haruo のコメント

1.与謝野晶子には社会批評家の一面があった。社会の不正に対して、するどく異議を申し立てた。
  ああをとうとよ、君を泣く、
  君死にたまふことなかれ
  この詩は有名だが、発表後ただちに激しい非難があびせられ、晶子はきちんと反論した。「売国奴」「乱臣賊子」といったののしりがとんできた。反戦を訴える「危険思想」とみなされた。
 「当節のように死ねよ死ねよと申し候こと…」晶子は明快に答えている。忠君愛国を言い立てる人は、自分は安全な場所にいる。教育勅語などの権威をかさに死を美化するほうが、「かえって危険と申すものに候わずや」。女としての生活者の感覚から男社会をながめ、ややもすれば無批判にまかりとおる「男の論理」を痛烈に批判した。(池内 紀『文学フシギ帖』)
2.1969年に亡くなった長谷川如是閑に『戦争絶滅受合法案』という短文がある。月刊誌『我等』昭和4年1月号に載ったものである。
 戦争行為の開始後又は宣戦布告の効力の生じたる後、10時間以内に次の処置をとるべきこと。即ち左の各項に該当する者を最下級の兵卒として召集し、出来るだけ早くこれを最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わしむべし。
1 国家の元首。但し君主たると大統領たるとを問わず。尤も男子たること。
2 国家の元首の親族にして16歳に達せる者。
3 総理大臣、及び各国務大臣、並びに次官。
4 国民によって選出された立法部の男性の代議士。但し戦争に反対の投票を為したる者は之を除く。
5 キリスト教又は他の寺院の僧正、管長、その他の高僧にして公然戦争に反対せざりし者。
上記の有資格者は、戦争継続中、兵卒として召集さるべきものにして、本人の年齢、健康状態を斟酌すべからず。但し健康状態に就ては召集後軍医官の検査を受けしむべし。
上記の有資格者の妻、娘、姉妹等は、戦争継続中、看護婦又は使役婦として召集し、最も砲火に接近したる野戦病院に勤務せしむべし。(淮陰生『完本一月一話』)
 なるほど、これなら安倍さんは集団的自衛権行使の解釈改憲(=憲法破壊)を止めるでしょう。流石の石破さんも「自衛官の死傷は…」の発言を取り消すでしょう。

 

No.3 130ヶ月前

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