次に、南沙諸島の領有権問題についてですが。 「中国-ベトナム」の間には、領海声明をファム・バン・ドン首相が 領海権を認めてしまっているので、議論余地はありません。 当時ベトナム政府が発行した地図上にも明確に中国領と書かれている。 <ベトナム内閣府測量・地図作成局が1972年に作成した世界地図集> http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c94474-8738572-4.html しかし、中国の領海声明を、「フィリピン」と「マレーシア」は認めた わけではありません。 だとすると、南沙諸島における中国の領有権主張の正当性は、 「9段線」の根拠にどれだけの正当性があるかにありますが、 余りにも弱いうえ、地理的にも説得力がありません。 日本は1938年に南沙諸島など新南群島の領有を閣議決定し、 台湾の一部として統治しました。 戦後、南沙諸島は、台湾(つまり中国)に返還される形となった。 台湾は、海軍が同水域や島嶼で研究活動を開始、1947年に 「11点破線」を領域主権と権益の境界線として世界に発表。 それを継承したものが「9段線」の根拠です。 南シナ海の境界は極めて曖昧で、各国がかなりいい加減な主張と 行動をしており(特にベトナム)、かならずしも中国だけが悪い、 とはいえないわけです。 <南沙諸島における各国の領有状況> http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1f/%E5%8D%97%E6%B2%99%E7%BE%A4%E5%B2%9B2012%E5%B9%B4%E5%BD%A2%E5%8A%BF%E5%9B%BE.gif http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%B2%99%E8%AB%B8%E5%B3%B6#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Spratly_with_flags.jpg 南シナ海問題の背景には、島の領有権の問題以外に、「米中の覇権争い」 と「石油メジャー同士の資源獲得競争」が絡んでいると思っていますが、 時間がないので、それはまた休日にでも書こうと思います。
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孫崎享チャンネル
(ID:9443972)
次に、南沙諸島の領有権問題についてですが。
「中国-ベトナム」の間には、領海声明をファム・バン・ドン首相が
領海権を認めてしまっているので、議論余地はありません。
当時ベトナム政府が発行した地図上にも明確に中国領と書かれている。
<ベトナム内閣府測量・地図作成局が1972年に作成した世界地図集>
http://j.people.com.cn/n/2014/0609/c94474-8738572-4.html
しかし、中国の領海声明を、「フィリピン」と「マレーシア」は認めた
わけではありません。
だとすると、南沙諸島における中国の領有権主張の正当性は、
「9段線」の根拠にどれだけの正当性があるかにありますが、
余りにも弱いうえ、地理的にも説得力がありません。
日本は1938年に南沙諸島など新南群島の領有を閣議決定し、
台湾の一部として統治しました。
戦後、南沙諸島は、台湾(つまり中国)に返還される形となった。
台湾は、海軍が同水域や島嶼で研究活動を開始、1947年に
「11点破線」を領域主権と権益の境界線として世界に発表。
それを継承したものが「9段線」の根拠です。
南シナ海の境界は極めて曖昧で、各国がかなりいい加減な主張と
行動をしており(特にベトナム)、かならずしも中国だけが悪い、
とはいえないわけです。
<南沙諸島における各国の領有状況>
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/1f/%E5%8D%97%E6%B2%99%E7%BE%A4%E5%B2%9B2012%E5%B9%B4%E5%BD%A2%E5%8A%BF%E5%9B%BE.gif
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%B2%99%E8%AB%B8%E5%B3%B6#mediaviewer/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Spratly_with_flags.jpg
南シナ海問題の背景には、島の領有権の問題以外に、「米中の覇権争い」
と「石油メジャー同士の資源獲得競争」が絡んでいると思っていますが、
時間がないので、それはまた休日にでも書こうと思います。