名を正す のコメント

「米国従属の姿勢は、今いたるところで強化されてきている。」と孫崎氏は書かれています。現象としてはその通りで、文字通り「いたるところで」そのことが見て取れます。従来リベラル系と見られていた新聞でさえ、徐々にその傾向が出てきていることがうかがえます。
ここで、問題なのは、当事者もそのことを問題と思わず、明確に意識していないことです。いわば無意識の言動にまで米国従属姿勢が入り込んでしまっています。
最高の植民地統治とは、植民地の人々に、自らが被植民地の人間であることを意識させず、自由に生活していると思いこませ、無意識の言動レベルまで支配することです。さらに、植民地の人々が命令されなくとも積極的に支配者の意図を忖度し、先まわりしてまで支配者の意図に従って行動することです。ここにおいて、植民地支配は最高の形で完成したといえます。
今や、日本の各界各層において、このような状況が顕著になりつつあります。
 奴隷が自らを奴隷であると思わず、主人に命令される以上のこと、時には自ら進んで主人の意図を思い測り行動すること、主人にとってこれほど扱いやすい奴隷はないでしょう。
実は、このような普通はあり得ない状況に陥っている背景には、中国に対する非常に屈折した思いが日本にはあるからです。戦後しばらくの期間、日本の知識人の間で、「日本は歴史に借りがある」とよく言われていましたが、それは日中間の二千年にわたる歴史的な問題に遠因があります。一言で言えば、こと日中間の二千年の歴史を概観すれば、日本は受けとるばかりであったということですが、長くなりますので、またの機会に書かせていただきます。


No.4 114ヶ月前

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