あなたが最近後悔したことはどんなことですか?


今回は、後悔した時にどうあるべきかという質問をもとに、後悔しない選択のためのチェックリストを紹介させてもらいます。


「Q. DaiGoさんは去年色々あった後、後悔したりマインドワンダリングな状態になった時はありましたか?
また、立ち直る時に考えていたことや実践していたテクニックがあれば知りたいです。」


去年色々あってもちろん反省するところは反省しました。

とはいえ、やってしまった事はどうしようもありません。

このような出来事があった時には、人生で必ず何かしらの大きな変化があります。

短期的に見れば様々な問題が考えられたわけですが、長期的に見た時に「あの時反省する機会があって良かった」と思えるようにしたいと考えました。


例えば、10年や20年先の自分から、その時の自分を見た時に、良くなかった出来事も長い人生の中では大きな意味をもたらしてくれていたと考えられるようになるには、自分は今何をするべきか?ということを考えました。


人はしんどいことがあった場合に、目の前のことに集中しすぎると落ち込んでしまいます。

人は追い詰められると視野が狭くなり余計なことをしてしまうことがあります。

それを避けるために、10年先や20年先の自分を想像します。ある程度こうなれていたらいいなというくらいの将来の自分を想像します。

その将来の自分が今の問題に直面している自分を想像した時に、「あの時にあの出来事があって良かった」と思えるようになるためには何をしているだろうか?ということを考えます。

それをひたすら紙に書き出します。

そこまでできたら、それをひたすら試すための行動をするだけです。


以上がDaiGo師匠からの言葉でした。


賢い選択はいくらでもできると思っている人もいるでしょうが、世界トップレベルの知性であり世界最強の投資家であるウォーレン・バフェット氏であっても、年に一度ぐらい人間にとって良い選択ができたらいいのではないのかと言われています。

年に一度ぐらいは賢い投資判断ができるかもしれないけれど、基本的には人間は愚かな生き物だから、常に賢い選択は無理だということです。


ウォーレン・バフェット氏でも年に一度ぐらいしかできないと言われているわけですから、僕たちのような普通の人が賢い選択をするというのは難しいというよりもほぼ無理だとも言えます。

大切なのは、どちらかと言うと、正しくて賢い選択をしようと思い頑張るよりも、愚かな選択をしないことです。


これは投資でも同じで、多くの投資家たちは失敗しない方法を考え愚かな選択をしないためにはどうすればいいのかということを考えていますし、そちらの方がはるかに重要なポイントになってきます。


どうすれば後悔しづらい選択をできるようになるのかということについて、ニューヨーク大学が行なってくれた研究をベースに科学的に正しい選択の方法について解説していきます。


ちなみに、人生で抱える後悔のほとんどが理想に対する後悔だということがわかっています。

あの時自分が挑戦しようと考えていたのに実際には挑戦できなかったという後悔というものは取り戻せないので、いつまでも残りダメージを与えてしまいます。


僕たちはそもそも自分の理想よりも、それをやりやすいからということで義務ばかりに対処してしまう性質があります。

理想を常に先延ばししてしまい、義務ばかりにとらわれています。

そして、人生の後半においては、忘れ去られた義務は置いておいて、自分がしたいけれどできなかった理想に対する後悔に苦しめられてしまうわけです。


今自分がしようとしていることは、義務なのか?理想なのか?ということを考えて、1日の中で必ず一定の時間だけは理想に捧げる時間にしてください。その方が絶対に人生の後半で後悔しないことにつながります。


このような研究については、トーマス・ギロビッチ氏という非常に有名な方のこちらの本が参考になると思います。

TlmM8TDqPOQJXkVwmxh6QqAzxyJwSuLlKV3kECfU

その部屋のなかで最も賢い人 ―洞察力を鍛えるための社会心理学―




後悔しない選択のための10のチェックリスト


人生において後悔しない選択をするためには、確認しなければならないチェックリストがあります。

ニューヨーク大学ゲアリー・マーカス博士の研究をもとに、そのチェックリストを紹介させてもらい、チェックリストに沿って物事を判断するためには、どうすればいいのかということも解説していきます。


後から後悔することは多かれ少なかれ誰でもあると思います。

僕たちは、もっとより良い選択ができていたはずなのに、それを逃しています。


例えば、決断力が足らずにチャンスを逃してしまったり、しっかり考えて決めればもっと良い決断ができたはずなのに、周りに流されて勢いで決めてしまったりとか、バイアスによって思考が歪められていることが少なくありません。


人は基本的にバイアスに陥ってしまうものです。

そうならないための指針が今回紹介する10のチェックリストです。


1. 可能な時は常に代替案を探す

選択肢が沢山あった方が良いのは当然ですが、人はマルチタスクが苦手なので、物事をひとつずつ処理するしかできません。

同時に複数の可能性を考えるのは難しいので、場合分けできるように考える必要があります。


例えば、自分の中では答えが決まっている時も、「他にはどんな方法があるだろうか?」と考えると、後悔しない選択ができるようになります。


人は自分の決断が正しいと思える方向に物事を見てしまいます。

第一印象で頭がいい人だと思ったら、そう思えるところばかりに注目してしまいます。

自分にとって都合が良い所ばかりに注目してしまいます。


アイデアを出す時にも全く同じことが起きます。

自分の中での答えが出たら、一旦その答えは横に置いておいてください。

その上で、逆の考えや別の考えはないだろうかと考えます。


ビジネスのアイデアを考えるのであれば、自分の中でのアイデアが一旦出たら、仮に自分のライバルがそのアイデアを潰そうとしたら、どんな方法をとってくるだろうか? と考えることもできます。

自分の立場やキャラクター、条件を変えて代替案を探します。

自分とは立場が真逆の人だったらどうするだろうか?

スティーブ・ジョブズであればどう考えるだろうか?

DaiGo師匠だったらどう考えるだろうか?

自分のライバルや嫌いな人だったらどうするだろうか?

これによって様々な可能性が見えてきます。

ひとつの可能性にとらわれてしまって、それ以外の可能性から目を背けてしまうことを防ぐことができます。

様々な視点で出てきた可能性を比べて、客観的に正しい判断をしていくようにします。


これは読書でも同じです。

著者や見解が違う本を2冊から3冊読むようにすると、自分の思考の偏りを防ぐことができます。


2. 問題のリフレーミング

人間の脳はコンテキストにとても弱いです。

背景情報や環境情報によって簡単に騙されます。


ですから、「別の前提があったらどうなるだろうか?」「違う状況であればどうなるだろうか?」「そもそも何のためにそれが必要なのか?」と、問題を違う角度から考える必要があります。

リフレーミングをしないと問題の本質が見えないことが多いです。


人間の脳がコンテクストに弱いということを覚えておいてください。

ストーリーや文脈によって簡単に説得されてしまうものです。僕らが問題だと思っていることは、実は問題でもないかもしれません。重要だと思っていることが、それほど重要でもなかったりもするわけです。


3. 相関関係と因果関係を区別

物事を選択したり問題を解決しようとする時に、原因と結果について考えると思います。

その行動をすることによってどんな結果が起きるのか?

今目の前にある問題の原因は一体何なのか?

原因と結果について考える時には、相関関係と因果関係を区別しないと、より良い選択をすることはできません


例えば、「お金を持っている人は高い時計をしている」と考えている人が、「自分も高い時計をすればお金を稼げるようになるのではないか」と考えて、借金をしてまで高い時計を買ったという話を聞いたら皆さんはどう感じますか?


高い時計をしている人は、当然お金を稼げるようになったから高い時計をしているわけです。

お金を稼いだ原因の結果として高い時計をしています。

とはいえ、切り詰めた生活をしながら無理をして高い時計をしている人もいます。

ここには因果関係はありません。


投資でも同じです。

ウォーレン・バフェットのように、その企業の情報について事細かく読み解いた上で、確実な分析をもとに投資して利益を出すことができたのであればいいですが、偶然その企業の株を買って利益が出たという人もいるわけです。

宝くじと変わらない人もいるということです。


何が相関関係で何が因果関係なのかということを意識して見分けるようにしないと、いつになっても問題が解決しないということになりかねません。


物事を選択する時には、自分が何か見落としていることがあるのではないか?と常に考えるようにしてください。

自分の考えはバイアスの影響を受けているのではないかと考えて、今回のチェックリストを振り返っていただけると、より良い選択ができるようになります。


4. 母数を意識する

物事を分析する時に、そのサンプル数の数や量について意識する人は少ないです。


例えば、自分の今までの経験から考えると「Aの時は間違いなくBだ」というようなことを言う人がいます。

少ないサンプル数だけで物事を決めたり、自分の身の回りのごく身近な人の経験だけで判断すれば、当然後悔する結果になる可能性が高いです。


サンプル数が増えれば答えは変わります。

経験が増えたり母数が増えるたびに、「あれは間違った選択だった」「もっと広く物事を見ることができていれば」と後悔します。


自分の身の回りで3人ほど「◯◯が流行っている」という話を聞くと、「今世の中で◯◯が流行っている」と言い始める人がいます。


より多いサンプル数に目を向けるようにしてください。

過去の経験から物事を選択しようとした時には、その母数は具体的にどれくらいあったのか考えてみてください。

できるだけ母数が多い意見を参考にするようにしてください。

もっと広くたくさんの人の意見をもらったり、母数が多い情報を手に入れることができないか考えてみてください。


5. 衝動には勝てないことを受け入れる

人は弱い生き物ですから、自分の物事の選択も弱い方向に進んでいるだろうということを受け入れてください。

人間の衝動には勝てないことを受け入れることが、より良い選択をするためには必要です。


食べたい、飲みたい 、ダラダラしたい、怠けたい、一度衝動が起きるとそれに勝てる人はほぼいません。

衝動に強いと思っている人でも、50%ほどの確率でしか実際には勝てません。

だからこそ、周りの環境をあらかじめ整えておくしかありません。


お酒をやめようと思っているのに飲んでしまうとか、痩せなければならないと思っているのに、ついラーメンを食べてしまうとか、衝動に弱い自分を受け入れた上で、そうならないように衝動に負けることを前提に計画を立てる必要があります。


ですから、物事の選択を迫られた時に「衝動」を感じたら既にアウトです。

衝動を抑え込むのではなく、衝動を感じる状況をいかに避けるのかと考えて、物事を選択することが大事です。

もし自分の選択が「衝動に打ち勝とうとしている」のであれば危険です。

衝動が減る選択であれば、より良い選択である可能性が高いです。


ここから先の残り5つのチェックリストでは、人生を目標に対してより良いプランを作るための方法など、後悔しない選択のための大切なポイントを紹介していきます。

ぜひ続きもチェックしていただいて、10のチェックリストを踏まえて人生や大切なことの選択をできるようになってください。