朝日新聞は今煩悶している。3月23日付紙面で朝日新聞紙面審議会委員による朝日への提言を掲載している。そこで、中島岳志氏が思い切ったことを書いている。1918年、寺内正毅内閣を批判した「白虹事件」で政府より弾圧を受け、発行禁止寸前まで追い詰められた大阪朝日新聞は、その後、ラジカルな政権批判をトーンダウンさせ、30年代以降、結果として戦争に加担する紙面を作り続けた。「いま取り戻すべきは『白虹事件』以前の大阪朝日新聞が示したリベラルなジャーナリズム精神だ。終戦の1945年を分岐点とするのではなく、1918年を分岐点とした方が朝日新聞のあり方を見つめなおすのに重要な視座を与えてくれる」とし、最近の一連の朝日問題を「平成の白虹事件」としてはいけないと訴えている。最近の朝日紙面は何につけ「両論併記」で腰砕けだが、このような厳しい提言を掲載するところに、ジャーナリズムの一端を担う朝日の気骨のかけらを感じた。残骸でないことを祈りたい。それにしても、どの新聞も「安田さん」を報じない。どういうことなのだろうか?
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孫崎享チャンネル
(ID:55844279)
朝日新聞は今煩悶している。3月23日付紙面で朝日新聞紙面審議会委員による朝日への提言を掲載している。そこで、中島岳志氏が思い切ったことを書いている。1918年、寺内正毅内閣を批判した「白虹事件」で政府より弾圧を受け、発行禁止寸前まで追い詰められた大阪朝日新聞は、その後、ラジカルな政権批判をトーンダウンさせ、30年代以降、結果として戦争に加担する紙面を作り続けた。「いま取り戻すべきは『白虹事件』以前の大阪朝日新聞が示したリベラルなジャーナリズム精神だ。終戦の1945年を分岐点とするのではなく、1918年を分岐点とした方が朝日新聞のあり方を見つめなおすのに重要な視座を与えてくれる」とし、最近の一連の朝日問題を「平成の白虹事件」としてはいけないと訴えている。最近の朝日紙面は何につけ「両論併記」で腰砕けだが、このような厳しい提言を掲載するところに、ジャーナリズムの一端を担う朝日の気骨のかけらを感じた。残骸でないことを祈りたい。それにしても、どの新聞も「安田さん」を報じない。どういうことなのだろうか?