oldjap のコメント

議会の存在理由は、議員による討議である。すなわち、できるだけ自由な雰囲気のなかでの議論である。私も嫌がらせだけの野次、単に音量の差で相手の発言を聞こえなくするような野次は止めるべきだと思う。しかし、総理大臣だから野次はだめというのは、どうかと思う。かつて菅直人総理が東電本社で大声で怒鳴ったのは品がないとか、総理としてとるべきでないという批判も読んだことがあるが、一方、米国の一部の評論家は、彼の一声が日本を危機から救ったと評価しているのも読んだ。総理も人の子である。怒鳴り合うことも議論のテクニックの一部であることは、世界中どこでも同じである。議論が苦手の日本人が議論のテクニックを身につけて行く過程ではヤジも許されなければならないのかも。

一方、私が住んでいる静岡県の某町の町会議員の一人が発言のマナ―を理由に議員辞職勧告決議の対象となった。彼は町の医師会が往診を拒否している現状を憂い、往診および訪問看護制を導入しようとして近隣都市の現状を事前調査し、その結果、当該近隣都市の医師会から、町の医師会に問い合わせが入ったことを、町の医師会の会長が逆恨みして、当該町会議員を辞職に追い込もうと町長を介して画策したというのである。その議員辞職勧告決議は町長の息がかかった一部の議員が提案したものであり、提案理由にあげられたのは町会における発言の態度や言動が議員としての節度にふさわしくないというものであった。この提案は自由な討論を妨げると言う点において民主主義に反するものである。議会ではあやふやな理由、たとえば具体的なルールが不在な、品格なんていう基準によって自由な討議が妨げられてはならない。ヤジもある程度は許されるべきかも。日本人に必要なのは、表だけ大人ぶった態度で、実は裏では自己の利益を追求しようとする上記の医師会や町長一派よりも、もっともっと、自由で活発な議論を通して真実を明るみにだしてゆくことではないか。双方が真剣になればなるほど、社会に潜む問題は表面化できるだろう。

No.7 117ヶ月前

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