まず、最近のロシアの強行姿勢について。 前回も述べましたが、これは防衛的側面が非常に強い。 ロシアが過剰に反応を示しているのは、米国のネオコンら 過激勢力が打ち立てた戦略が、オバマ政権でも引き継がれ ていることが原因です。 米国がもっとも過激な対ロシア戦略を打ち出したのは、 ネオコンの代表であるブッシュJrが大統領の時代です。 問題になったのは、東欧諸国へのミサイル防衛構想です。 NATOを、旧ソ連圏の国・東欧諸国にまで拡大し、そこに 核ミサイルを防衛システムを配置するといったものです。 米国は、自国防衛システムの構築を、何気なくしている つもりなのでしょうが、この発想は極めて危険です。 戦略核兵器には、「大国同士の全面戦争を不可能にした」という 側面がありますが、一方の国がリスク無しで相手の国を一方的に 滅ぼせるなら、「相互確証破壊」による抑制が成り立ちません。 ロシアは死に物狂いでNATOの勢力拡大を阻止しようとします。 プーチンは当時、「米国がMD構想を進めるなら新たな冷戦も 辞さない」と述べて米国の動きを牽制しています。 そして、ロシアの目と鼻の先に存在する、グルジア、ウクライナ をNATOに加盟させる動きが問題になり、2008年には グルジア紛争が勃発します。 今回のウクライナ危機も、この延長線上にあるわけです。 一歩間違えれば、NATOとロシアの全面戦争に発展して いましたし、ロシアを中国に接近させてしまった。 NATOは冷戦時代の遺物です。 冷戦の終結と同時に、NATOは解体されるべきでしたし、 米国は執拗にロシアを追い詰めるべきではなかった。 (・・・再びご迷惑を承知の上、続きます・・・)
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孫崎享チャンネル
(ID:9443972)
まず、最近のロシアの強行姿勢について。
前回も述べましたが、これは防衛的側面が非常に強い。
ロシアが過剰に反応を示しているのは、米国のネオコンら
過激勢力が打ち立てた戦略が、オバマ政権でも引き継がれ
ていることが原因です。
米国がもっとも過激な対ロシア戦略を打ち出したのは、
ネオコンの代表であるブッシュJrが大統領の時代です。
問題になったのは、東欧諸国へのミサイル防衛構想です。
NATOを、旧ソ連圏の国・東欧諸国にまで拡大し、そこに
核ミサイルを防衛システムを配置するといったものです。
米国は、自国防衛システムの構築を、何気なくしている
つもりなのでしょうが、この発想は極めて危険です。
戦略核兵器には、「大国同士の全面戦争を不可能にした」という
側面がありますが、一方の国がリスク無しで相手の国を一方的に
滅ぼせるなら、「相互確証破壊」による抑制が成り立ちません。
ロシアは死に物狂いでNATOの勢力拡大を阻止しようとします。
プーチンは当時、「米国がMD構想を進めるなら新たな冷戦も
辞さない」と述べて米国の動きを牽制しています。
そして、ロシアの目と鼻の先に存在する、グルジア、ウクライナ
をNATOに加盟させる動きが問題になり、2008年には
グルジア紛争が勃発します。
今回のウクライナ危機も、この延長線上にあるわけです。
一歩間違えれば、NATOとロシアの全面戦争に発展して
いましたし、ロシアを中国に接近させてしまった。
NATOは冷戦時代の遺物です。
冷戦の終結と同時に、NATOは解体されるべきでしたし、
米国は執拗にロシアを追い詰めるべきではなかった。
(・・・再びご迷惑を承知の上、続きます・・・)