たしかピカソだったと思うけれど、「芸術とは真実を映し出すための嘘なのだ」というようなことをいっていますね。芸術はその時代にあった手法を使って、その時代の本質を映し出していなければ芸術とはいえません。ピカソはそのときの自分に忠実な手法を使ってわりと素直な表現をしている方だと思います。正直だからこそ評価されているのです。けれどピカソの作品は決して合理的なものの見方では理解されないはずです。ピカソの作品はその中に流れる悲哀を理解しなければ決してわからないだろうと思います。それは結構多くの20世紀の画家に共通していて、ルオーやキリコなども例外ではないですよね。 ダンブラウンは才能ある作家ですよね。発想もオリジナリティがあるし、なるほどと思わせる説得力もある。ダビンチコードはもうあらすじも忘れましたが、イエスの子孫を根絶やしにすることに執念を燃やす団体がいるというのは面白いなと思いました。その執念がどこから来るのか、そしてそれを守ろうとする教会とは何なのか、すべては作家の心の中にあるのだろうと思います。それが人々を魅了する。不思議な話だと思いますね。けれどすべてがエンターテイメントにされてしまうのは残念です。そこにはもっと考えるべきことがたくさんあるはずなのにすべてが時の軽さに忘れ去られていく。おおくのハリウッドの映画がそうです。パンピーの意識は、それを生み出した作家の意識に届くことなく消費されてしまう。そういう乖離が特に20世紀以降顕著になっている気がします。多分そこには深い理由がある気がします。
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孫崎享チャンネル
(ID:2197362)
たしかピカソだったと思うけれど、「芸術とは真実を映し出すための嘘なのだ」というようなことをいっていますね。芸術はその時代にあった手法を使って、その時代の本質を映し出していなければ芸術とはいえません。ピカソはそのときの自分に忠実な手法を使ってわりと素直な表現をしている方だと思います。正直だからこそ評価されているのです。けれどピカソの作品は決して合理的なものの見方では理解されないはずです。ピカソの作品はその中に流れる悲哀を理解しなければ決してわからないだろうと思います。それは結構多くの20世紀の画家に共通していて、ルオーやキリコなども例外ではないですよね。
ダンブラウンは才能ある作家ですよね。発想もオリジナリティがあるし、なるほどと思わせる説得力もある。ダビンチコードはもうあらすじも忘れましたが、イエスの子孫を根絶やしにすることに執念を燃やす団体がいるというのは面白いなと思いました。その執念がどこから来るのか、そしてそれを守ろうとする教会とは何なのか、すべては作家の心の中にあるのだろうと思います。それが人々を魅了する。不思議な話だと思いますね。けれどすべてがエンターテイメントにされてしまうのは残念です。そこにはもっと考えるべきことがたくさんあるはずなのにすべてが時の軽さに忘れ去られていく。おおくのハリウッドの映画がそうです。パンピーの意識は、それを生み出した作家の意識に届くことなく消費されてしまう。そういう乖離が特に20世紀以降顕著になっている気がします。多分そこには深い理由がある気がします。