PL紳士 のコメント

この国はいつから、天皇の言葉さえ「公平中立公正を害する」として、ありのまま率直に国民に伝えられないようになってしまったのでしょうか? 昨年の総選挙前、自民党がNHKと在京民放キー局に対し加えた無言の圧力騒動が思い起こされます。
 3月27日のテレビ朝日の人気番組「報道ステーション」では、コメンテーターを務めていた古賀茂明氏が、それまで安倍政権を強く批判し続けたたことで、菅官房長官ら官邸からひどいバッシングを受けた由、ついにこの4月から番組を降ろされたことが暴露されました。更迭されたのは古賀氏だけでなく、やはり政権に批判的なコメントを述べることが多かった朝日新聞論説委員の恵村順一郎氏、さらに同番組のMプロデューサーと、3人まとめて一緒でした。
 数あるテレビ局の中でも一番安倍政権と距離を置いていると見られていたテレビ朝日でさら、今やそうなのです、

 「サピオ」(小学館発行)の5月号が「誰がテレビを殺したのか」と題する特集を組んでいます。
その前文を次に引用します。「テレビがつまらなくなったといわれて久しい。こんな「常識」をわざわざ指摘するこちらの方が恥ずかしくなるほどだが、それにしても最近はひどすぎやしないか。ただ、あたりさわりの言葉と映像が垂れ流されるだけ。
 たとえば政治過程でも、かっては「テレビが政権をつくる」と言われたほどの凄みがあった。それが今はどうだろう。
テレビはなぜ、かくも窮屈で退屈なメディアになったのか。その理由を当事者たちの証言から探ることで、この国の言論空間をめぐる危機的状況をあぶり出す。」
 昨年末あたりから、安倍政権に対し批判的な記事を多く掲載してきた「週刊ポスト」の小学館だからこそ組めた今回の勇気ある特集でしょう。
 新聞を読まない人が目立って増えている今日、政治の行方に最も強い影響力を有しているのはやはりテレビです。そのテレビでさえ、今やそうした危機的な状況にあることで、いったいこの先、日本はどうなってしまうのでしょうか?

No.6 118ヶ月前

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