あなたがつい耐えられなくなることは何ですか?
ダイエットをしているのに甘いものを食べてしまう。
より良い人生に何が必要かわかっているのに、なぜかいつも目先の誘惑に負けてしまう。
誰でも日々の日常の中では感情的になったり誘惑に負けそうになることがあると思います。
当然ですが、誘惑に負けそうになったり怠けそうになった時にも、それに耐え、やるべきことを続けることができる人でなければチャンスをつかむこともできません。
今回は、学校での勉強が実生活では意味がないように感じるという方の相談をもとに、忍耐力の重要性と鍛え方について解説させてもらいます。
Q. 学校の勉強は数年間も実生活で使わないものを学ぶような気がしてもったいないと感じています。
それであればお金の稼ぎ方を教えた方がいいと思いますが、どう思われるでしょうか?
確かに中学も高校も大学も行かなくてもお金を稼ぐことはできます。
ただ、それができる人は相当才能に恵まれている人だけです。
人は仕事をしようとする上でもお金を稼ごうとする上でも、やらなくてもいい事や意味がないように感じる事も必ずやらなくてはいけない時があります。
本当に成功して自分で好きな仕事だけを選ぶことができるようになれば、自分が無駄だと感じることはしなくてもいいかもしれません。
ですが、誰でも仕事をしようとする時には最初は意味のないことしかさせてもらえません。
当然ですが、能力が高い人に意味のある大事な仕事を任せて、失敗するかもしれない人にはそれなりの仕事しかさせません。
大事な仕事は能力が高い人のところに集まります。
社会に出てからすぐに出来る仕事はあまり意味がないことばかりです。
よほど才能や能力が秀でている場合を除くと、ほとんどの人がそんな仕事を最初に任されます。
中学や高校の頃の勉強というものは意味はありますが「意味がわからない」ものです。
社会に出ると、意味もわからないものをやらなくてはいけない時期が必ずあります。
中学や高校の頃のそのような勉強に耐えることもできない人は、社会に出るとほとんどの人はそれに耐えることができないと思います。
学校の授業というものはそういうトレーニングとしての役割にもなっています。
よほど才能がある人以外は、今は意味がわからないでしょうが、いつか価値があるかもしれないことを自分がこなしていく練習だと思って学校に行った方がいいと思います。
忍耐力がなければチャンスを待つこともできない
忍耐力と言われると、ただただ耐える力だと考える人もいるでしょうが、忍耐力がない人は人生で問題を起こしがちです。
人生では一瞬で結果が手に入るものや手軽に成果が出ることはそんなにありません。
これは仕事でも勉強でも言えることです。
ビジネスでは、楽をして簡単にお金を稼いでいるように思われている人もいますが、そのような人も大抵は見えないところで驚くほどの努力をしていますし、そう見せているだけで他の人にはできないレベルで毎日働いていたりします。
上場企業の社長を見ながら、立場があるだけであんなにもお金を稼いで羨ましいと考える人がいますが、ほとんどの人は彼らのハードワークに耐えることができません。
ほとんどの人は耐える力がないために大きな責任を負うこともできませんし、いつか訪れるチャンスを待つこともできなくなります。
もちろん、自分が何も悪くない状況に耐える必要はありません。
自分が手に入れたいものがあったり、人生で大きなものをつかみたいと思っている時に、耐える力がなければ凡庸な人生を送るか騙されるかのどちらかです。
耐える力を考えず、手軽に簡単にお金を稼ぎたいなんて思っている人は、騙そうとしている人からすると一番簡単に騙せる人です。
耐える力がない人は、稼ぐための方法を学ぼうとすることがなく、安易な方向に進んでしまうので簡単に騙されてしまうわけです。
しかも、騙された後に自分が騙されたことにも気づけません。
自分に忍耐力がないので、騙されてしまった自分に向き合うこともできないからです。
今回は、皆さんが忍耐力を鍛えるための方法について紹介させてもらいます。
心理的な方法からトレーニングまで様々な方法を紹介しますので、その中で自分に合っているものを使ってみてください。
不快さに耐えることで脳が変わる
なぜわざわざ不快さに耐える必要があるのかと疑問を持つ人もいるでしょうが、不快さに耐えることで人間の脳は変わるという研究があります。
スーパーエイジャー(健康的長寿者)
高齢者なのに若い人と同じレベルの健康を維持している人たちがいます。
このスーパーエイジャーについての研究は最近結構増えてきていて、例えば、スーパーエイジャーの人は中高年の人よりも脳のサイズが大きいとも言われています。
他にも、スーパーエイジャーのエピソード記憶が50代から60代の人と同じレベルだったという研究もあります。
スーパーエイジャーの人たちの脳は大脳皮質が他の人よりも分厚くて認知機能が衰えにくいとされています。
スーパーエイジャー17人の脳をMRI で調べた実験によると、細かく見ると大脳皮質だけでなく、前帯状皮質や島皮質など脳のさまざまなエリアが大きかったそうです。
それぞれの脳の部位をつなぐ場所が発達しているので、脳の様々な情報の行き来がスムーズになり、それにより結果的に歳をとっても若い人と同じレベルの脳機能を保っているということです。
人間の脳が成長しきるのが50代の頃だと言われています。
物事の判断を司る前頭葉も言語能力を司る側頭葉も年齢を重ねるにつれて成長していき、そのピークが大体50代の頃だとされています。
スーパーエイジャーたちは、その50代の脳のレベルを維持していたということです。
ですから、50代の頃までは脳の成長を維持しないといけません。
ただ、ほとんどの人はそれを維持することができないか、50代の頃を過ぎて脳が老化して縮んでいってしまいます。
スーパーエイジャーについては、遺伝的な要素もありまだまだ研究途中ではありますが、そこに近づくためには「自分にとって不愉快なレベルの負荷」を脳にかけるという方法がいいのではないかと言われています。
忍耐力がある人は脳をいい状態で維持することができます。
脳の機能が上がるからこそ、もっと大変な事にも耐えることができるようになりそれに挑戦することができます。
これを繰り返しながら脳を成長させることで、何歳になっても成功することもできるし、何歳になっても成長し続けるスーパーエイジャーに近づくこともできます。
現時点でのスーパーエイジャーになる一番いい方法は、何かに一生懸命取り組むことだと言われています。
人間の脳の重要なエリアは、難しいことや困難なことに打ち込んだ時に発達するそうです。
ですから、楽なことばかりに手を出していると脳は発達しません。
この脳を発達させるための困難なことは、精神的なことでも肉体的なことでもどちらでも構いません。
激しい運動や頭を使う難しい知的作業を行うと、人間の脳は萎縮することなく健康を保つことができます。
脳の活動量が増えるとネガティブな感情を味わう
脳の活動量が増えれば増えるほど、疲労感や挫折感、イライラなどのネガティブな感情を味わいます。
ですから、自分が自分の脳を鍛えることができているかどうかを確認したいのであれば、毎日の生活の中で疲労感や挫折感などを味わうことができているかどうかを考えれば良いということです。
確かに、仕事でも勉強でも一生懸命取り組んでいる時には、疲労感や挫折感を感じることはあります。
「こんなに頑張っているのになぜうまくいかないのだろう」と感じることが結構あるはずです。
試行錯誤を繰り返すからこそ、疲労感や挫折感を味わいます。
自分が不愉快だと感じるぐらいのレベルの苦痛を脳が感じない限りは、脳が成長することはないということです。
心と体を健康的に保つには忍耐力が必要
心と体を健康的に保つためには、脳が苦痛を感じることは避けられません。
トラウマによって創造性が向上するということもあります。
トラウマを乗り越えた先に起きる人間の圧倒的な成長のことを PTSG(心的外傷後ストレス成長)と呼びます。
トラウマを乗り越えたことによって人生観が変わったり、自分の考え方が大きく変わったことで、より強いメンタルと人生に対する考え方を身につける人たちがいます。
これも苦痛を乗り越えた先に人としての成長があったわけです。
体に軽いストレスを与えることによりミトコンドリアが増えるホルミーシスも同じです。
体にストレスを与える運動を行うことによって、BDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が分泌され、新しいことを学習するスピードが早くなったり脳が若返る作用があると言われています。
仕事の意味を感じるためにも苦しみが必要だとも言われています。
人が成長するためには苦痛を避けることはできないようです。
であれば、その苦痛に耐える方法を学ぼうというのが今回の内容です。
忍耐力をつけるためのおすすめ本
耐える力を身につけるためのおすすめの2冊を紹介しておきます。
こちらは以前にアンジェラ・ダックワースさんの『やり抜く力 GRIT』という本が流行りましたが、それの実践版なので使いやすくて役に立つと思います。
アダム・グラントさんとFacebook最高執行責任者のシェリル・サンドバーグさんが出されたこちらの本も参考になります。
シェリル・サンドバーグさんは様々な逆境を乗り越えて今があります。それをどのようにして乗り越えてきたのかという話と科学的な知見がまとまっています。
ずっと苦痛に耐え続けるのは誰でも難しいことですから、習慣化できることは習慣化するようにしてください。
今回紹介する忍耐力を鍛えるためのトレーニングも、自然と耐えることができるような習慣を身につける方がいいと思います。
忍耐力を上げるための方法を習慣化することができれば、ただただ苦痛に耐え続けるということではなく、自然と毎日の生活の中で忍耐力を鍛えていくことができます。
この習慣化についてはこちらの本を使ってみてください。
Amazon の Audible であれば無料体験で全部聞くことができるようになっています。
10分日記で忍耐力アップ!
いきなりハードルの高いことを紹介すると挫折しやすくなってしまいますので、最も簡単な方法から紹介させてもらいます。
意外と簡単なことで人間の忍耐力は鍛えられます。
10分間毎日日記を書くだけで忍耐力が鍛えられるという研究があります。
2007年のハーバードビジネススクールの研究で、238人の知識労働者を集めて1日10分だけ時間を使い毎日の日記を書いてもらいました。
この実験で使われた日記は、そんなに難しいことではなく毎日5つのポイントについてその日のことを記録するだけです。
ポイント1 :自分の感情や気分の変化
1日の間で自分の気分がどのように変化したかということを書くだけです。
これは細かく書いても構いませんが、朝と昼と夜の気分を書くぐらいでもいいと思います。
ポイント2 :モチベーションレベル
その日のやる気を点数で評価してみてください。
例えば、今日のやる気は10点満点で言うと8点ぐらいという感じです。
その理由も簡単に書いてください。
ポイント3 :職場環境
その日の職場環境について感じたことを書いてください。
職場環境というのは、物理的なことでも人間関係でもどんなことでも構いません。
良かったことでも、もっと改善してほしいというようなことでも構いません。
ポイント4 :仕事(勉強)内容
その日にどんな仕事(勉強)をしたかです。
ポイント5 :1日を通して心に残ったこと
プライベートも含めてその日1日を通してどんなことが心に残ったか書いてください。
たったこれだけのポイントについて日記に書くだけです。
別に日記帳でなくてもスマホにメモするだけでも構いません。
実験ではこの10分の日記を4ヶ月続けてもらっています。
その後に効果を確認してみたところ、様々なメリットがありました。
メリットその1 :焦点の明確化
自分の長所や自分が最も喜びを感じられる行動、最も自分が活躍できる仕事など、自分の強みや喜びなどをはっきりとさせることができたそうです。
人は自分が喜びを感じられることややりたいことであれば耐えることができます。
自分が好きなスポーツでどうしても習得したいテクニックがあったとしたら、練習がどんなに苦しかったとしても耐えることもできるはずです。
自分の焦点が明確になることで、人は耐える力が身につきます。
メリットその2 :忍耐力の向上
自分がこれから進むべき道と、自分がこれまでどのように道を進んできたかということが日記により理解することができます。
これによって、新しい道を進むときの困難に対しても対処法を思いつきやすくなります。
今自分の目の前にある困難に対して、自分がこれまで進んできた道とこれから進む道に視点を向けることで、自分を奮い立たせることができるようになります。
さらに、自分のこれまでの過去の中で目の前の困難を乗り越えるために必要な経験や知識がなかったか考えることもできるようになります。
メリットその3 :個人的成長
たった10分日記をつけるだけであっても、毎日の自分に対して改善点が見えてきたり新しい視点が見えてきます。
自分が伸ばしていきたい能力が考えられるようになったり、自分がどのように成長していきたいか見えてきます。
日々の成長のためにも日記は役に立つということです。
日記をつけるだけで忍耐力が身について、自分の成長にも繋がります。
DaiGo師匠の場合は、スマホで Google カレンダーの同じ時間に毎日予定を入れて、その予定の時間になったらそこに記入するようにしています。
今回は忍耐力を鍛えるメリットとその方法について解説させてもらいました。
忍耐力を鍛える方法やトレーニングはまだまだあります。
続きで詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
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