名を正す のコメント

戦争法案は、憲法違反、つまり法律違反であることははっきりしています。政府の反論は、反論になっていないことは明白であり、彼らはすでに論理破綻しています。にも関わらず、ごり押しでこの法案を通すなら、今後一切、日本は隣国に対しても、世界に対しても「法治国家」であると言えなくなります。学者が結集して反対表明していることは、法案の成立に大きなブレーキがかかると思いますが、何が何でもこの法案を阻止するためには十分ではないと思います。論理的反対は学者や専門家に任せながらも、なお私たちが考慮しておかなければならないことは、日本国民が論理や原則を優先して行動するより、感情が優先するということです。毒を以て、毒を制す。ここは一番、論理的に破綻している彼らに対抗するために、野党が政府と同様に、非論理的に迫る場面も必要です。一番わかりやすい方法、それは、次のように政府に迫ることです。「このような法律違反を犯してまで、戦争を積極的に行う法律を制定する以上は、総理、防衛大臣、戦争が起こったら、まずあなた方が率先して戦場に行くのですね。それを、ここではっきりと自分たちが真っ先に行くと約束してもらいたい。国民に行かしておいて、まさかあんたたちは、のうのうと国内の安全な場所にいるつもりではないでしょうね。」この質問が、論理的でないことはわかっています。しかし、非論理には非論理で応酬すること、このような、一見むちゃくちゃな質問の方が、国民にはわかりやすく、感情を大きく刺激するでしょう。そもそも、ありそうもない例えを出して、国民の感情を刺激しているのは、現政権なのです。質問に対して、政府は激怒するかもしれませんが、それでも抜群の効果があります。「行くのか、行かないのか」、二者択一の子供のような押し問答をあえてするのです。人間はこのような質問には、意外と答えにくいものです。行かないとしたら、その理由を説明しなければなりませんが、下手な説明は、いたく国民の心に反発を呼び起こすでしょう。「戦争法案という法律違反を犯すなら、その違反をまずあんたたちが犯せ」ということです。営業成績が良くないことを上司に非難された部下が居直って、「だったら、あなたが売って見せてくれ」というような感情に近いでしょう。部下にそう言われて、ホイホイと売って見せることは難しいのです。今こそ国家の大きな分かれです。法律違反をしよとしている無法者に立ち向かうには、論理と感情の両面で狡知の限りを尽くすべきです。もちろん、法律の範囲内で。

No.1 115ヶ月前

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