1950年代の人民日報では、尖閣諸島を沖縄の一部であるとし、沖縄の反米、日本復帰運動を後押しする論調があったと法輪功系の米国の新聞大紀元(日本語版もある)が伝えている。その真偽について調べようと思ってその記事の写真版までたどり着いたが、はっきり読めないのでその真偽は不明。法輪功は中国本土では思想弾圧の対象となっている教えなので、そのグループの新聞記事では信頼できないが。尖閣諸島棚上げ論が発生した当時の日本の田中首相の相手は周恩来首相だが、周氏はもともと、学生時代に日本に留学して日本の大学で学ぼうと務めたが、2度の試験に失敗し、日本の教育制度はエリート主義だと感じたとされている。彼がパリに留学し、共産主義活動にのめり込んでいったのはそのあとである。したがって周氏は日本語にも、日本人の考え方にもある程度通じており、それが平和条約という目標実現のために、日本的なごまかしテクニックとして棚上げを提案してきたのだ。日本側は中国がそういうなら、そうしようかとこれに飛びつき、ついでに中国が弱腰と解釈して、じゃあ、島は俺のものだなと都合のいい方に解釈し、従って今になって国力をつけて大国となったつもりの中国にまだ解決していないと言われて困っているにすぎない。黒白をつけなかった両方の罪である。ヨーロッパ人ならその様な非論理的な決着は画策しなかったかもしれない。いずれにしても、まるで無価値のちっぽけな島は、外交官の飯の種ではあっても、一般国民にとってはそんなことで喧嘩をしてほしくないというだけだ。
チャンネルに入会
フォロー
孫崎享チャンネル
(ID:32175174)
1950年代の人民日報では、尖閣諸島を沖縄の一部であるとし、沖縄の反米、日本復帰運動を後押しする論調があったと法輪功系の米国の新聞大紀元(日本語版もある)が伝えている。その真偽について調べようと思ってその記事の写真版までたどり着いたが、はっきり読めないのでその真偽は不明。法輪功は中国本土では思想弾圧の対象となっている教えなので、そのグループの新聞記事では信頼できないが。尖閣諸島棚上げ論が発生した当時の日本の田中首相の相手は周恩来首相だが、周氏はもともと、学生時代に日本に留学して日本の大学で学ぼうと務めたが、2度の試験に失敗し、日本の教育制度はエリート主義だと感じたとされている。彼がパリに留学し、共産主義活動にのめり込んでいったのはそのあとである。したがって周氏は日本語にも、日本人の考え方にもある程度通じており、それが平和条約という目標実現のために、日本的なごまかしテクニックとして棚上げを提案してきたのだ。日本側は中国がそういうなら、そうしようかとこれに飛びつき、ついでに中国が弱腰と解釈して、じゃあ、島は俺のものだなと都合のいい方に解釈し、従って今になって国力をつけて大国となったつもりの中国にまだ解決していないと言われて困っているにすぎない。黒白をつけなかった両方の罪である。ヨーロッパ人ならその様な非論理的な決着は画策しなかったかもしれない。いずれにしても、まるで無価値のちっぽけな島は、外交官の飯の種ではあっても、一般国民にとってはそんなことで喧嘩をしてほしくないというだけだ。