『安保理の実効的な措置があるまでのかりそめの』とは、実は「永久的な」措置でもあり得る。もし、中国という安全保障理事国が日本国の領土である尖閣諸島に対して中国の領土権を主張して同地を占領しようと軍事行動を起こしたと仮定する場合、その非を日本が安保理に訴えても、中国の拒否権に遭って永久的に日本の主張が通らない可能性があるのではないか。日本は原爆はおろか、長距離ミサイルも所有しない国であり、事実上、軍備がある国とは言えない。そういう状況の下で、もし武力で国土防衛をしたいと考えるなら、集団的自衛権に頼るしかない。今日、日本には憲法9条の下で自衛権を発動しても中国やロシアに対抗することは無理、北朝鮮に対してもどうかわからないと考える。それなら、軍事力を増強するかと言えば、私は反対である。私は現実的な選択肢としては集団的自衛権をかざして、米国のネットに入るしかないと考える。米国が第三国で戦争しても、おざなりの協力をすればよい。一方で、対中国、北朝鮮に対しては、集団的自衛権を見せ付けるだけとして、できる限り対決を避ける。本当に中国と戦争することになったら、米国がどうするかって?米国は中国とは決して戦争しないだろう。その時に米国が日本にどう対応するかはわからないが、米国が戦争援助を拒否する以上、日本は中国と戦争でいないことは言うまでもない。もう一度戦争してまでも守るほどの国でもないよ、日本は。
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孫崎享チャンネル
(ID:32175174)
『安保理の実効的な措置があるまでのかりそめの』とは、実は「永久的な」措置でもあり得る。もし、中国という安全保障理事国が日本国の領土である尖閣諸島に対して中国の領土権を主張して同地を占領しようと軍事行動を起こしたと仮定する場合、その非を日本が安保理に訴えても、中国の拒否権に遭って永久的に日本の主張が通らない可能性があるのではないか。日本は原爆はおろか、長距離ミサイルも所有しない国であり、事実上、軍備がある国とは言えない。そういう状況の下で、もし武力で国土防衛をしたいと考えるなら、集団的自衛権に頼るしかない。今日、日本には憲法9条の下で自衛権を発動しても中国やロシアに対抗することは無理、北朝鮮に対してもどうかわからないと考える。それなら、軍事力を増強するかと言えば、私は反対である。私は現実的な選択肢としては集団的自衛権をかざして、米国のネットに入るしかないと考える。米国が第三国で戦争しても、おざなりの協力をすればよい。一方で、対中国、北朝鮮に対しては、集団的自衛権を見せ付けるだけとして、できる限り対決を避ける。本当に中国と戦争することになったら、米国がどうするかって?米国は中国とは決して戦争しないだろう。その時に米国が日本にどう対応するかはわからないが、米国が戦争援助を拒否する以上、日本は中国と戦争でいないことは言うまでもない。もう一度戦争してまでも守るほどの国でもないよ、日本は。