば良くなるか一緒に考えよう」と話題を変えていくのが良い方法です。
相手の意見を変えるのであれば、相手を責めることはNGです。
相手が意見を変えても、相手を責める必要はありません。
「相手を黙らせたからといって、相手の意見を変えさせたわけではない。」
/バーナード・ショー
3. 雰囲気の描写
相手とのやり取りが険悪になったり意見が衝突して平行線になることもあると思います。
お互いに譲ることができない状況で雰囲気が悪くなることもあると思います。
会話が白熱しすぎてしまった時には、「会話がヒートアップして雰囲気が悪くなりましたね」と、その場の雰囲気を描写するようにしてください。
その場の雰囲気を描写するだけで、会話のヴィパッサナー瞑想のような効果があります。
人は感情に飲まれてしまう生き物です。
感情に飲まれて自分たちが話していることに夢中になってしまいます。
それによって雰囲気が悪くなってしまったことにもほとんどの人は気づくことができません。
そこで雰囲気が悪くなったことを描写すると、相手もそれに気づくことができて、本当に大事な話題や本題について話そうとすることができます。
雰囲気が悪くなったら、その雰囲気をそのまま描写するということを覚えておいてください。
特にこの方法は、皆さんが第三者で他の人同士が白熱しすぎた状況で役に立ちます。
どちらの側にも応援になるような言葉をかけることができない状況の中では、その場の雰囲気を描写してください。
どちらに対しても「落ち着いて話してください」などと言う必要はなく、その場の雰囲気を描写するだけです。
特に目上の人に落ち着いてくださいと言ったところで、余計にヒートアップするだけですから、ただ雰囲気を描写するだけにしてください。
これも指摘するのではなく相手に自然と気づかせるだけです。
「議論から最大の利益を得る 唯一の方法は、 議論を避けることである。」
/デールカーネギー
4. 明示的同意
これは普通の会話でも大切にしてもらいたいポイントですが、相手の意見に同意しているということを明示してください。
例えば、相手が「みんなが脱税なんてせずに公平に税金を納めることを望んでいる」と言っていたとしたら、実際には公平というのがどう定義されるかによっても変わってくるとしても、自分にとっての定義や自分の意見は別として、普通に考えて同意できる内容ですから、「私もそう思います、私と同意見ですね」と逐一言葉にして伝えてください。
お互いが同じ意見を持っている、お互いには共通点がある、そう感じられることを都度言葉にしてはっきりと伝えてください。
最近「私もそう思います」「私も同じ意見です」などと、はっきり言ったことを思い出しますか?
人は相手と自分が同じ意見だということをわざわざ言わないのに、「私は違うと思う」「私はあなたとは違う」ということははっきりと言ってしまいます。
明示的同意はしないのに反論ばかりしている人が多いです。
今日からは、同意は明示して、反論は暗示してください。
反論や疑問が思い浮かんだら、詳細を尋ねる質問を投げかけて、暗に自分から気づくようにしてあげるだけです。
相手との同意や共通点ははっきりと明示してください。
過去に見つけた共通点を再度明示するというのも使えるテクニックです。
そして、共通点について相手に質問するというのも使えます。
例えば、以前に動物が好きという話で盛り上がっていたとしたら、「そういえば…」と思い出したかのように、共通点に触れる話を振ります。
「垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている。」
/アリストテレス
説得のためのおすすめ
『影響力の武器』シリーズの共著者の方の本ですが、人に影響を与え心を動かす情報発信者の共通点について教えてくれる本です。
情報発信者(メッセンジャー)の武器:なぜ、人は引き寄せられるのか
ここから先の残りのポイントと、皆さんが実際に説得や交渉だけでなく、日常の会話でゴールデンブリッジ戦略を使えるようになるための方法について知りたい方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。
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