◎元外務省国際情報局長の孫崎享さん/

 

 集団的自衛権について、外務省国際情報局長や、イラン大使、防衛大学校教授などを歴任した孫崎享(まごさき・うける)氏にインタビューしました。

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 憲法の解釈は本当なら、裁判所にしっかりやっていただくのが一番いいのです。ところが安全保障の問題となると、裁判所は憲法解釈を避ける傾向にあります。ある意味で、内閣法制局は最高裁に代わって、憲法上合憲かどうかの判断を担っているところがあります。

 そこで大事なことは、憲法や法律を、そのときどきの政権の政治的利害を超え、できるだけ公平に解釈していかなければいけないということです。それが法治国家の一番の根本です。政治的判断を優先させてはならない。

 その場合、政権によって解釈が異ならないような継続性が求められます。

 今回、危機的なのは、安倍政権が内閣法制局長