NakaBB のコメント

小さい頃将棋をやっていたので羽生の強さはよくわかります。長い間王者であり続ける羽生は天才と称されて当然です。ただ少し思うのは、羽生が10代の頃羽生世代の森内や佐藤と「チャイルドブランド」といわれて、中原や米長たちを蹴散らかしていました。彼らの将棋は深い読みに裏打ちされていて、「〜流」と称される個性豊かな将棋をデジタル脳が駆逐していったのです。今の若い人の将棋は概して強く、あの世代の人間は絶対に太刀打ちできません。データーは蓄積され、情報についていけない人間は勝てません。そしていまやコンピューターソフトがプロを脅かす時代です。羽生や森内や渡辺といった超一流が敗れる日もそう遠くはないかと思います。そういう時代に羽生がこういう本を書くというのが、なんというかある意味感慨を感じます。いいとか悪いとかそういうことではありません。

ゲームと人生は違います。ゲームにはルールがあり勝ち負けがあります。原理的には、先手必勝か後手必勝か最善を尽くせば引き分けか、結論は決まっています。でも人生には勝ち負けはなく、また何が最も大切なのかも人によって違うでしょう。羽生は「将棋人生」から抽出したエッセンスを言葉にしたのだと思います。なんというかゲームのような人生からは早く卒業すべきだと思いますね。

No.1 126ヶ月前

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