先般農業関係者と話し合った。話の論点はTPPと農協改革である。多くの自民党議員がTPPについて2012年選挙で約束したことと、現在のTPP容認の姿勢に対する差への落差がある。この中で具体的に名前の出たのは、稲田朋美自民党政務調査会長と西川農水大臣である。
彼らがどう変化したか、稲田朋美氏の場合を見てみたい。ブログ「kojitakenの日記」に、TPPは「日本壊国」宣言だ!(『WiLL』2012年1月号より)が田中康夫氏と稲田氏の対談を掲載していたので、ここでは、稲田氏の発言のみを抜粋する。
稲田:推進派はなぜか楽観的で「バスに乗り遅れるな」と言うけれど、行き先を分かっているのかと疑問です。どこに連れて行かれるか分からない、しかも途中下車もできないバスに国民を乗せるわけにはいきません。バスは乗り遅れるかじゃなくて、行き先が重要でしょう?
稲田:農業だけの問題じゃない、日本の文明、国柄の
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コメント
いつも孫崎先生にはいろいろ教えていただいていますが、今回の稲田朋美氏の話は正直、驚きでした。
つい2年前には彼女、そんなことを言っていたのですね。彼女だけでなく自民党議員98名、全体では232名の議員がTPP反対を唱えていたのですね。それが今ではどうですか?
情けないことに、私を含めて国民は少し前までのことをすぐ忘れてしまう。そうしたことを何故もっと、野党やメディアは追及しないのですか?
その時の稲田朋美氏の言葉の数々、安倍政権の暴走ぶりを見るにつけ、そっくりそのまま今の彼女に返したい。いわく
「たった1回の集中審議だけで、十分な国会論議もなく決めてしまうなんてどう考えてもおかしい」「サンドバック状態になっても意志を貫くべきだった」「こういう人が日本のトップだなんて、情けないにもほどがある」「そこまでアメリカ様のいうことをきかなきゃいけないですか」「何が何でもご機嫌をそこねちゃいけないと、過度に思い込んでいるんじゃないじゃないでしょうか」「どこまで日本はおめでたいでしょうか」等々。
ちゃんと分かっているじゃないですか。要は、親分が一言言うと全員右へならえで、そのご機嫌取りばっかり。目先の自分の損得しか考えないようとしない議員達。
折りしも放映中のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の吉田松陰に代表されるような、明治維新の志士が国会の中に一人でも居るだろうか?
IWJ岩上安身チャンネルで対談中。山田正彦先生と・・。事は緊急を要す。
以上。
TPPの怖いのは、ISD条項だけではない。今は、政府が音頭を取り大企業が賃上げに踊っているような姿をとっているが、米国、韓国同様に、誰にでもできる仕事で、今後給料を上げることはない。当たり前のことであるが、多国籍企業は、給料を上げなければならないのであれば、安いところで生産製造すればよいのであって、給料を上げる経営者などいません。労働者など使い捨て扱いにしか考えていない。米国とFTAを結んだ韓国を馬鹿にするのでなく、将来の自分の姿であると直視すべきなのです。韓国国民は、日本人より先に貧困化の洗礼を受けているに過ぎない。TPPを結べば、明日は資本家のカモ日本人が待っているということである。
(ID:18367902)
米国と中国は軍事力をバックにして利権争いをしている。
米国の利権は既存利権を強化するTPPのISD条項によって、締結国の富を徹底的に集めようとしています。中国のAIIBの目的も明らかな中国利権の拡大基盤整備であり、本来の目的が明らかになってきつつある。AIIBが参加にファンドを設け、各国の政府投資ファンドから幅広く資金を集める方針という。米国系の世界銀行、アジア銀行が制度疲労を起こしているが、米国の利権を手放すことに米国議会が承認しないため、米国と世界銀行、アジア銀行との対立にまで進んでいるといえる。米国と日本が反対にまわれば回るほど、AIIBに期待する国と投資家が増えて、自滅の道を歩むことになるのでしょう。現時点では、日米主体のTPPは、中国のAIIBの怒涛のような流れに抗することはできない。ネジレで身動きが取れず弱体化が進む米国の船に乗ることの危険性を察知した3,000名ともいわれる日本の大企業訪中団が、中国の船に乗り換えていくことになるのではないか。政府が主導するTPP等色あせてきつつあると見ています。