戦後、日本の政治が変わり、政府の基本方針が変わったのは当然である。1945年から数年間、日本は連合国に占領されてあり、完全な独立国ではなかった。外務省さえ存在しなかった。その後、日本は米国の指導下にあり、産業を盛んにして、産物を主として米国に輸出しながら、国力をつけ、次第に米国に対しても、「Noと言える国」に変わってきた。当然、それらの変化に気づき、そろそろ、国の方針自体にもいちゃもんをつけてもいいだろうと思った法制局長官が出てきても不思議はない。それだけのことだ。外交官は外国に勤務し、本省や、内閣が「分っちゃいないな」と思うのは、企業において海外の子会社や出張所に勤務する会社員と思うところは一緒である。かれらは政府や本社のお偉さんは何にも分っちゃいないと切歯扼腕するのが商売だ。だけど、実は彼らexpatriatたちも、実は大局が分っていない、バランス感覚がないという弱みを抱えているのだ。特に、外交官の陥りやすい問題は、孫崎のように、外地にいて孤軍奮闘するうちに外国人が見た日本人観がいつの間にかすっかり脳の内部に染みついてしまって、母国の政府がバカに見えてくるという病気に取りつかれる。こうなると、総理大臣が何人変わっても、どれもこれもできそこない、欠点だらけに見えてくるのだ。欠点を持つのは人間として当たり前、それでもおだてて努力して貰うしかないではないか。それができないと、一生、他人を批判磨るだけで死んで行く、全く世間にとって役立たずの人間で終わるだけさ。
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孫崎享チャンネル
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戦後、日本の政治が変わり、政府の基本方針が変わったのは当然である。1945年から数年間、日本は連合国に占領されてあり、完全な独立国ではなかった。外務省さえ存在しなかった。その後、日本は米国の指導下にあり、産業を盛んにして、産物を主として米国に輸出しながら、国力をつけ、次第に米国に対しても、「Noと言える国」に変わってきた。当然、それらの変化に気づき、そろそろ、国の方針自体にもいちゃもんをつけてもいいだろうと思った法制局長官が出てきても不思議はない。それだけのことだ。外交官は外国に勤務し、本省や、内閣が「分っちゃいないな」と思うのは、企業において海外の子会社や出張所に勤務する会社員と思うところは一緒である。かれらは政府や本社のお偉さんは何にも分っちゃいないと切歯扼腕するのが商売だ。だけど、実は彼らexpatriatたちも、実は大局が分っていない、バランス感覚がないという弱みを抱えているのだ。特に、外交官の陥りやすい問題は、孫崎のように、外地にいて孤軍奮闘するうちに外国人が見た日本人観がいつの間にかすっかり脳の内部に染みついてしまって、母国の政府がバカに見えてくるという病気に取りつかれる。こうなると、総理大臣が何人変わっても、どれもこれもできそこない、欠点だらけに見えてくるのだ。欠点を持つのは人間として当たり前、それでもおだてて努力して貰うしかないではないか。それができないと、一生、他人を批判磨るだけで死んで行く、全く世間にとって役立たずの人間で終わるだけさ。