イワンアサノヴィッチ のコメント

以前、大手のF通の工場勤務の社員でした。工場ではベルトコンベアー方式の生産が出来ない工程がありました。そこでは「指定時間制度」があり、標準作業時間が予め提示され、各工員は遅れを執ってはならじと黙々と作業に励む訳です。作業日報に仕上げた数と標準労働時間と自身の成果を報告させられます。もちろん工場長や組長のチェックがありますから虚偽報告は出来ません。それは直ぐにボーナス査定に反映されます。殆どの工員は標準時間に届かず、60~90%の達成率でした。それもその筈です。標準作業時間は20年以上勤務のベテラン工員の作業時間がそのまま「指定時間」に設定されていたからです。
目の前にニンジンをぶら下げ且つ後ろから鞭打つ、飽くなき資本の収奪そのものでした。ユニオンシップ制度の労働組合はもちろん「御用組合」だから、そんな会社の強奪を告発出来る環境には全くありませんでした。否むしろ黙っていなければ、職場選出執行委員にもなれず、労組執行委員の未経験者は係長にもなれないという仕組みがありました。
まさに、孫崎さん仰る通り「綿花畑の黒人奴隷」然とした労働実態でした。

No.3 127ヶ月前

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