あなたは、どんなときに生きづらさを感じますか?


今回は、HSP で恋愛がうまくいかないという方の相談をもとに、HSP とエンパスの科学について解説していきます。

5人に1人はエンパスと言われますので、何かと生きづらい世の中を幸せに生きていくために大切な内容かと思います。


Q. HSP です。彼氏にとっては小さなことでも、私にとってはイライラが積み重なり恋愛がうまくいきません。今後のために何ができるでしょうか?


HSP の人は、やはり、理解してもらうのは難しいですし、理解するのも難しいです。

HSP 同士で付き合うのもいいでしょうし、自分の HSP 傾向を改善できるところから改善してみるのもいいと思います。


HSP の人の恋愛についてはこちらの本が役に立つと思います。

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ひといちばい敏感なあなたが人を愛するとき―HSP気質と恋愛―


例えば、恋愛初期の時に、自分のことを理解して欲しいからこの本を一緒に読んでほしいとお願いしてみてはいかがでしょうか。

好きであれば、その相手も理解したいと思い一緒に読んでくれると思います。

そうすれば、すれ違うことなくうまくいく関係になるのではないかと思います。


ただ、恋愛で相手が自分のことをわかってくれないという相談をよくいただきますが、わかってもらいたいことがあるのであれば明確にそれを伝える必要があります。

ちゃんと伝えてもいないのに、相手がわかってくれないと愚痴を言っている人が少なくありません。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。





エンパスの科学



エンパスは、人並みはずれて共感力が高く、生まれながらにして人の感情に敏感な気質の人のことです。

エンパスの大きな特徴は、HSP を超える情動吸収と気疲れです。


まだまだ研究の段階で、HSP の中のある気質が強い傾向がある人がエンパスなのか、それとも、エンパスと HSP は区別するべきなのか、これについては議論されている段階です。


近年、HSPと関わる概念として「エンパス」が提唱されています。精神科医のジュディス・オルロフ氏が広めた考え方で、HSPの高敏感性がさらに発展した状態で、

情動吸収「他人のストレスを取り込んでしまう」

気疲れ「人と自分の不快感を区別できなくなる」


この2つの特徴を持つとされています。


まだ研究段階なので、明確に言い切れない部分も多いですが、提唱者のジュディス・オルロフ氏の著書は参考になると思います。


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LAの人気精神科医が教える共感力が高すぎて疲れてしまうがなくなる本


エンパスはサイコパスの反対の意味を持つとしても使われる言葉ではありますが、5人に1人ぐらいはエンパスだというデータもあるくらいです。


自分と他人の感情を区別する

エンパス、あるいは、その傾向がある人にまずしていただきたいのは、自分と他人の感情を区別するということです。

自分の内側にあるストレスや感情が、他人のストレスや感情によって影響を受けているだけということが結構あります。


極度のHSPであるエンパスについては、他人のネガティブと自分のネガティブを見分けられなくなることも多いと言われています。

他人のネガティブに振り回されないためには、

「この感情は自分のものか? 他者のものか? 」自問する

「社交に本当に時間を使いたいのか?」自問する

「ハグや握手はエネルギーを奪うので控える」

といった自衛策が必要となります。


その感情が自分自身の感情なのか、それとも他人由来の感情なのかということを定期的に自問するようにしてください。

人間関係からネガティブな影響を受けやすいということもありますので、その社交が本当に必要なのかということも考える必要があります。


自分の感情と他人の感情を切り分けて考える習慣が重要になります。

とはいえ、それがなかなか難しいという人もいると思いますので、その場合は、自分の内側に湧いてくる感情も他人由来の感情も一歩引いて客観的に見られるようになってください。

これについては、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を学んでみてください。

これに関してはこちらの本が非常に参考になると思います。

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幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)





エンパス尺度テスト


まだエンパスの研究は進んでいませんが、関西大学がエンパス用の尺度を提唱してくれています。

具体的には、「オルロフのエンパス自己評価尺度」を日本人向けに改定し、大学生191名に対して、HSP 尺度との比較を行い妥当性を検証してくれています。


エンパス尺度は9問で構成されています。

なんとなく直感で考えてもらい、以下の採点方法で点数を合計します。

それぞれエンパスの特徴でもありますので、当てはまる項目が多い場合にはエンパスを疑った方が良いと思います。


「全くあてはまらない」:1点

「非常にあてはまる」: 7点

「どちらともいえない」:4点

相手を見るだけで、相手の気持ちがぱっとわかる

相手の感情や気持ちが自分の中に入ってきます。

その他人の感情やストレスに苛まれてしまうと苦しめられてしまいますが、上手にこの性質を使うことができれば、他人の心を読むこともできるようになります。

相手を見ただけで相手のニーズをつかむこともできます。


メンタリストは基本的には訓練によって相手の心を読むことができるようになりますが、生まれつきこれが得意な人もいて、そんなメンタリストを「シャットアイ」と呼びます。

エンパスの人はおそらくこれにあたります。

雑踏や人混みは、気疲れするので好きではない

雑踏や人混みは嫌いという人は多いと思いますが、エンパスはそこでも周りの人から様々な影響を受けて気疲れしてしまいます。

相手の気持ちやストレスを、知らない間に取り込んでいる

周りにストレスを抱えた人がいたり怒っている人がいると、自分もなぜか動悸がしてきたりということも起きたりします。

ストレスフルな人の影響を受けやすいという特徴もあります。

大勢の人と一緒にいると、ぐったり疲れて1人になりたいと思う

エンパスの場合には、周りの人が自分の勝手知ったる人や親しい人でもこのようなことが起こります。

大勢の人とあまり長時間いることは苦手です。

相手を見るだけで、相手の抱えているストレスがなんとなくわかる

海外の占い師やメンタリストは、相手のストレスに注目するということをすることがよくあります。

相手のストレスに注目することによって、相手の悩みや深い感情を読み上げることができます。


相手の性格を読もうと思うとなかなか難しいものです。

ですから、相手のストレスに注目した方が、そこから相手の人となりを掴んで行くこともできます。

メンタリストはそれをトレーニングでできるようになるわけですが、これもエンパスの人は生まれつきできます。

雑踏や人混みに出かけるのは気疲れするので、できれば避けたい

先ほどの質問と似たような内容ですが、雑踏や人混みは気疲れするので好きではないけれど、それでもある程度出て行く人もいれば、極力避けようとする人もいます。

いずれにしても気疲れするというのがポイントになります。

相手の気持ちやストレスの影響を、知らない間に受けている

誰でも周りにストレスを抱えている人や怒っている人がいると嫌な気分になります。

これは当然ですが、エンパスの人が知らない間に影響を受けています。


例えば、自分の仲のいい人や同僚が悩みを抱えていたとします。

それになんとなく気づくと、自分も同じように悩みを抱えたような心理状態になります。

痛みを抱えている人のそばにいると、自分の身体も痛くなってくる

周りにいる人の痛みの影響まで受けてしまいます。

誰でも最低限の共感能力はありますので、目の前に痛がっている人がいれば、ある程度は自分も痛みを感じたような嫌な気分にはなります。

ですが、エンパスの場合は相手と同じように自分も痛みを感じてしまいます。

雑踏や人混みに出かけると、気分や体調が悪くなることがある

雑踏や人混みに出かけると、さらに激しい症状になり、気分や体調が悪くなる人もいます。

お腹が痛くなったり風邪を引きやすくなったりということがあります。

出典:Masashi Kushizaki(2019)Development of the Empath Scale and Understanding of "Highly Sensitive Person”.Bulletin of the Institute of Human Rights Studies, Kansai University;77:37-54


一応、それぞれの項目の区別と平均値を紹介しておきます。

これについては参考程度でいいと思います。

第1因子「気疲れ」(気疲れのしやすさ)

質問2、4、6、9が、気疲れのしやすさを表しています。

平均値が19.6で、標準偏差は5.23となっています。

   

第2因子「情動吸収」(他人の感情の影響されやすさ)

質問3、7、8が、他人の感情の影響されやすさを表しています。

平均値は12.4で、標準偏差は4.00です。

   

第3因子「情動直感」(他人の感情を見抜く力)

質問1、5が、他人の感情を見抜く力を表しています。

平均値は8.06で標準偏差は2.38です。



ここから先は、エンパスの人やその傾向がある人が、どうすれば幸せに過ごしていくことができるのか、その性質を上手に活かすにはどうすればいいのかということまで解説していきます。

ぜひ続きもチェックしてみてください。