oldjap のコメント

軍国主義は国家統制の一部であり、その二つを同一視して論じることは誤りである。中国(PRC)はもとより、欧米諸国にも強い国家統制はある。例えば英国(UK)はArmed Forces of The Crown、即ち「陛下の軍」を有し、それは国防委員会によって管理されている。アルゼンチンの沖合にある小諸島(FalklandsまたはMalvinas)、の帰属をアルゼンチンと争ったとき、英国は軍隊を派遣して戦争した。英国は核弾頭を搭載した弾道ミサイルを発射できる原子力潜水艦を4隻所有している。国家安全保障に携わる機関としてはSecurity Service (別名M15)のほかにNCA, NBIS, NDEUなどの国内治安維持担当の諸機関があり、Secret Intelligence Service(別名M16)のほかに3機関の対外情報機関を持っている。これらはすべて国家を維持するために必要なものであり、国家統制機関と考えてよいだろう。
英国だけを取り上げたが、現在、国家統制機関を持たない主要国家は皆無であり、その当然な結果として、国家は守るべき国家秘密を持ち、また、一般庶民はこれら機関の監視下にあるのは当然であり、したがってそれらの監視や統制に反感を持ち、抗議する国民がいるのも当然である。しかし、国民の大半および選挙によって選出された国会議員の大半がそれらの統制は国家の維持にとって必要であると考えるからこそ、それらの機関が諸国家に存在するのである。さすれば、問題はそれらの統制に対する反感、抗議は果たして国民の一員として一般的に正しい反応と言えるかどうかであろう。言えることは、単なる「気に入らない」とか「不安」とか、高村光太郎のような感情的反応は無意味であり、もっと理性的な論議が必要であるということである。

No.4 133ヶ月前

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