あなたが最近コミュニケーションエラーを起こしたのはどんなときですか?


今回は、女性のイベントや記念日にこだわる心理が理解できないという方の相談をもとに、お互いの関係を深めるための自己開示について、コミュニケーションを妨げるバイアスと、自己開示力がお互いに高まる質問について解説させてもらいます。


Q. 恋愛で、なぜ女性がイベントや記念日にこだわるのか理解できません。

自分にとっては面倒なだけなのですが、どのように考えれば良いのでしょうか?


イベントがなにかと苦手な男性も多いと思います。このようなイベントや記念日の話になると、男性の皆さんは面倒だと感じたりする人もいるでしょうし、女性がなぜあんなにもこだわるのかがわからないという人もいると思います。

誕生日や結婚記念日、2人が出会った記念日などを男性が忘れるとなぜ怒るのかと言うと、それは結婚や長期的な関係に対するコミットメントが低いということを女性が無意識のうちに感じ取っているからです。


大切な記念日を忘れていることを怒っているのではなく、自分のことを大事にしてくれていないとか、長期的に関係を大切にする気がないということを女性は無意識に感じているからこそ、記念日を忘れた男性に対して怒っているわけです。


記念日を忘れているから怒っていると解釈してしまうと、男性は忘れることだってあると言い訳をしてしまいます。

そういうことではありません。

記念日を忘れたことを怒っているのではなく、2人の関係として長期的な関係を意識して大切にする気がないのではないかと責めているわけです。


ですから、このような大切な記念日を忘れてしまった時に、男性は忘れてしまってごめんではなく、もちろんそれ自体を謝るのは必要でしょうが、それと同時に、相手の女性とこれからも長い関係でいたいし、それぐらい大切に思っているということを伝えるようにしてください。

そうでないと女性の怒りは収まることはありません。


日付を忘れた物忘れに対する怒りではなく、2人のこれからの関係に対するコミットメントが、ないがしろにされていることに対する怒りです。

そのために女性は自分が大事にされていないと感じ取ってしまいます。


男性は女性と同じように記念日を大事にするべきですし、もしどうしても忘れた場合には、長期的な関係でいたいということをしっかりとアピールするべきです。


男性は長期的な関係でいたいのであれば、このような定期的なイベントで関係を深める必要もありますし、その際には、来年も再来年もその次もずっと一緒にいたいと長期的な展望を女性に伝えるようにしてください。

それがないと女性は不安に感じて離れていきます。


このような心理的なバックグラウンドを理解しておくことが重要です。

これを理解しておけば、女性がなぜ記念日を大切にしているのかということも理解できますし、長期的な関係としてずっとそばにいて欲しいと思うのであれば、どのように女性に声をかければいいのかということも理解できます。


お互いの価値観として記念日を全く意識しないし、一緒に過ごすことができたらそれはそれでいいぐらいに考えるのも構わないと思います。

特別な日よりも特別ではない日常の日を大切にしたいという人もいると思いますので、それはそれで大切なことだとも思います。


ただ特別な日や記念日というのは、長期的な関係を意識するので大事にした方が良いのではないかということです。

ですから、もし記念日を大事にしないのであれば、普段からお互いに長期的な関係を意識したりそれができるような関係を作ればいいわけです。


とはいえ、なかなか普段からその長期的な関係をうまく意識させたり伝えるのは難しいことですから、このような定期的なイベントや儀式をうまく活用した方がいいと思います。


定期的なイベントというものには、長期的な関係を意識させて、そこに結びつく関係を深める作用があり、それにより結婚へのコミットメントを強めてくれるということがわかっているわけですが、その一方でケンカの原因にもなりやすいので気をつけて扱った方がいいタイミングでもあります。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。



前回は初対面でも好かれる自己開示について解説させてもらいました。


科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

一問一答「あなたは、初対面の時にどんな自己紹介をしますか?」【好かれる自己開示】


自己開示のテクニックや関係を深める方法を学んでも、人はどうしても抵抗を感じます。

人間には必ず認知の歪みがあります。

今回はそんな認知の歪みを改善するための方法を解説させてもらいます。




10種類の認知の歪み


1. マインド・リーディング

他人が自分のことを否定的に考えていると思い込むバイアスです。


メンタリストでも相手の心を読むのはそんなに簡単にはできません。

実際の1対1のコミュニケーションで、相手の心を読めるようなことはありません。


もし相手の心を読めるような気がした時には、それは自分のバイアスに捕らわれているに過ぎません。

「嫌われたかも」という感情も認知の歪みに囚われているだけです。


相手の自分に対する評価を考える時に、人はとても否定的に考えるバイアスがあります

これは、生物として考えた時に、人はまずは相手のことを疑ってかかった方が生存に有利だったので、本能として備わっているものです。


ですが、現代の成熟した社会では、「相手は自分のことを信用してくれている」と考えて接した方が得することの方が多いです。

相手が詐欺師やよほどの危険な人以外であれば、基本的には相手の自分への感情を好意的に考えた方が得をします。


これは現代では役に立たなくなっている認知の歪みです。

自分が思っているよりも、相手は皆さんのことを嫌ったりしていません。


2. カタストロフィー化

証拠もなしに、自分の失敗や悪いところを必要以上に大きく考えたり、 自分の成功や良いところを極端に小さく考えたりするバイアスもあります。


自分のたったひとつの欠点で、その欠点があるから自分は誰からも好かれないと思い込みます。

証拠もないのに、「自分はダメな人間だ」と思い込みます。

証拠もないのに自分の失敗や欠点を大きく捉えすぎてしまいます。


しかも、「失敗したら自分は無能だ」と考えるのに、 他人が失敗をして落ち込んでいたら「大したことじゃないよ」と寛容になる傾向もあります。

人が同じ状況にいたら優しい言葉をかけることができるのに、自分の時には自分を責めてしまいます。

他の人にかける優しい言葉を自分にもかけるようにしてください。


3. オール・オア・ナッシング思考

物事を0か100かで判断してしまうバイアスです。

物事をうまくいくかいかないかで判断する必要がある時もあるかもしれませんが、ほとんどの物事は0か100かでは決まりません。


ビジネスでも人間でも同じです。

0か100かで決まるビジネスはありませんし、皆さんにとって心の底からどうしようもないと思っている相手でも、何かしら少しは良いところがあります。


全てがオール・オア・ナッシングだと考えると人生は生きづらくなります

メディアもネット上でも、誰かが少し失敗したり間違いを犯すと、その人全てを否定するかのように叩きます。

これは日本全体でオール・オア・ナッシング思考を煽っている状態です。


オール・オア・ナッシング思考は、自分に対しても他人に対しても気をつけてください。

何かをするのに唯一絶対の答えはありません。


例えば、皆さんにとって憧れの生活をしている、あの人のような人生を歩みたかったという理想の人もいると思います。

それもオール・オア・ナッシング思考です。

Instagram でも良いところだけを見せている可能性が非常に高いです。


その人にもその人自身の悩みがあります。

皆さんにも悩みはありますし、その人の差に優劣をつける必要はありません。

もちろん、お金など数字で測ることができる指標もありますが、それがその人自身にどんな影響を与えるのかということは人によって違います。


自分に対しても他人に対しても、​​オール・オア・ナッシング思考は人生が惨めになる行為です。

くれぐれも忘れないでください。


4. 感情的思い込み

客観的証拠ではなく、感情的な反応で正しいと決めつけるバイアスです。

自分の感情や周りの人間からぶつけられた感情で物事を決めてしまいます。


例えば、親の反対にあった経験によって挑戦をやめてしまうのもこれです。

親から客観的な証拠を提示されたのであれば考える必要はありますが、親に感情的に反対されただけであれば、それは単なるバイアスにすぎません。


相手の思い込みで感情をぶつけられて、それが正しいと思い込むようなことはやめてください。

物事を決断しようとしている時には、その決断が客観的な証拠によるものなのか? それとも、単なる感情的な反応によるものなのか? それだけは必ず考えるようにしてください。


5. ラベリング

「自分はダメなやつだ」など、うまくいかなかった出来事の後に、自分自身に対して否定的なラベルを貼るバイアスです。


例えば、相手に皆さんが自分のことを自己開示したとして、相手がドン引きしたとします。

そんな時に、「やっぱり自分は自分自身の話なんかしない方がいい人間なんだ」と勝手なラベルを自分に貼ります。

勝手に自分を分類しているだけのただのバイアスです。


受け取る相手や状況によって否定も肯定も変わります。

例えば、全裸の村に行ったDaiGo師匠の話を聞いたら、面白いと盛り上がる人もいれば、さすがに自分は無理と感じる人もいるでしょう。

その一点だけで否定されたからといって、さすがに全否定されることはありません。

他人の個人の好みをいちいち否定していたらキリはありません。


皆さん自身の自己開示のひとつの失敗でも同じです。

たったそれだけのことで自分を否定する必要はありません。


もし自分がラベルを貼ったことに気づいたら、頭の中でそのラベルを剥がしてゴミ箱に捨てるところを想像してください


6. メンタル・フィルタリング

否定的な情報に焦点を当て、肯定的な情報を無視するバイアスです。


物事をありのままに見ると、良いところも悪いところも必ずあります。

自己開示では、相手のポジティブな反応を全て無視してしまい、ネガティブな反応ばかりを記憶に残してしまいます。


人間は常に情報を自分に都合よくフィルタリングしています。

このことを知っていても、必ず陥ってしまうバイアスです。

自分の感情や事実を紙に書き出したり、トレーニングなどをしない限りは必ずバイアスにはまります。


人間関係においては、特にネガティブなフィルタリングに惑わされることが多いです。

これも忘れないでください。


7. 過度な一般化

一度や二度起こっただけの悪い出来事を、 常に起きることだと思いこむ思考パターンです。

自分の自己開示やコミュニケーションを振り返った時に、いつも、全て、絶対、確実に、必ずなどの言葉をよく使用します。


自分の行動や思考を振り返る時には、これらの強調したワードは排除するようにしてください。


例えば、過去のひどい失恋によってトラウマを抱えてしまった人は必ずこう言います。

「自分はいつも好きな人を前にすると声がかけられなくて、自分はどうせダメだという思考が絶対に生まれるんです。」


実際には、「いつも」ではありません。

特定の相手や状況では楽しい気分になっている時もあります。

それなのに、後から自分のことを振り返ると、このバイアスに惑わされてしまい、たった一度の出来事が常に自分につきまとっているかのように思い込みます。


一度の出来事が自分の人生すべてに影響を与えることなんてそうはありません。

これも自己開示やコミュニケーションの邪魔をしてしまうバイアスです。


ここから先は残りの三つと関係を一気に深めるための質問について解説していきます。

ぜひ続きもチェックしてみてください。