あなたは、どうすれば幸運をつかむことができると思いますか?
今回は、プライドを捨てたいという方の相談をもとに、科学的に正しい不運の避け方とチャンスの掴み方について解説させてもらいます。
Q. プライドはどうやったら捨てられますか?
大事なのはプライドではなく能力だということに気づいてください。
特に完璧主義の人や極度に失敗を恐れる人ほどプライドが高くなります。
プライドの高さの正体は実は「失敗への恐怖の大きさ」です。
プライドが高い人ほど失敗への恐怖が大きくなるので新しいことができなくなります。
そういう意味では、「失敗への恐怖」を改善することがプライドを適切な状態にする一番良い方法です。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
「賢者は人生を選択し、愚者は人生に流される。」
どんな状況でも同じですが、自ら選ばない人は常に流されます。
流された結果何も選ぶことはできず、残念な状況のまま人生が終わってしまうことになります。
これが選べない人の特徴です。
少なくとも皆さんには選べる人になってもらいたいと思います。
自ら人生を選び前に進む人になってください。
完璧主義の人は、特に自分がしたことがないことや新しいことをしようとした時に、完璧に準備をしようとします。
「タイミングが整えば・・・」
「お金があれば・・・」
「知識があれば・・・」
「時間があれば・・・」
このように考えてしまい、いつまでも自ら選び前に進むことができていない人が結構います。
あらゆることを言い訳にして新しいことにチャレンジしない方向に意識が向いてしまいます。
その結果、昇進や昇格の機会を失ったり、起業するチャンスを逃したり投資するチャンスをなくしたり、結婚するチャンスや友達を作るチャンスを逃したり、あらゆるチャンスを逃していきます。
完璧主義な人は運が悪い人です。
そもそも挑戦もしないので運がいいと思える出来事は起きないということです。
このように考えると、自分も少し完璧主義ではないのかと感じた人もいると思います。
まだしたことがない新しいことに対しては「まずはやってみる」という姿勢が本来は必要です。
これは別に、とにかく行動することが最高だと言っているわけではありません。
完璧に準備をしてから始めようと考えるのではなく、そもそも小さく試して後から調整していくということが大事だということです。
これを完璧主義の人はしないわけです。
完璧主義の人は完璧でいたいから小さな成果を欲しいとは考えません。自分自身が完璧であるイメージを守りたいので大きな目立つ成果を出したいと考えます。
それは挑戦しない原因を作るだけですし、そのまま挑戦することができてもその先には地獄が待っています。
これにはくれぐれも気をつけてください。
科学的に正しい不運の避け方
何をしてもうまくいかない時もあると思います。
無駄な不運を無くして、運を掴みに行くための方法があります。
経済的な幸運を味方につけるための方法については、以前にこちらの記事でも解説させてもらっています。
運をつかみたいと思う方は、こちらを参考にしてみてください。
一問一答「あなたは何が経済的な幸運を左右すると思いますか?」【運を味方につける】
運を良くする方法については、こちらの本も参考になると思います。
運にまつわる研究としては最も有名な方ですが、心理学者のリチャード・ワイズマンさんの著書になります。
運にまつわる様々な研究を基に科学的に運がいい人の法則について理解することができます。
6つの不運を避ける対策
不運は、そもそも生活習慣病のようなものです。
無駄に運が悪い人は、生活パターンや思考パターンなど、普段の生活スタイルが影響を与えています。
自らの日常の習慣が、わざわざ運が悪い方向に自分を持って行っています。
ですから、考え方や行動パターンを変えることさえできれば、無駄な不運を避けることができます。
①ネガティブバイアスの克服
ネガティブバイアスは不運を招く考え方と言われています。
ネガティブバイアスを持っていると、それだけで交通事故に遭う確率も増えてしまうと言われているぐらいです。
ネガティブなものに思考が向いてしまいやすい人は、自ら不運を自分の元に呼び込んでしまう可能性が高くなります。
中国科学院の研究で、38名のドライバーを対象に、全員の交通事故の履歴を調べて分析しています。
全員に様々な写真を見てもらいそれぞれの反応スピードなどをチェックしています。
その写真は、誰かが泣いているようなネガティブな写真もあれば、楽しい気分になるようなポジティブな写真もあり、特にどちらでもない風景の写真もありました。
その結果、交通事故を起こしやすい人ほど、ネガティブな写真に強く反応していたそうです。
交通事故を起こしやすい人は、ネガティブな写真に強く反応して、反応するスピードも早かったとのことです。
このネガティブなものに強く反応してしまうバイアスがネガティブバイアスです。
否定的なものに意識が向きやすい性質です。
運が悪い人は、自分が運が悪いということを悔やみ続けます。
「あんなことをしなければよかった」「なぜ自分はこんなにも運が悪いのだろう」というようなことを悔やみいつまでも考え続けるわけです。
一方で、運がいい人は不運な人と同じ出来事を経験したとしても、自分は運がいいと信じることができるようなポイントを見つけることができます。
ですから、運がいい人と悪い人の違いというものは、多くの場合思い込みが結構作用しています。
例えば、皆さんがめったに会わない友達に誘われて食事に出かけたとします。
その食事をした帰り道に交通事故にあってしまい足の骨を折ったとします。
皆さんはこの状況をどのように考えるでしょうか?
これにより運がいい人と悪い人の違いが結構出てきます。
運が悪い人は、なぜ出かけてしまったのかと悔やみます。
同じ出来事の中でもネガティブな部分に注目してしまいます。
頻繁に会うわけでもないし、普段であれば誘われても応じることはそんなにないのに、食事に出かけてしまったせいで無駄に骨を折ってしまったし最悪だと思うのが運の悪い人です。
運の悪い人は不運な出来事の中にさらに運が悪い事を探し、もはや変えることができないにも関わらず不運を後悔し続けます。
ネガティブバイアスにとらわれやすい人の特徴としては、減点方式で物事を考えるということがあります。
結局、何かマイナスの部分があることによってプラスの部分があるものです。皆さんも減点方式で考えることが多いようであれば直した方がいいです。
減点方式の考え方はネガティブバイアスにつながり、全てのものがネガティブに見えてしまいます。
例えば、参考文献にも入れていますが、社会心理学者のレジャーウッドさんたちの研究によると、参加者を2つのグループに分けて、新しい手術方法の成功率に関して・・・
成功率70%と伝えたグループ
失敗する確率が30%と伝えたグループ
同じことを意味しているわけですが、成功率70%と言われたグループは、その手術方法を高く評価したのに対して、失敗率30%と言われたグループは、その手術方法は危険だと判断しました。
更に、その後に、成功率70%と伝えていいイメージを持っているグループに対して、「実は、失敗率が30%ということですけどね・・・」と伝えました。
そうすると、イメージを変え危険だと判断するようになりました。失敗率30%と伝えた瞬間に、ネガティブな方向に引っ張られたわけです。
ちなみに、この逆は成り立ちませんでした。
これがネガティブバイアスの恐ろしさです。
人間は、ネガティブな情報を一度受け取ってしまうと、ネガティブなスタンスを変えることができなくなってしまいます。
人間は基本的にネガティブなことを優先してしまうネガティブバイアスというものを持っています。ですから、最初から減点方式でネガティブなものばかりを見ていると、そのネガティブさはずっと続いてしまい、自分にとってプラスになる情報があったとしても満足度が下がってしまいます。
②嫌儲バイアスの克服
これは特に経済的幸運を逃す人の特徴です。
これはお金を持っている人も持っていない人も、誰もが少なからず持っているバイアスです。
人間にはこの嫌儲バイアスというものが備わっていて、日本人は特にこの傾向が強いのではないかとも考えられます。
お金を稼ぐことやお金をたくさん持つことに対してネガティブな印象を持つように出来ているわけです。
これについては、Dラボでマネースクリプトのシリーズでも解説していました。
この嫌儲バイアスを突破する経験をしていないと、僕たちはなかなかお金を稼げなくなってしまうということでした。
例えば、DaiGo師匠の場合であれば、学生の頃、お金をちゃんと稼いでいなかったから母親の命を助けることができなかったという経験もしましたが、幼い頃にお金でとても苦労をしたり、全くお金がなくて苦しい経験をしたというような強烈な経験をすることでこのマネースクリプトは変わります。
そうでない人は、お金を自分だけが稼ぐことに対してやはり罪悪感を感じます。
不況な中で、友達や仲間がみんな仲良くしているのに、自分だけが大きく稼いだりしては、周りに出し抜かれたとか、あいつは変わったとか思われるのではないかと考えることがよくあるのではないかと思いますが、実際にはそんなことはなく、本人が成長しただけです。
僕たちはこの嫌儲バイアスを突破しない限りは、お金を稼ぐことに対するネガティブなバイアスに左右されて、いつまでもお金を稼ぐことができないわけです。
とても稼いでいる人の金銭感覚を否定したりする人の気持ちもわかりますし、自分よりもはるかに稼いでいる人を見た時に素直にすごいと思えるのは、どうしても顕著バイアスというものが働いてしまうので難しいものです。
ただ、他人の金銭感覚に文句を言っている暇があるのであれば、
自分がどうすればお金を稼ぐことができるのか、
どうすればもっといい暮らしができて、
どうすればもっと自由に生きることができるのか、
人間関係や仕事をもっと効率化して、自分のやるべき事に使える時間をもっと作る方法はないのか、
というようなことを考えることにその時間と労力を使った方が、他人の金銭感覚に文句を言っているよりもはるかに自分にとって良いはずです。
このような考え方をできるかどうかということがポイントになってきます。
素直にお金を稼いでる人はすごいと考えて、そこから何か学べることがないのか、もっと自分がやりたいことをやって家族も幸せにするためにそこから学び、お金のメリットもちゃんと考えることができるようになることがとても大切です。
自分自身の人生のためにも健康のためにも、自分の大事な人や家族のためにも、お金を求めるというのは悪い考え方ではないと思います。
③メモリーバイアス(記憶バイアス)の克服
人間は過去の選択や判断に縛られ過ぎてしまいます。
自分によって歪められている過去の記憶に基づいて未来の選択をしてしまうので、最終的には不運を招くということが起こります。
僕たちは未来のことを正確に予測することはできません。
未来のことは誰にもわからないと言いますが、僕たちは過去のこともわかっていません。
過去に対する記憶というものは結構歪められています。
例えば、子供の頃の記憶というものは皆さんたくさん残っていると思いますが、特に幼い頃の大抵の思い出というものは結構歪められています。
中学生や高校生になった頃に親や周りの人に「あなたは幼稚園の頃に〜」とか、「幼い頃にあなたは〜をしてね」などと言われたことによる記憶だということが少なくありません。
5歳児より前の記憶が鮮明に残っているということを言う人もいますが、研究などによると、大抵の場合は周りの大人や親が言葉にした別の記憶であることが多いということがわかっています。
つまり、人間が未来のことを予測することが苦手だということは当然なことですが、実は、過去のことを正確に把握することも難しいものです。
これは子供の頃の話だけではありません。
例えば、去年に自分がどれぐらい本を読むことができていたのかとか、どれぐらいの仕事をできていたのか、睡眠の質はどうだったのか、食事はどんなものを食べていたのか、運動の頻度はどれくらいだったのかといったことを尋ねられても、大抵の人は正確に答えることはできないものです。
人間は、記録をしていない限りは過去のことはよく覚えていませんし、分析をしない限りは、今自分がどんなことをしていて近い未来にどんな結果が起きるのかということさえもわからないわけです。
これが結局のところ不運に繋がっているということです。
例えば、DaiGo師匠は、お風呂に入る前にスマホのカレンダーにその日に感じた悩みや感情を書き込みます。その日に楽しいことがあればその楽しいことを書き込みますし、嫌なことがあったり悩んだことがあればそれを書き込みます。
これを5年とか6年とかずっと前から続けているので、それは遡って見ることもできます。
例えば、
皆さんは去年の今日何を考えていたのか、何に悩んでいたのか思い出せますか?
おととしの今日どんなことで悩んでいたか思い出せますか?
ほぼ覚えていないでしょうし、そもそも去年を通してどんなことで悩んでいたのかさえも思い出せないということも多いはずです。
このように、実際には僕達は過去の事を全く把握していません。
それなのに、とてもざっくりとした記憶だけで、「自分は人生で何をしてもうまくいかなくて・・・」 「自分はいじめられて育ったし人生で何もいいことがない・・・」というようなことを言うわけです。
これは正しく記憶することができていないからです。ほとんどの人が把握できていないからです。
カレンダーへの記録を何年かつけていると、忘れるぐらいなのでどうでもいいことで悩んでいることが結構多いということに気づけると思います。
僕たちは毎日いろいろなことで悩んでいるような気がするかもしれませんが、1年ぐらいすると忘れてしまうようなことで悩んでいるわけです。
2005年にこの問題についてハーバード大学が調べてくれています。
62人の地下鉄を使っている一般市民に電車に乗り過ごした時の体験を思い出してもらうお願いをしました。
そうすると、自由に自分の過去の経験を思い出そうとした人ほど、自分にとって最悪の記憶を思い出しそれにとらわれ続けてしまうという現象が確認されています。
つまり、このメモリーバイアスとは自分の記憶に残りやすい経験で、しかも歪められた思い出ばかりを頭に留めてしまうというものです。
電車に乗り過ごした経験を思い出してもらうと、その乗り過ごした経験がひどかったものだと勝手に自分で思い込んでしまうということが起こります。
実際の経験よりも、よりひどく自分の経験を歪めてしまうということが起こります。
過去に嫌なことがあったりしたとしても、それが実際にはそれほどひどいものでなかったとしても、そこに脚色して思い出すということが結構あるということです。
要するに、過去の記憶の中でも嫌な記憶ばかりをピックアップして思い出していることがあります。
ですから、嫌なことであっても楽しいことであっても同じですが、それをちゃんと記録して後から振り返ることができるようにしておかないと、自分の中でネガティブな感情が無駄に増幅してしまう可能性もあります。
過去の失敗した経験を思い出すことによって、自分は過去に失敗してばかりなので、起業することはできないとか新しいことに挑戦することもできないとか、転職が怖いとか人と話すのも怖いとか考えてしまう人も少なくありません。
実際には、全てにおいて失敗ばかりしていたわけではないし、何も新しいことができていないわけでもありません。人と話すのが怖くて誰とも一切話したことがない人もいないはずです。
自分を冷静に見ることができるようになるためにも、記録はとった方がいいと思います。
人間は誰しも記憶を歪めてしまう傾向があるということを覚えておいてください。
研究チームは、このメモリーバイアスに惑わされないための方法として、いくつかの方法を提案してくれています。
電車に乗り遅れた記憶を思い出してほしいとお願いすると、一番ひどい思い出を思い出すようになるのと同じで、過去の自分の失敗を思い出すと一番嫌な思い出として記憶されていることが思い出されます。
失敗した時の記憶は思い出しても構いませんが、失敗しても大したことはなかったし全然大丈夫だったという時とひどい目にあった時の記憶はセットにして思い出すようにしてください。
このように同時に複数の記憶を必ず思い出すようにして、できるだけその記憶を平準化するようにしておかないと、人間は嫌な記憶やひどい経験ばかりにとらわれてしまいます。
記憶を消したいとか自分には嫌な思い出しかないという人もいるかもしれませんが、それはそんな嫌な経験ばかりを思い出しているから、その経験にとらわれているだけです。
もうひとつのポイントとしては、 自分が過去の記憶を思い出している時には、自分は今過去の最高の体験、または、最低の体験のどちらかを思い出しているのではないかと考え、それは平均化した体験を思い出しているわけではないのではないかということを考えることにより、過去の経験をメモリーバイアスに左右されていない状態で参照することができます。
過去の経験を思い出す時には、自分にとって極端に良かった体験か極端に悪かった体験を思い出す傾向があるということを覚えておいてください。
自ら不運を招かないためには、このようなバイアスにとらわれないということが非常に重要になります。
ここから先は、更に対策しないとムダに不運になることについて解説していきます。
後半もチェックしてみてください。
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