名を正す のコメント

戦争法案についての安倍首相の説明は、既に破綻しており、ボロボロの状態です。それでも、明らかに違憲の法案を成立させようとし、自民党内でも目立った反対がありません。不思議なことです。それほどまでに、彼らほとんどが愚昧で無知な集団なのでしょうか。
多分、そうではないでしょう。そもそも自民党の党としての成り立ち自体が、アメリカによって承認され、擁護されてきたと言う歴史があります。もちろん、アメリカの言うことに従う限りという条件のもとで。今回の戦争法案で明らかになったのは、日本がアメリカの従属国家であるということです。自民党は、自分たちの存在基盤がアメリカへの従属を前提として成立しているのに、戦争法案に反対できるわけがありません。むしろ、今回の戦争法案を成立させることで、より一層の従属をアメリカにアピールし、自分たちの必要性をアメリカに訴え、それによって自分たちの存立基盤をより強固にしたいと考えているのです。これによって大きなメリットを受けるのは、自民党の政治家だけではありません。その範囲は、政官財学そしてマスコミの広範囲にわたっています。この意味で、従属国家からの脱出を自民党に求めるのは、畠(はたけ)に蛤(はまぐり)を探すようなものです。
うすうす感じてきたこのような構造をこそ、今こそ日本国民は直視しなければなりません。つまり、目先の発展や利益に目がくらんで、このような売国的政党を長年の間支持してきたのは多くの国民です。今までは、従属しつつも、経済的メリットを享受するということで、むしろ良かったのかもしれません。利益と損失を秤にかけて、メリットを享受する生き方の一つであったかもしれません。戦後、冷戦によって一番「得をした」国は日本だったからです。
しかし、今回の戦争法案はメリットが吹き飛ぶほどの大きなデメリットが生じます。それは、アメリカ軍と一体化することによって生じるリスクです。一体化することによって、アメリカと同一にみなされるというリスクです。そのリスクは自衛隊員だけでなく、日本人一般にも、そして日本本土にも及ぶリスクになる蓋然性が高いと思われます。アメリカがこれまで行ってきた数々の戦争によって、アメリカ及びアメリカ国民が負わなければならないリスクを、今後は日本及び日本人も負うことになります。これが、今回の法案の最も恐ろしい点だと思います。
アメリカはいわば自業自得ですが、そのようなリスクまで日本が背負い込むのはやり過ぎです。これだけは何としても避けるように、力の限り廃案に追い込む必要があります。戦後70年という節目に、日本は最大の岐路に立っています。

No.6 112ヶ月前

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