湾岸戦争のあと当事国クウェートが戦後日本に対して何も感謝しなかったということが話題になり、多くの日本人が不満げであった。日本は1国としては米国(611億ドル)に次ぐ130億ドルという多額の資金を提供したのにも係らず(ドイツ70億ドル、ペルシャ湾岸諸国360億ドル)、である。その理由は日本が軍隊を派遣しなかったから、という解説がなされた。もっとも、日本の資金の大半は米国の手にわたり、クウェートには6億ドルだけだったということである。また、それはかつて来日したクウェートの外相が当時の大平外相と会談した時、それでなくても細い眼をした大平氏が目をつむって通訳の言葉を聴いていたのをクウェートの外相は居眠りをしていると解釈して、怒って席を立ったという事件があり、それから20年後のクウェート戦争時にも件のクウェートの外相はまだ現職であり、その事件を忘れていなかったからだという、ばかばかしいような説もある。まあ、そのいきさつはどうでもいいが、それいらい、日本国民の多くにそのような国連軍には実戦部隊を送るべきだという意志があり、単に安部氏個人の考えではないのではないか。民主主義が働いていれば、安部、石波氏ら自民党の意図は国会で否決されるはずであり、もし国会を通過すれば、それすなわち、孫崎氏らの意見は少数意見に過ぎないということになる。少数意見が少数意見だから間違っているとはいはないが、当然、同じ理由で正しい意見とも言えない。悔しかったら民主主義でない別な政治機構を発明するしかないだろう。
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孫崎享チャンネル
(ID:32175174)
湾岸戦争のあと当事国クウェートが戦後日本に対して何も感謝しなかったということが話題になり、多くの日本人が不満げであった。日本は1国としては米国(611億ドル)に次ぐ130億ドルという多額の資金を提供したのにも係らず(ドイツ70億ドル、ペルシャ湾岸諸国360億ドル)、である。その理由は日本が軍隊を派遣しなかったから、という解説がなされた。もっとも、日本の資金の大半は米国の手にわたり、クウェートには6億ドルだけだったということである。また、それはかつて来日したクウェートの外相が当時の大平外相と会談した時、それでなくても細い眼をした大平氏が目をつむって通訳の言葉を聴いていたのをクウェートの外相は居眠りをしていると解釈して、怒って席を立ったという事件があり、それから20年後のクウェート戦争時にも件のクウェートの外相はまだ現職であり、その事件を忘れていなかったからだという、ばかばかしいような説もある。まあ、そのいきさつはどうでもいいが、それいらい、日本国民の多くにそのような国連軍には実戦部隊を送るべきだという意志があり、単に安部氏個人の考えではないのではないか。民主主義が働いていれば、安部、石波氏ら自民党の意図は国会で否決されるはずであり、もし国会を通過すれば、それすなわち、孫崎氏らの意見は少数意見に過ぎないということになる。少数意見が少数意見だから間違っているとはいはないが、当然、同じ理由で正しい意見とも言えない。悔しかったら民主主義でない別な政治機構を発明するしかないだろう。