Mythe et poeme のコメント

「犯罪ストップ(CRIMESTOP)」の能力というのが、独裁者のいうなりになる能力ということであり、また、官僚やマスコミ、政治家や財界がそれを実践しているという趣旨の記事である。
こういうことを、本来なら、社会学者がやるべきだろう。ブルデュー理論などはこうした問題を分析するための概念を提供している。
しかし、もちろん、社会学者はだれも、そんなことはしない。
なぜなら、「犯罪ストップ(CRIMESTOP)」の能力が彼らにも備わっているからだろう。
孫崎さんの理論は、先日の「認知的不協和理論」といい、ファシズムの生成のメカニズムを解き明かしている。
そして、理論の提示ばかりではなく、一定の抑止効果を発揮してもいる。
それはなぜか。
孫崎さんの言葉には、眠った理性を覚醒させる「何か」があるからだ。
理性が眠る時、集団的獣性がめざめる。
反知性主義とかいう言葉があるが、「反知性」は「主義」なんていいもんじゃない。「獣性」でたくさんだ。
獣になって、わが身と国を戦禍に巻き込んで、後で泣く。何度繰り返してもまたやる。
そうなりそうな集団に、懸命に「寝ちゃいけないよ。理性を目覚めさせなさい」と孫崎さんはやさしく語りかけてくれているのだ。
こういう人は、戦前の日本にはいなかった。
歴史は繰り返すが、しかし、同じではない。差異をはらんでいる。
人類という種はとことん虚無的だが、そのなかで少しずつ灯りのような「知」が照らしている光景。
地味で目立たないが、実在の真景。

No.15 110ヶ月前

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